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2017-05-25 00:00:00

苗木も人の心も育てます:ナーサリー

テーマ:暮らし・生活
英国で少し前からちょっとしたブームになっているもの。
それは、ナーサリー。
 
「ナーサリー/Nursery」とは直訳すると「保育所、託児所」。
また、「種苗、苗床」という意味もあります。
 
そのことから、植物の苗などを販売しているガーデンセンターのようなところを、ナーサリーと呼ぶのです。
 
有名なところでは、ロンドン郊外、高級住宅街のリッチモンドにある「ピーターシャム・ナーサリーズ/Petersham Nurseries」。
 
 
広い敷地に可愛らしい木の小屋や温室がいくつも建てられ、沢山の植物やおしゃれな雑貨が並べられています。
 
 
そこに、自然素材をふんだんに使ったカフェとレストランが。
 
当初は簡単なカフェだけだったのですが、その後本格的なレストランも併設され、ミシュランガイドにも掲載されるほどになりました。
 
どちらも客席は温室で、床は土。
 

山盛りの植物に囲まれた客席は、多くの人々でいつもにぎわっています。

私たちが行ったときは、レストランは満席だったので、カフェを利用。
 

セルフサービスで、カウンターから好きなものをチョイスし、お会計をすませ、自分たちで席をみつけて座ります。
 
 
広く明るく、植物に囲まれているせいか混んでいても周りの人が気にならず、思いがけなく寛ぐことができました。

リッチモンドの駅から少し離れており、入り口がわかりずらいのが少々難点ですが、もし機会があればぜひ行ってみてください。
 
 
 
このようなナーサリー、もしくはガーデンカフェは英国のあちこちで増殖中。
 
ザ・テレグラフのサイトでも、「Top 25 garden centres for food」が特集されていました。
 
 
一般のカフェやレストランに植物を置くのではなく、植物のなかにつくってしまう、という発想。

思いがけなく濃い植物の力を借りて、リフレッシュと寛ぎを得られること、請け合いです。
 
 
 
ちなみに、ご自宅でもそんな気分を味わいたくなったときのために、パンカーダのヴィクトリアン・パブテーブル、おすすめしておきます・・・。
 
 
 

ピーターシャム・ナーサリーズ/Petersham Nurseries
Petersham Nurseries
Church Lane (signed posted 'St Peter's Church')
Off Petersham Road
Richmond, Surrey, TW10 7AB
 
オフィシャルサイト(英語版)
https://petershamnurseries.com/
 
 
by N

 

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2017-05-18 10:24:14

情熱の管楽器・アウロス

テーマ:アンティーク豆知識

遥か古代から人々の暮らしに欠かせないもの、音楽。


あってもなくても生きていけそうに思えますが、だからこそ、人らしく生きるためには不可欠なものの代表格です。


その音楽をつくりあげるのは、人の声、身体のリズム、そして奏でる楽器。



A Dance to the Music of Time by Nicolas Poussin,c.1634-1636

 

 

数え切れないほど様々な楽器が、生み出されては消えてゆきました。世の中にどれほどの種類の楽器が存在するのか、そして存在したのか、把握することはできませんが、アンティーク家具を扱っていると、現代ではあまり見る事のない楽器が、デザインとして生かされていることに気づきます。

 

 

今日、ご紹介するのは「アウロス/aulos」。


それは、古代ギリシアの二本管、主にダブルリードの木管楽器。
二股に分かれている縦笛を、左右の手で演奏します。



このアウロスには、こんな神話があります。


半身半獣の精霊サテュロスのひとり、マルシュアースは、ある日アウロスを拾います。それは、女神アテナが作ったものでしたが、吹くときに頬が膨れるのを他の神がはやしたてたせいでいやになり、拾った者に災いが降りかかるように呪いをかけて地面に投げ捨てたものでした。

 

マルシュアースはたいそう上手くアウロスを奏でたので、、アポロンのキタラー(竪琴の一種)にも勝るとの評判となりました。これがアポローンの耳に入って怒りを買い、マルシュアースはアポロンと音楽合戦をすることとなります。

 

 


Young Marsyas 1878 by Elihu Vedder(1836 – 1923)

 

結果、神であるアポロンにはかなわず、マルシュアースは敗北し、恐ろしい罰をうけることとなってしまいます。

 

