粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)/飴村 行
    ★★★★☆
¥700
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これはどこで見たんだっけ。多分ネットで面白い本を探していたときかなぁ。2chあたりでみたのかも。

それで気になって手にとってみました。1作目の「粘膜人間」が読書メーターで酷評されてたので、2作目のこちらから。これはなかなか評判高かったのです。


国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。父は町で唯一の病院、月ノ森総合病院の院長であり、権勢を誇る月ノ森家に、2人は畏怖を抱いていた。〈ヘルビノ〉と呼ばれる頭部が蜥蜴の爬虫人に出迎えられた2人は、自宅に併設された病院地下の死体安置所に連れて行かれた。だがそこでは、権力を笠に着た雪麻呂の傍若無人な振る舞いと、凄惨な事件が待ち受けていた…。


グロくて面白かった。

最初はとっつきにくいし、意味不明だし読むの辞めようかと思ったけど、2章から物語がリンクし始めてきて、人間の傲慢さや私利私欲まみれなところとかドロドロしてきてどんどん引き込まれる。こういうジャンルは余り読まないけど、気持ち悪いけど面白いってのもたまにはいいです。

この「蜥蜴」というのは蜥蜴人間・ヘルビノというものが出てくるのです。もうその辺りからしてカオスなのですがどんどん引き込まれる。

人間の私利私欲、欲望にまみれた話。欲望を抑えきれない人間はどうなってしまうのか、そして欲望よりも何か大切なものがある人間はどうか、という結構考えさせられる話。

あと、グロイ、エロイ、スプラッタ、ナンセンスというものが付きまといます。エロいというかなんだろうむしろそういう描写はキモチワルイ感じで描かれていて、この世界観と合っているのかも。


表紙はなかなかグロいですね。てか、鬼太郎の目玉の親父っぽく思えば可愛いかも。

この本を読んでいるときは「何の本読んでるの?」って聞かれたくない!とちょっとヒヤヒヤしました。