80代の男性の患者さんが入院してきた。
病名は肺炎だけれど、パーキンソン病であり、ちょっと認知症もある。
病状は簡単には良くならず、薬も飲めなくなり、ご飯も食べられなくなって、だんだん衰弱をしていったので、胃ろうを作った。
それで、薬を胃ろうから投与できて、どんどん回復していった。
ついには、胃ろうもやめて、口からご飯を食べれるようになった。
僕たちは、パーキンソンや軽い認知症の患者さんには、いつも声かけをして、必要以上にしゃべってもらうようにしている。
『この看護師さんは、誰だっけ?』
『ちいちゃん・・・・・・・。』
『僕は、誰だっけ?』
『・・・・親分の、オッサンナースさん・・・・・・・。』
親分?(笑)
まぁ、オッサンじゃけ~の~・・・。
そして、やっと退院できることになった。
患者さんの奥さんは毎日お見舞いに来て、かいがいしく患者さん(夫)の世話をしていた。
『やさしいお母ちゃんじゃね~・・・。愛しとる?』
そう聞くと、
『ウン。ウン。』
『退院したら、奥さんにダイヤの指輪くらい買ってあげにゃあ!』
そう言うと、きっぱり首を振った、
『いいや!でも、ちいちゃんになら・・・・・・・・・・。』
う~ん・・・。
同じ男としたら、とてもわかりやすい患者さんだ(笑)
この患者さんのお宅に受け持ちだった看護師が、退院後訪問をした。
その看護師さんが、
『うちの病院の看護師の名前、まだ覚えてる?』
そう聞いたら、
『オッサンナース大将。』
『何で、大将?』
『いつも、若いねえちゃんをはべらしとったけぇ。』
そりゃ、誤解じゃ。
僕はチームリーダーなので、ノートパソコンを持って行って、記録しとっただけじゃ。
ま、いいか。
名前を覚えてもらっただけで、感謝。
『・・・あと、ちいちゃん・・・・・・・・。』
よっぽど、好みだったんじゃろうの・・・(笑)