実は、サテュロスという精霊は、ディオニューソスの眷属。

この音楽合戦に用いられた楽器の性格は、アウロスが熱狂的なディオニューソス的性格の楽器、キタラーが理性的なアポロン的性格の楽器を象徴しているといわれています。

 

 

 

 

この伝説からもわかるように、アウロスは「情熱」を象徴する楽器。


古代ギリシアでは楽器は歌の伴奏として用いられるに過ぎなかったため、刺激的な音を出さないものが一般的でした。


東方よりもたらされた管楽器、殊にアウロスは当時の楽器としては唯一、連続音による滑らかな旋律を演奏することができました。

 

そのため、当時のギリシアでは極めて刺激的、情熱的にとらえられた、という背景があったと思われます。

 


A Roman Dance by Sir Lawrence Alma-Tadema(1836-1912)

 

 

 


情熱の楽器、アウロス。


パンカーダには、このアウロスと思われる楽器を意匠にとりこんだ、格調高いミッドヴィクトリアンのテーブルがございます。

 

 

 

四方の天板を拡張できる美しいテーブルは、一体誰が、どんな意図で楽器のマーケットリーを施したのでしょうか。

 

 

 

http://pancada.net/item/table/cat45/16_2.html

 

 

遥か古代ギリシアから、情熱的なアウロスの音色が囁きかけてくるようです。


by N

 

 

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2017-05-11 10:59:12

カトリーヌ・メディチのスィーツ

テーマ:アイテム解説

1519年、巨大な富と権力をもつメディチ家に生まれたカトリーヌ・メディチ。

 

1533年、14歳でフランスの第2王子オルレアン公アンリ・ド・ヴァロワ(後のアンリ2世)と結婚し、その後の生涯をフランス貴族として過ごしました。

 

オルレアン公アンリとカトリーヌの結婚式 ジョルジョ・ヴァザーリ 1550

 

 

当時はフランスよりもイタリアのほうが文化的に進んでいた部分が多く、このカトリーヌの結婚にともない、多くの文化がフランスへと渡ったと言われています。

 

 

例えば、フォークやその他の食器類、そして食事作法と礼儀作法。
アイスクリーム、フロランタン、マカロン、シューといった菓子類。

 

当時手づかみで食事をしていたフランス宮廷に、カトラリーや食器類、食事のマナーを持ち込み、イタリアの食文化をフランスで開花させたのです。
(諸説あります)

 

John, Duke of Berry enjoying a grand meal.ca1410

 

現在の日本でも定番の「シュークリーム」と当時のメディチ家の「シュー」とはかなり隔たりがあるとは思いますが、なんらかの源となっているのは間違いないでしょう。

 

 


今日はパンカーダ田園調布そば、ラ・スプランドゥールの「シュー・ア・ラ・クレーム」を中世ヨーロッパで飲まれていたというアーモンドミルクと共にいただいてみました。

 

 

ピュアなアーモンドミルクは甘味はなく、豆乳のような風味なので、ティータイムに楽しむのであれば少しだけ温め、お好みでお砂糖を加えて飲むのがおすすめ。あまり熱くしてしまうと栄養分が壊れてしまうので、50度以下程度がよいそうです。

 

 

スプランドゥールのシュー・ア・ラ・クレームは、小さめで、なかのカスタードクリームが濃厚なのが特徴。


トッピングされたワッフルシュガーの歯触りも楽しめます。

 

 

 

イタリアの特別なキャビネットを背景に、ほのかに温かいアーモンドミルクと、メディチ家に源をもつスィーツで、午後のひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

 

この特別な逸品は、パンカーダ・ミュージアムコレクションとなっております。

 

どうぞこちらからご覧ください。

 

 


by N

 

 

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2017-05-04 10:54:33

アンティークだからこそ伝えられる想い

テーマ:季節の話題

5月14日は母の日。

 

花が溢れるこの季節、日本では贈る花はカーネーションが定番ですが、英国で人気なのは薔薇。

 

薔薇をこよなく愛する国民性がうかがわれます。

 

 

