パーケットリー(parquetry) | 東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ

パーケットリー(parquetry)

パーケットリー(parquetry)とは、上下左右対称なモチーフや

直線や円などの幾何学的模様の寄木細工のことです。


製作法は全く違いますが、箱根の寄せ木細工に意匠は似ています。


パンカーダのブログ



パーケットリーは、自然界の非対称な曲線を主体とした

花模様などのマーケットリーとは異なり、精緻さが追求されるため、

製作はとても困難であったと思われます。


パンカーダのブログ



基本的は描き方は、先日ご紹介したマーケットリーと同じで、

パーケットリーはコントラストが強調される色の木片を、

パターンが同じになるように重ね合わせて切り、張り合わせてモチーフを作ります。


パーケットリーも、型紙にのり(膠)で貼り付けた薄い木材を何枚か重ね、

それを糸のこで切り抜いてから組み合わせて創られています。

パンカーダのブログ

自然の木材にも、白、黄色、薄茶色、焦げ茶色、赤、黒と様々な色があります。


パンカーダのブログ




紫檀(rosewood)、白檀(sandalwood)、オレンジ (orange)、

シトロン( citron )、マホガニー( mahogany )、ツゲ( boxwood )、

ヒイラギ( holly )、カエデ( maple )、黒檀( ebony )、くり(chestnut)、

なし(pear)などが使われました。


木材の持つ自然な色身を生かす以外にも、

木材を染料(花の赤やピンク、葉の緑)で染めて使用することもありました。



パンカーダのブログ


パーケットリーは、左右対称の渦巻き紋様を精緻に切るなど、

高度な技術を要するので、美しいパターンを繰り返すモチーフは

熟練した職人による素晴らしい匠の仕事なのかもしれません。


素晴らしいパーケットリーがたくさんございます。

ぜひご覧いただければと思います。