韓国に古くから伝わる説話『沈清伝』を下地に、欲深い男と不倫した女、そして娘の絡み合う情念を濃密に描いた愛憎劇。監督は「南極日誌」などサスペンス作品を中心に手がけるイム・ピルソン。捨てた女が相手と気付かず愛欲に溺れる男を「私の頭の中の消しゴム」のチョン・ウソンが、純情を踏みにじられ復讐の鬼となる女を「サイコメトリー~残留思念~」のイ・ソムが、母が自殺し父のことを恨む一方で父を掌握しようとする女に嫉妬心を抱く娘を「レッド・ファミリー」のパク・ソヨンが演じている。タイトルにあるタリオとは、ラテン語で被害者が受けた害を加害者に加える制裁、同害復讐の法律のことをいう。

映画のストーリー
ソウルで不祥事に巻き込まれた大学教授ハッキュ(チョン・ウソン)は、さびれた田舎町に講師として赴任。ほどなくしてハッキュは妻子がありながら地元の純真な少女ドク(イ・ソム)と男女の関係になり、逢瀬を重ねる。しかし復職が決まったため、ドクに金を渡し関係を清算しようとする。そんな中、うつ病に苦しむ彼の妻は娘のチョンが見る前で自殺を遂げる。それから8年、作家として成功し放蕩生活を送っていたハッキュは、病のため視力を失いつつあった。そんな彼の前にセジョンという女が現れる。彼女の正体は、愛を踏みにじられ復讐に燃えるドクだった。ハッキュはドクだとは気付かずに彼女に溺れ、やがて彼女がいなければ何もできないほど依存してしまう。ハッキュの娘チョン(パク・ソヨン)は母の自殺の原因は父にあると思い恨む一方で、二人の関係に嫉妬心を抱いていた。ドクはハッキュを奈落の底へ突き落とそうとするが……。



愛のタリオ | Movie Walker

日本人の私には『沈清伝』がどういう内容の説話なのか実感がわかないのですが、映画の冒頭で

「盲目の父親の目を治すために、娘は自分を売った。
父親の目は治らなかった。
それでも妻は、夫の側を離れなかった」

という内容のモノローグが表示されました。

確かに、終盤はその内容通りの展開になりました。

ウソンさんが好きな私は、どうしてもウソンさんに注目があせる

「(ウソンさんは)自堕落な生活をしている割に、裸になると無駄に身体が引き締まっている」

「性に溺れる役だから仕方ないけれど、そこまでせんでも叫びということまでしていた」

「悪い男の設定だけど、(ウソンさん自身の)善人さのせいか、そんなに悪いように見えない」

など、ツッコミまくってしまいましたあせる

(2015.2.7 at シネマート心斎橋)