お母様への感謝の気持ちをこめて、お花とともに心のこもったアンティークの逸品はいかがでしょうか。


大きな家具は難しくても、ごく小さな家具や、アンティーク小物でしたら、きっと喜んで受け取ってくれるはず。


パンカーダから、選りすぐりのアイテムをセレクトしてご紹介いたします。

 

 

■ 端正な佇まいをしたネオクラシカルスタイルのランプテーブル

 

こぶりなランプテーブルは、幅約35cm、奥行31cmという小ささながら、ヴィクトリア時代に作られたハイクオリティの逸品。お部屋のコーナーにおいて、大切にしておきたい小さな物を仕舞っておくのに最適です。


*詳細はパンカーダ・サイトにてどうぞ。

http://pancada.net/item/table/cat45/post_1492.html

 

 

 


■ 品格あふれるブラスベース

 

 

本体は真鍮、ベースは陶器。立体的な細工が見事。パンカーダではドライフラワーをディスプレイしておりますが、なかにグラスなどをセットすれば生花も愉しむことができます。

 

*サイズ:土台直径約15cm 高さ約23cm
*本体価格:71,000円
*サイト未掲載です。

 

 

 

 

■ 可憐なウォールドレッシングミラー

 

 

小物入れと、タオル掛けがついた壁掛け式のドレッシングミラー。
本来は化粧室用ですが、プライベートルームでストールなどを掛けても素敵です。

 

*サイズ:幅約49cm 高さ約74cm 奥行約14.5cm
*本体価格:114,000円
*サイト未掲載です。

 

 

 


■ 葡萄モチーフのオーバルフレーム

 

 

立体的な細工が美しい、オーバルフレーム。画像の様に、このまま壁にかけてドライの蔓草を這わせてみてもよいですし、記念の写真やアートワークをフレーミングされてみてはいかがでしょうか。

 

*サイズ:幅約33cm 高さ約40cm(外寸)
*本体価格:30,000円
*サイト未掲載です。
*フレーミングに関してはご相談ください。(オプションでのお見積りとなります)

 

 

 


■ アクセサリーとしてもたのしめる折りたたみ式ルーペ

 

 

サイドのバネにより、ぱかりと開いて両眼用となる、優雅なフランスのアンティークルーペ。ペンダントトップとしてもご使用いただけます。

 

*サイズ:本体長さ約8.2cm
*本体価格:51,000円
*サイト未掲載です。

 

 


長く愛されてきたアンティークだからこそ、伝えられるものがきっとあるはず。


世界でただ一人の大切な人へ、あなたの想いと共に贈ってみてはいかがでしょうか。

 

 


サイト未掲載のものも多くございますので、詳細はお問い合わせください。

 

MAIL:meguro-pancada@vivid.ocn.ne.jp
TEL:03-5701-7380(12-18時 水曜定休)

 

by N

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2017-04-27 11:28:33

長く愛されてきた特別な椅子・チャーチチェア

テーマ:アイテム解説

チャーチチェアとは、教会で使われてきた椅子のこと。

 

作り付けの長いベンチだったり、沢山のチェアが並べられていたり、
両方混ぜて使っている教会もあります。

 

 

背もたれの桟の入り方やフォルムの違いなど、教会によって微妙に異なりますが、チャーチチェアならではの特徴がいくつかございます。

 

 

 

*不特定多数の人が使うため、とても丈夫に作られていること。


*ミサなどで長時間座っていても疲れないように、座面はラッシュ、もしくは丸みができるように加工された木でできていること。


*全てではありませんが、多くのチャーチチェアの背面には箱があり、そこに聖書や歌集などを入れておくことができること。


*素材はオーク、エルム、もしくはビーチ材であること。

 

 


そんなチャーチチェアは、現代のご家庭でも充分便利にお愉しみいただける、雰囲気溢れる素朴なアンティーク・チェアです。

 

http://pancada.net/item/chair/post_1012.html

 

ダイニングチェアはもちろんですが、例えばお子様用の勉強用椅子として。

 

 

硬い背もたれや座面は、良い姿勢につながり、成長期の身体にぴったりなのではないでしょうか。


パンカーダには、ユニオンジャックのペインティングが施されたチャーチチェアがございます。

 


英国で長く愛されてきたチェアを、これからの数十年は「マイ・チャーチチェア」として愉しまれてみるのはいかがでしょうか。

 

 


