いいのかV町 | ぱね便り(旧:V町便り)

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スウェーデン暮らし12年目。おかしいな、いつの間にそんな時間が経ったのだ?と、毎年同じことを考えています。

ぱねの夏休みの仕事@介護施設が始まって、まる2週間が経過しました。最初はとにかく緊張と不安のあまり夜よく眠れず、さっぱり休んだ感じがしないままに次のシフトに出かける・・という状態が続きましたが、1週間が過ぎたあたりからようやく「慣れつつある」感じがし始め、2週間が過ぎた今は、緊張状態からはようやく解放されつつあります。そして介護の現場で学ぶこと・そこから考えることはこれまた山のようにある。そのうち少しずつ日記に書いていこうと思いますが、まずは頭のなかをしっかり整理しないとなあ・・

・・・というわけで、今日は仕事とは全然関係ない話。

V町という町がスウェーデンに存在していることを知っている日本人は、私の家族と友人に限られますが、V町の存在を知っているドイツ人も、私の友人に限られます。そのうちのひとりの友人から、先日、

「V町がドイツの新聞に載ってたよ~!!」

と、その記事のリンクが送られてきました。これ。

Die Welt

あるスウェーデン人女性(25歳)が、ニューヨークはウォール街の銀行家のもとでアシスタントとして働いていた間、ひどいセクハラにあってしまい、その銀行家を訴えて、勝訴したという話です。認められた損害賠償と罰金の総額がものすごいものだったため(1,800万ドル=およそ22億円超)、ドイツの新聞でも話題になったらしい。

で、この女性が、なんとV町の出身だったというわけです。彼女は裕福な家庭の出身とのことで、記事によれば彼女の一族は「スウェーデンでアルミメーカー」を経営しているとのこと。これを読めば、V町に住んでる人なら「ああ、あの会社ね」とすぐわかる。私すらわかったくらいだし。多分、V町が地元の人であれば、彼女の苗字を見ただけで「あの一族だ」とわかるんだろうな、と思った。珍しい苗字だしね。

しかし問題はそこではない。

この新聞、なんとV町をこう表現しているのだ。

「ストックホルムからアウトバーンを南西におよそ4時間弱走ったところにある人口1万3千人の

・・・・・
・・・・・・
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村。

orz

私ですらV「町」と呼んであげてるのに、「」って呼ばれてるよおおおー。いいのかV町?

村だなんて、あんまりだよDie Welt(涙)。

この記事を書いた記者は、V町はおろか、おそらくスウェーデンに来たことすらあまりないんだと思う。来たことがあるとしても、多分、ストックホルムやイェーテボリなどの「都会」に行ったことしかないんだろうなー。つまり、

スウェーデンにおける「町」の規模

が、ドイツとは比べものにならないくらい小さいことを、体感として知らないんだろう。1万3千人という規模だけ見れば、確かに日本でも「市」ではなくて「町」とか「村」のレベルだ。でも、そう感じるのは、日本やドイツの総人口が、そもそもスウェーデンの10倍以上あるからなのだー。スウェーデンは総人口が900万くらいの小さな国なのー。そこで1万3千人といったら、「町」の規模としては決して小さいわけでなく、少なくとも「村」というには人口が多すぎるのだよ。

だいたい、スウェーデンの「村」はね、

こんなもんじゃありませんよ。

・・・ま、仕方ない。ドイツとスウェーデンではとにかく人口規模が10倍違うんだ(ちなみに、この規模の差は、ちうごくと日本の規模の差に相当します)。経済力だってそれくらい違うし、スウェーデンに関心があってスウェーデンに詳しいドイツ人なんて、そもそもごく稀な貴重な存在なんだし。それを考えれば、V町の綴りをちゃんと書いてくれたことだけでも感謝すべきなんであろうよ。ふっ・・・。