オペラへのお誘い | ぞうの みみこのブログ

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Eメールのアカウントを開くと、懐かしい人からのメールが。
長年の友達のフランクからだ。次の日のメトでのオペラ、
(MET: Metropolitan operaの愛称)

”ドン ジョバンニ” のオーケストラチケットをゲットしたので
来ないか、という。こんな急なお誘いは、多分に、誘っておいた
第1候補がドタキャンしたかなにかであろう。
でも、気にかけてもらっただけでもうれしい。

ニューヨークでは、オペラはそんなに敷居の高いものではない。
さすがにオーケストラ席となると、日本円でも
一万円くらいからの予算になるが、席を選ばなければ、
映画を見るのに毛の生えたくらいの料金で鑑賞する事ができる。

さらに、学生割引や、ラッシュチケットと言って、公演当日に
ならんで買うチケットなどはオーケストラ席だが、
なんと$20~25。

なんだかんだいってもオペラだから、ドレスアップした人々もいるけれど、
かといって、ジーンズなどの普段着で行っても場違いになるような
雰囲気もない。(さすがにジャージや、ビーチサンダルとかは
避けた方がいいかもしれないが。)

わたしも学生時代は学割チケットでオーケストラ席で、
普段着で鑑賞していたものだ。

”だれかがさきに決まってるかも”と思い、急いで
フランクに電話したみた。残念ながらチケットは昼公演の物で、
わたしにはスケジュール上無理とわかった。
でも、久しぶりにフランクと話せて嬉しかった。
フランクはマンハッタンのとある旅行代理店で仕事をしている。

でも驚くほど知的好奇心が強く、芸術にも造詣が深い。
とくに、哲学と音楽がお好みのようで、
いつも哲学系の難しそうな本を読んでいる。
音楽はクラシックからブリトニースピアーズまで、
幅広く聴いているようだ。映画の事もよく知っている。
詩人でもある。

”朝鮮戦争のときには” アメリカ兵として、たしか志願して
出兵したと言っていたから、ずっと年上で、
私にとっては、いろんなことが相談できる叔父さんのような
存在だ。

オペラつながりで、フランクが”例のオペラプロジェクトは
どうなったか?”と聞いてきた。1年ほど前に
オペラの作曲コンクールに応募しようと思いつき、
リブレット(オペラ台本)のことで、
彼に相談したのだが、覚えてくれていたらしい。

規定上、台本は英語でなくてはならず、
ライター経験のある英語ネイティブの友達に協力してもらって、
リブレットを書いてもらい、2シーンを作曲したのだが、
その後、彼の怪我とか、いろいろな事が重なって、
計画は頓挫してしまったのだ。
うまく流れなかったという事は、まだわたしにオペラを書くほどの
準備ができてない、ということだろう、と解釈する事にした。

しばらく前に、クラシック音楽に興味があるけど、
オペラにはご縁がなくて、行った事がない、という
友人を”じゃ、今度、メトに行きましょう”
と、お誘いしてみた。喜んでくれたのだが、当日近辺になって、
”これこれの日のオペラの事だけど、どんな格好していけばいいかな、
タキシードとか?”
という電話があって、なんだか微笑ましい気持ちになった。

前述したように、べつにメトは普段着でも大丈夫なオペラ座では
ある、しかし、”ちゃんとした服装”を気にする気持ちが、
同行する人や、音楽に敬意を表しているようで好感が持てた。

メトのマエストロ、James Levine
お茶の水博士に似ていると思うのは私だけであろうか。