*ユニオンジャックのチャーチチェアは、本体価格28,000円でご紹介しております。
*サイズは幅41.5 奥行44.5 高さ82.3 座面までの高さ43cmです。

*在庫は1脚のみです。
*パンカーダ・ウェブサイトには掲載されておりません。
*ご注文はメール、もしくはお電話でお受けしております。

メール:meguro-pancada@vivid.ocn.ne.jp
電話:03-5701-7380(12-18時 水曜定休)

 

 

by N

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2017-04-22 14:34:52

ボンシック Vol.15 に掲載されました。

テーマ:パンカーダニュース


"「上質」なインテリアと暮らし" をテーマとする、主婦の友社発刊の「Bon Chic」。

 

 

 

インテリアを中心に、エレガントな時の過ごし方を様々な角度から提案してくれる、クオリティの高い雑誌です。


今回は最終頁と、巻末のインフォメーションでパンカーダの情報をご覧いただく事が出来ます。

 


Bon Chic Vol.15 は4月22日、本日発売。

 

是非、お手に取ってご覧ください。

 

by N

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2017-04-20 11:11:16

真面目な英国人の愉しみ:バンクホリデー

テーマ:季節の話題
日毎に陽がどんどん長くなり、4月の後半、ロンドンでは日没が20時を過ぎるようになります。

英国ではこれからがハイ・シーズン。
 
さて、良い季節になれば仕事はそこそこに、どこかに出かけたくなるのはいずこも同じ。
 
 
自分の都合でとるバカンスを除けば、国民の祝日が少ない(年間8日・日本は年間15日)英国でも、4月、5月、そして8月に「バンクホリデー/Bank Holiday」という祝日があります。

これは1871 年に制定された Bank Holidays Act/銀行休日法という、イングランド銀行の休業についての法律に由来します。

銀行の取引ができないので多くの企業もお休みになり、それにつれて学校もお休みになった、ということ。
 
 
この銀行休日法の制定に活躍したのは、1834年にロンドンで生まれた銀行家、ジョン・ラボック/John Lubbock。
 
 
彼は銀行家でありながらも考古学者、政治家、生物学者の顔ももち、
自然を愛し、かのダーウインと親交が深く、1882年にAncient Monuments Protection Act/古代遺跡保護法の制定にも活躍した人物です。

もともと準男爵の息子として生まれましたが、その功績によって男爵となりました。
 

ミッドヴィクトリアンの爛熟期、世界を手にしていた大英帝国首都の銀行は、さぞ活気に満ちていたことでしょう。

そして、銀行の業務は山積みとなり、銀行家たちはほぼ働きづめだったといいます。
 
 
そんな時に、銀行家たちが休みをとる法律をつくったラボック卿。

それは美しい英国の自然を最高の時期に満喫することこそが、人生にとっていかに大切なことであるか、多くの人々に気付いてほしかったからかもしれません。

新緑があふれ、陽ざしがきらめくこの季節。
 
ちょうど銀行休日法が制定された時代につくられたチェアを屋外に持ち出して
柔らかな風を感じながら、進化論について考えてみる・・・。
 
 
そんな休日はいかがでしょうか。
 
美しいマホガニーのホールディングチェアは、パンカーダにてご用意しております。
 
 
 
by N
 
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2017-04-13 00:00:00

エイプリル・シャワー

テーマ:季節の話題

いつの間にかもう4月も半ば。

 

日本では4月は柔らかな陽ざしが溢れるよい天気のイメージが強いですが、英国では「エイプリル・シャワー」という言葉があります。

 

それは、こんなことわざにもなっています。

 

「March winds and April showers bring forth May flowers」
~3月の風と4月のにわか雨が5月の花を運んでくる~

 

 

日常に使う時は、「March winds」は省略されて、「April showers bring May flowers」のみが多いかもしれません。3月に冷たい強い風が吹き、4月に雨が降ってようやく5月に花が咲くという英国の気候になぞらえて、「努力や苦労があってこそ花は開く」との意味。

 


実は、英国の年間降水量のデータからみると、4月だけ飛びぬけて雨が多い訳ではありません。

 

Wikipediaより:下から二段目、Precipitationが降水量です。

 

 

