英国珈琲事情
英国でホテルやB&Bに泊まり、朝ごはんの時に必ず聞かれること。
「Tea or Coffee?」
(最近は「Brown or White?」(パンの種類)も必ず聞かれますが、それはまた別の時に・・・)
紅茶も好きですが、やはり朝はコーヒー、という私の答えは「Coffee,please」。
そして、でてくるのは大抵日本のドリップコーヒーとは一味違う、フレンチプレスのコーヒー。もちろんホテルのみならず、レストランやカフェでもこのタイプのコーヒーがでてきます。
フレンチプレスに使うのはこのようなポット。
下側に挽いたコーヒーをいれ、お湯を入れてぎゅっと最後にプレスしてコーヒーを楽しみます。味わいは、ちょっと薄いような、それでいてコーヒー豆の苦みと油がダイレクトにはいっているような・・・。これはこれで、慣れればなかなか美味しいものかもしれません。
でもなんで、「フレンチプレス」なのでしょう?
コーヒーの歴史を少しだけ紐解きます。
もともとは宗教的な秘薬であったというコーヒー。ヨーロッパでは、1700年頃までアラブ文化から伝わった「ボイル」が一般でした。「お湯で粉を煮る」というものです。
1711年にはフランスで「インフュージョン(浸出式)」が誕生します。布に粉を詰めて、口を縛ってポットに入れ、お湯を注いで漬けて味を出すというものです。
1800年頃にフランス人のドゥ・ベロワによって「パーコレート(浸透)」が誕生します。これがフレンチプレスの原型。この器具をもとに、改良された器具が続々と登場します。
一方で英国でネルドリップが生まれ、そして20世紀初頭にドイツのメリタ夫人によってペーパーフィルターが生まれます。
フレンチプレス全盛の英国でネルドリップが誕生した、というのはちょっと意外でしたが、紅茶と同じ感覚で、ポットに注いで出来上がる、フレンチプレスが実は手っ取り早くていいのかもしれない、と個人的に推測いたします。
日本で主流のドリップコーヒー(フィルターコーヒー)はアメリカでも主流。
日本の淹れ方はアメリカからの影響が強いのかもしれません。
英国へ行かれた際には、「フレンチプレス」のコーヒー、味わってみてはいかがでしょうか。
【参考】
All About Coffee by William H. Ukers
初版:1922年 アメリカ
http://www.web-books.com/Classics/ON/B0/B701/TOC.html
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