Festival of the Spoken Nerd | きなこ と ぱなっち

きなこ と ぱなっち

きなこ母と娘ぱなっちの楽しい毎日です。


http://festivalofthespokennerd.com/


ずーーっと前に、Matt Parkerという数学者の、コメディ講義を聴きに行ったことがある。
わたしはこのコメディアン(?)を知らなかったのだけれど、
かなり有名な人だったらしく、
その日は、オタッキーな子供連れで一杯だった。
オタッキーというか、ブレイニー(頭のいい)男の子満載。
ぱなっちよりちょっと年上くらいな男の子で一杯だったのだけれど、
ブレイニーなだけでなく、家柄も宜しそうで、
礼儀正しい天才児って感じ。

Non transitive Grime diceというサイコロは、
有名な理論(?)だったらしく、
インターヴァルに、マイNon transitive Grime diceを取り出して、やってみせてくれたりしました。
(どんな理論だったのかは、忘れた。Youtube見てみて。ちなみに、真ん中の人がマット。左の人が後で出てくるスティーヴ。)
と、観客も凄かったのだけれど、
もちろん、この人も凄く面白かった。

分かりやすいところでは、バーコードの一番最後の数字当てとか。
(これは、チェック・デジットって言うんだよね。昔、大型小売店でソフト開発していたので、知っていた。)

興味深いところでは、メビウスの輪の応用とか。
こっそり手振りした予想に「いい線ついてるよ~~。」と、褒められた。
でも、予想以上にすごいものができたっ!!

物理の法則を覆す、鎖と輪ってのも、
凄い! 
これは、「素直な子供の方ができる。」とマットが言っていた通り、
先のブレイニー少年が、できてしまった。
大人は、なぜか、できない。


で、スポークン・ナードは、このマットに、二人の物理学者
Helen Arney
Steve Mould
を、加えた三人。

今回は、少年というよりも、高校生くらいの層が多かったかな。

日本に帰ったときに、ちょうどテレビでやっていたのだけれど、
ニュートンビーズというのかな、日本語では。
この現象
学術的にはSelf-siphoning beadsとか、chain fountain とかと言うらしい。

で、この現象を最初に発表したのが、Steve Mould。
この人の名前を取って、Mould Effectと呼ばれるとか。


講義(?)のテーマは波。波長。
音も色も様々な波長が元っていうのは、知ってるよね?
前者は空気の波、後者は光の波。
そこで、その波長の違いというのを、体で感じで見ましょうという講義。

色々な実験を行ったのだけれど、
簡単に説明できるものから。

よく、オペラ歌手が、ア~~~~~~!と歌ってグラスが割れてしまう、というギャグがあるのだけれど、
これは本当に可能なのでしょうか?
ということで実験。
グラスを割るためには、そのグラスに共鳴する波長(同じ高さの音)の音波を、
ある程度の強い音量で与え続けてあげれば良いのです。
が、その音程を保てることが大切。
そこで、観客動員。
ラッキーにも、一人の男の子が絶対音感があるのか、
ある音程で声を出し続けられると、その友達が推薦。
マイクに向かってグラスを叩いたときに出る音の高さの声を出し続けること数分。
割れました!
お見事!!


次はちょっと難しいかも。
長くなるので、リンクだけクリックして、楽しむだけでも良いかも。

視覚は、結構な度合いで騙されていることが多く、
色も幻覚なことが多いという実験。

マゼンタ(ピンク)という色は、自然界には存在しない色と言われています。
何故かというと、赤と青を混ぜて作られる色だからです。
(普通絵の具で赤と青を混ぜると紫なのですが、これは光を混ぜた場合なので。)
光(虹)の配列というのは、
波長の長いものから順に、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と並んでいます。
赤と青を混ぜて作られたマゼンタを人間の脳は認識できるのですが、
この色を突然視界から除くと、
ちょっと、混乱してしまいます。
何故かと言うと、自然界の法則で言うと、
赤と青の間には、オレンジ、黄色、緑という色があって(じゃまをして)、
赤から直接青に変化するグラデーションを作成できないんです。
そこで、実験。

こっちの色の方が濃いのだけれど、

わたしには、こっちの色の方がはっきり幻覚が見える。


回っているライラック色の丸、ではなくて、
中央の + マークを見つめていてください。
あーーら不思議、何色が見えますか?
そうなんです、緑。
緑の丸が回っているように見えてくるんですねー。
ライラックが消えてしまったので、脳は、
そこにあるべき色、赤と青の間にある緑、を自分で選択してしまうんです。

こうなってくると、ほんとうはライラックを見ているのか、それとも緑色を見ているのか、
自分でも分からなくなりますね。

動物の世界には色がないと言われていますが、
まったく色がないわけではなくて、
この自然界の法則に従った色しか識別できないのではないか
とも考えられますね。

補足説明というか書き直し。

スティーヴがブログの中で説明しているのは、
人間の眼底で色を感じるレセウプターは三つ。
赤の光に感じる細胞と、緑の光に感じる細胞と、青の光に感じる細胞です。
これらの細胞は、その色を頂点として、その周辺の色の波長を感じ取ります。

その前に、
赤と緑の光をあわせると黄色になるし、
緑と青をあわせると、シアンになります。
この三つの光を合わせると、無色透明となります。
これが、普段私達の目に届く太陽の光に色がない理由です。
これは、フラットスクリーンモニターが色を作り出す原理でもあります。
(後に出てくるマットのページ参照)

で、この三つの桿体細胞(というらしい)が、
受け取った色の波長に近い波長に感じる桿体細胞が反応して、
そのそれぞれの反応の強さに応じて、
脳の中で色を作成しています。

つまり、赤い色の波長を受けると、赤レセプターだけが電気的に反応します。
他のレセプターは反応していないので、脳は赤なんだなと分かります。
他の色もしかり。
黄色を受け取った場合は、赤レセプターと緑レセプターが同時に反応します。
その反応の強さに応じて、脳は色を組み立てます。
マゼンタの場合も同じ。
赤レセプターと青レセプターが同時に反応して、脳の中で色を組み立てています。

そこで、このマゼンタが突然消えてしまうと、
赤の周辺というか隣のレセプターであった緑レセプター
同時に青の隣であった緑レセプターが受信していた、
(「隣」という意味は、虹の配列を参照してね)
緑周辺の波長の電気反応だけが残ります。
両方の波長の真ん中にあったのだから、両方の波長に近いことになりますから、
赤と青のレセプターから信号が来なくなった今は、緑からの信号はかなりの強さとなるわけで、
脳は、そこに緑があると勘違いしてしまうんですね。

読んでくれていた人、お分かりいただけましたか?


他にも、空気砲はどこまで届くのかとか、
竜巻ファイアーとか、
テレビやコンピューター画面の画素とはどんなものかとか。
(↑このエクセル・シートは、面白いよ。お試しあれ。)

オタッキーでも、オタッキーでなくても、一度は観てみて!


あっ、WitTankもそうでしたが、バッジもらえます。
ほんとは売り物なんだけど、「もう、こんなにあるから、持って帰っちゃって~~。」って。