個人的な推測になりますが・・・


やっと暖かく、陽射しも春めいてきてウキウキと浮かれているところへ水を差すように、にわかに空が暗くなり、「ざあっ」と来ては去っていく雨のが4月の雨。

 

 

しとしとじんわり降る秋や冬の雨に比べれば、より雨の印象が強くなって、そんな呼ばれ方をするのでは?・・・と、思っています。

 

 


さて、お天気に関係した英国のことわざをもうひとつ。


「Every cloud has a silver lining」
~どの雲にも銀の裏地がついている~

 

どんな暗雲でも、反対側では太陽が光り、雲は銀色をしている・・・つまり、どんな不幸にもよい面があるという意味。


エイプリル・シャワーのなか、空を走るこんな雲を見ると、本当に裏側が銀色に輝いているように見えてきます。

 

 

この風景がそばにあるからこそ、ことわざに込めた教訓がいきてくるのかもしれません。


4月のパンカーダで、数えきれないほどのエイプリル・シャワーを浴びてきた花々が、貴方のお越しを待っています。

 

http://pancada.net/particular/cat77/post_956.html

 

http://pancada.net/item/table/cat43/post_1419.html

 

http://pancada.net/item/table/cat45/post_1487.html

 

http://pancada.net/particular/cat77/post_1292.html

 

銀の裏地をつけた雲をみたら、思い出してみてください。

 

by N

 

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2017-04-06 14:16:43

~葉巻をくゆらせて:アルフレッド・ダンヒルが築いた英国紳士像~

テーマ:アイテム解説

 

葉巻は非常に奥深い世界です。

 

 

その歴史は古く、古代中米の喫煙方法とされています。当時は儀式などに用いられ、宗教的な意味合いの強いものでした。


メキシコには7世紀末のマヤ神殿にはたばこを吸う神の像が刻まれているレリーフが残されています。

 

 

 

 

1492年にコロンブスが辿り着いたアメリカ大陸で、彼は葉で出来た筒のようなものから煙が出ていて、それを口にくわえる先住民の姿を目撃します。
それがヨーロッパ人が最初に見た葉巻でした。

 

ヨーロッパに伝播した葉巻は貴族や商人たちが嗜むようになり、嗜好品として味や香りを愉しむようになりました。
葉巻のほかにパイプや嗅ぎたばこなどそのスタイルは様々で、それらを保管するヒュミドール(葉巻用保管箱)やスナッフボックス(嗅ぎタバコ入れ)は煌びやかに装飾されました。

 

 


 

 

喫煙の習慣が広まった中で、イングランド王ジェームズ1世は実はたばこ嫌いだったそうです。在位後間もない1604年には「タバコ排撃論」を発表し、、当時スペインから輸入していたタバコに約40倍という莫大な関税をかけ、さらに国内での栽培を禁止しました。


皮肉なことに、すでにあらゆる人々の習慣となったタバコは高すぎる関税のせいで密輸入が増加し、結果的には喫煙の風習は拡大してしまいました。

 


 

 

17世紀半ばにコーヒーハウスが誕生するとタバコはさらに広がり、葉巻やパイプを片手に政治について議論を交わしたり、新聞や雑誌を読んだりする紳士の姿が多く見られ、社交の場で欠かせないものとなりました。
その後は庶民や女性の間にも広がり、刻みタバコを紙で巻いたシガレットを吸う女性の姿も見られました。

 

 


 

 

1907年、ロンドンのセントジェームズにオーダーメイドのタバコ店がオープンします。オーナーは世界的高級メンズファッションブランド、ダンヒルのアルフレッド・ダンヒル (1872-1959)。


アルフレッドは15歳のときにロンドンにある彼の父が経営する馬具店で見習いとして働き始めました。1893年に家業を引き継ぎ、自動車アクセサリーという新たな事業で「エンジン以外は何でも揃えている」というほど多くの商品を手がけ成功を収めました。
当時の店名は「ダンヒルモートリティーズ」。
自動車(Motoring)と権威(Authorities)を組み合わせた造語で、ダンヒルを象徴する言葉となりました。

 

アルフレッドの好奇心旺盛な性格と豊かな創造性、大きな野心が事業を躍進させ、メンズラグジュアリーグッズの先駆者となりました。

 

 


 

 

