昨日歌舞伎座の開場式に行ってきました
昨日は真冬並みの寒さと小雨交じりの天気だったにもかかわらず、東銀座は賑わっていました。
地下鉄の改札を出ると歌舞伎座の地下に直結していて、チケット売り場もあり、お土産屋さん、お弁当屋さんなどもあり、ここからすでにワクワク感が高まります。
写真の大きな提灯も地下にあるんですよ
外に出てみると予想どうりたくさんの人、歌舞伎座の外観は前より白っぽくなったと思いますが、それほどイメージは変わっていません。
中に入るとますますその思いは強くなりました。以前の歌舞伎座のイメージそのままに全てが新しくなったようです。
変わった所もあります。新しくエレベーターやエスカレーターが付けられていたり、絵画の展示も以前とは違った趣になっていました。
3階に上がると一つのコーナーに思い出の役者さん方のお写真が飾ってありました。
重鎮の役者さん方が並ぶ中で、終わりに中村勘三郎さんと、市川團十郎さんの若いお二人のお写真が並ぶのを見ると胸がいたみました。
客席の様子も前ととてもよくにています。ただ椅子が大きくなり、間隔も広くなったので以前より楽に座れます。
驚いたことに席が花道の真横でした。
まだ新しい檜の花道はほぼ節目もない白木で、初々しささえ感じるものでした。
一番太鼓の響きで始まり、おめでたい翁の舞、緞帳披露と進みます。
最後は舞台に役者さん方が勢ぞろいされた中で、松竹の大谷会長をはじめ役員の方のご挨拶がありました。
私が初めて歌舞伎を観たのは高校生の時、国立劇場での「歌舞伎教室」に学校の授業の一環として行った時です。
初めて観る歌舞伎は驚きの連続でした。
独特のセリフまわし、変わった動き、客席からかかる掛け声、時代劇のドラマや映画とは全然違った世界がそこにありました。
中でも一番目を引いたのが絢爛豪華な舞台や衣装の美しさでした。
高校生の私には圧倒される気がしました。
その日最後の演目の主役が勘三郎さん、当時の中村勘九郎さんでした。
コミカルで明るい演目でした。
楽しんで見ていると私のすぐ後ろから一際大きな掛け声が、思わず振り向くとそこにいたのは当時の中村勘三郎さん、つまり勘九郎さんのお父様とお姉様だったのです。
まだ若い勘九郎さんの応援にいらしてたのでしょうね。
考えてみれば勘九郎さんは私とさほど年も違わないのです。そう思うと歌舞伎の世界も少し近くに感じたものでした。
「眠い~」「疲れた~」と言う友達が多かった中で、一人「歌舞伎って楽しい」とはしゃいでいたのを覚えています。
その後大学生の時も、会社員だった頃も時々歌舞伎座に行き楽しませて頂きました。
勘九郎さんの舞台も何度も拝見しました。
なのにやがて子育てに忙しくなった頃より段々足が遠のいてしまいました。
それが今こうして縁あって新しい歌舞伎座の開場式にお招き頂いたのに、私に歌舞伎の楽しさを教えてくれた方が舞台に座っていないのが何とも言えず寂しかったです。
ただ真新しい舞台とそこに集う皆さんの凛とした表情を見るとこちらも背筋が伸びる思いがします。
日々の忙しさの中で一つ一つ置いてきてしまった物を、これからはまた一つ一つ拾い集めていきたいと思いました。
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