“アイドル・夏の名曲特集”第九回目は、高橋由美子ちゃんの「コートダジュールで逢いましょう」です。
“グッピー”の愛称で親しまれた由美子ちゃんは、前々回紹介した田村英里子ちゃんと並んで、90年前後の“アイドル冬の時代”にありながら、頑張ってアイドル界をけん引した功労者です。
「Fight!」「元気!元気!元気!」といった、文字通り元気ソングを歌っていた由美子ちゃんが92年、7枚目のシングルとして発売したのが、それまでとは毛色の違う曲「コートダジュールで逢いましょう」でした。
この曲で由美子ちゃんは一皮むけたというか、実力がぐぐっとアップしたかのような印象です
作詞は秋元康、作曲は亀井登志夫、編曲は大谷和夫。・・・そう、作詞はあのAKB48の総合プロデューサー秋元先生なんですね~
今改めて歌詞をじっくり聴くと、秋元氏らしいワードが出てきて興味深いです。
まずタイトルからして「コートダジュール」ですからね~(笑)
そんな所で誰と逢うんだ!?って話ですよ
しかし
♪陽射しのワイン 風のグラス とか
♪グレース・ケリー気どりながら とか
♪古いシネマ真似をして 地図しか知らない街 逃げてみたい とか・・・
ちょいとキザでありながら“非日常”を描く手腕はさすがと言うしかない!
そんなリゾート感、異国情緒満載の歌詞に合うように、曲調もアレンジもエスニックに装飾されて、完璧な世界観を作り出してます
それにけっこう難易度の高い歌メロだと思いますが、由美子ちゃんは抑制の効いた歌唱で見事に歌いきってますね~!
この曲の後に発表された「アチチッチ」「だいすき」「Good Love」といった元気ソングも、デビュー当初のような勢いに任せた歌唱ではなく、しっかり緩急をつけて丁寧に歌う“余裕”を感じさせるものになってます。
さらには、「友達でいいから」「3年過ぎた頃には」のようなバラード系では抜群の表現力を発揮するようになりました!
「コートダジュール」を機にグレードアップした由美子ちゃん!ちょっと聴いてみて下さい。
「だいすき」は映画「ちびまる子ちゃん」の主題歌にもなった、京平先生作曲の逸品!中間部のストリングスがゴージャス!
「3年過ぎた頃には」・・・これ、イントロからして泣ける
名曲です!
コートダジュール・・・、要するにモナコ公国ですな!
一度でいいからそんな避暑地に行って、海の見えるレストランで由美子ちゃんのような女性とお食事でもしてみたい・・・
と、そんな事を想う夏の終わり・・・