オーダータバコ以外にも、ライター、シガーカッター、そしてパイプなどタバコに関連する多くの商品を揃えました。上質の素材を使い、洗練された品のあるデザインは英国紳士のスタイルを確立していきました。

 

英国の元首相ウィンストン・チャーチルもダンヒルの葉巻を注文していたと言います。第二次世界大戦中にダンヒルの店が爆撃の被害にあったとき、マネージャーから首相官邸へ「あなたの葉巻は大丈夫です」と電話があったという有名な逸話もあるそうです。

 

 

尽きることのない葉巻の魅力。
パンカーダでは、そんな魅力の詰まったヒュミドールをご覧いただけます。

http://pancada.net/item/subcategory_a/post_1516.html


 

 

by A

 

 

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2017-03-30 09:47:32

アールヌーヴォーの寵児が描いた壮大な民族の物語:ミュシャ展

テーマ:美術館・博物館巡り
10年以上前から見たかった、アルフォンス・ミュシャの「スラヴ叙事詩」。
 
流麗な線で美しい女性を描いたミュシャのポスター類はあまりにも有名ですが、その彼が生涯の後半16年をかけて描いた巨大な油彩の連作の存在を知ったとき、その迫力に衝撃を受けました。
 
でもその当時は、それが見られるのはチェコのモラフスキー・クルムロフ城で、しかも夏期のみ、という状態。
 
2015年にチェコを訪れた時はあまり情報を集められず、「スラヴ叙事詩」がどこで展示されているのかはよくわかりませんでした。
 
たまたまプラハの美術館で展示されていることを街中のポスターで知りましたが、運悪く休館日と重なり、泣く泣くあきらめた・・・という苦い思い出があります。

今回、初めてチェコ国外で公開、しかも東京でみられる!
 
 

行かない訳には参りません。

平日午前。
かなりの混雑。
 
 
それでも、あっというまに作品の世界に引き込まれます。
 
まず圧巻なのはその大きさ。
 
知識として「1枚6×8m。・・・とんでもなく大きい!」ことは知っていましたが、現物を目の当たりにしてその迫力に息をのみます。
 
そして、色。
 
いままでPCの画像をはじめ、印刷物などでみてきた色とは全然違う。
なんとも「もやっ」として、「ふわっ」として、臨場感があります。
 
たとえば今回のメインビジュアルとなっている「原故郷のスラヴ民族」。
 
 
背景は藍色の夜で星がみえる、という絵なのかな、と思っていましたが、実物はもっと明るくて、星はあるにはあるけれども、はじめはあまり気づきません空に焦点をあてて目をこらせば「ああ、たくさんの星がある」と、初めて見えてくる。
 
そう、現実世界のようなのです。
 
ちなみにこちらは写真撮影が許されている「イヴァンチツェの兄弟団学校」。
 

絵にもよりますが、近景の人物はほぼ等身大に描かれていて、効果的にひかれた枠線のような地面のラインから一歩こちらに歩み寄ってきていたりします。
 
 
じっとこちらを見つめる眼。
 
みているだけではなく、みられている感覚。
みているだけではなく、そこに立ち会っている感覚。
 
私たちの目の前で繰り返される迫害、戦い、生と死。
信仰、そして希望。
 
 
スラヴ民族の激動の歴史が、ミュシャの巧みな筆とドラマティックな構成で、激しく、そしてかぎりなく優しく心に迫ります。

全20作品。

観終わった後は、壮大な映画を観たような、もっといえば自分がそこに立ち会い、旅をしてきたような疲れに襲われます。
 
 
スラヴ叙事詩のあとは、おなじみのミュシャのポスターや彫刻作品などの展示が続きますが、正直「スラブ叙事詩」だけで、私の許容量はいっぱいいっぱいでした・・・。

同時開催の「草間彌生展」のアナーキーなエッセンスが、ミュシャの世界と全く異なる味わいをくれて、やっと現実世界に戻ってこれたような気持ちになりました。
 
 
東京・新美術館にて6月5日までの開催。

心から、心からお勧めいたします。
 
 
オフィシャルサイト
http://www.mucha2017.jp/
*私が行ったときは、スラヴ叙事詩の3室めのみ、撮影が許可されていました。
*オフィシャルサイト 「ニュース」の「展示風景(展示準備)」は興味深く、必見です!

by N
 
 
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