ビューロー | 東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ

ビューロー

ビューローとは、引き出し付き書台(書記用机)のことで、

エスクリトワール(escritoire)、ライティング・デスク(writing desk)、

セクレテール(secretaire)など、呼び方もタイプも様々です。




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【writing bureau】


イギリスでは、王政復古期(1660-1685)初めに、

様々なタイプの家具が登場します。


その一つがライティング・ビューロー。


記録によるとビューローは、17世紀中期以前にはイギリスにおいても

少なかったようですが、王政復古後、多数製作されるようになったようです。


ビューローの原形は聖書保管用の箱(bible box)などともいわれますが、

定かではありません。


パンカーダのブログ 【desk on table】



テーブルの上で使用したオーク製の箱から、立脚型の独立した家具・

キャビネットオンスタンド(cabinet on stand)、次に板が傾斜し、

書類分類箱と引き出しが付いた折りたたみ蓋つき書き机(エスクリトワール)、

さらに、傾斜があり、蝶番(stay)が付いたたれ板(flap)の内部に

文房具入れの小さな仕切り部分があり、その下方に引き出し可能な板

(sliding panel)がついた形に発展しました。



パンカーダのブログ 【cabinet on stand】


17世紀後期までにオーク製の箱の置台の部分が1組の引き出しに変わり、

18世紀初期になると、もともと別だった箱と置台が一つになります。

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そして、ビューローやビューローキャビネット(bureau cabinet)には、

机の下の膝が入るスペースの両側に、縦に小さな引き出しが付いた

構造のものが出てきます。


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その後、前面の机の部分を上げ下げする構造が登場し、

膝を入れるスペースが必要なくなり、ビューローの下部は引き出し

(chest of drawers)が付くようになりました。


広く使えるように半分に折りたたんだ拡張板(leaf)がついたり、

小引き出しや書類を入れるピジョンホール(pigeon hall)がつくなど、

機能的にも充実し、ビューローオンスタンド(bureau on stand)と呼ばれる、

現在のビューローと機能・形状も近いものとなりました。


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エスクリトワールやセクレテール(上げ蓋式書き物机)は19世紀にはいっても

人気のある商品だったようです。



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材質も初期はオーク材、その後、ウォールナット材、マホガニー材など

様々な木材が使用されるようになります。


また、ビューローの上部にブックケースがのったビューローブックケース

(bureau bookcase)や、両脇にブックケースが付いたサイドバイサイド

(side by side)など、様々なタイプのビューローが登場します。



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【bureau bookcase】


パンカーダのブログ 【side by side】


当店でも様々なタイプのビューローをご紹介中です。


自分だけのお気に入りビューローをセレクトしてみてはいかがでしょうか。