ウィルス性の疾患について。 | パコの手作り石けんのあれこれの雑記

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え~と、石けんを作っているにあたって、あれこれとやっている訳なんです(^^;)
そんなことを綴っております。

皆様ご機嫌よろしゅう♪今日はじめじめしたお天気でございました。
ワタクシは昨日思いっきり夜更かしをしたため、本日は思いっきり昼寝を…(笑)

さてさて。今日はウィルスのお話など・・・・。

今を去ること20数年前、アメリカでおかしな症状を呈した男性が病院へ運ばれて参りました。
それはもう見たことも無い症状で、全身に悪性の腫瘍が出来、肺やら気管支には普段なら見られることのないカンジダというカビがびっしりと付着し、既に治療のしようもない状態でありました。
ただ、病院としては精一杯の治療はするもの、ドクターたちはあれこれと治療を試みたのですが・・・・・。
おかしいのです。この患者、普通の人ならなんともないはずのカビやら細菌やらその他のウィルスやら、とにかく、健康であれば、免疫システムというものが働いて、体を守ってくれるはずのそのシステムが全く機能していないので、どんどんと何にでも感染し、衰弱し、そしてどんな治療も効果が無いのです。

そして男性は死亡しました。
世界で最初に確認されたAIDS(後天性免疫不全症候群)患者です。

実際はもっと前に疑わしい症状があったのですが、「確認」された、ということでは1981年のこの患者が初めてでございました。

「おかしな病気がある」
こういうこととなりまして、研究が始まりました。
そして段々とその正体がわかって来たのですが・・・・・・。

その間にAIDS患者はどんどんと増え続けていたのですね。

実はAIDSはアフリカで発生したのではないか、と言われております。ただ、潜伏期間が異常に長い(7~10年)ため、発症するまでに人は自分が感染していることを知らないであちこちと動き回ります。(ウィルスを持ちながら発症していない人をキャリアと呼びます。感染力を持っていますが、本人は発症しておりません。)
ウィルスは人の体に入り込んで、増殖を続けながら、世界中に張り巡らされた飛行機網に乗り込んで広がって行き、そして医療の発達したアメリカで最初の患者が発見された、と思われます。

現在AIDS患者は世界中で5千万人、アフリカでは伸びて来ていた平均寿命がこの病気のせいで落ちている所もあります。絶滅した村もあります。
日本では、首都圏、大阪近郊に増加傾向がみられ、毎年新しい患者が出ております。
WHOの予測では最終的に世界で数億~数10億人がこの病気で亡くなるのではないか、と言っております。

現在では発症を遅らせる薬も発明され、治療を行うことは出来ないにしても、発症させないでAIDSと付き合う、というようなことも出来るようになって参りました。(副作用はひどいようですが。)ただ、発症してしまえばもうどうしようもない病気です。
カポジ肉腫をはじめとする悪性腫瘍が全身に出来、ニューモシスヌス肺炎(私が調べていたころはカリニ肺炎という名前でした^^;)という肺炎に冒され、脳障害を起こすこともあります。
免疫システムそのものを攻撃するウィルスですから、免疫システムを利用したワクチンというものを作るのが非常に難しいウィルスです。

感染力は弱く、空気感染や飛沫感染はいたしません。体液感染いたします。いわゆる、血液、精液などが混じることによっての感染です。
体液での感染ですから、性交渉に限らず、例えばそれと知らないキャリアの方が何かで怪我をして流血し、これまたそれと知らない別の人がその治療をし、その際、目に見えない微小な傷(人の肌ってのはけっこう目に見えない傷を持っているものです。)があり、そこからウィルスが入り込む、というようなことも考えられます。
歯ブラシの共有、などという場合でも感染いたします。歯ブラシによって傷ついた口中の傷からウィルスが入り込むのですね。
こういう病気が世界で広がっているのが現状です。(日本では政府と薬品会社が利益追求のため、知っていながら感染者を増やした、というとんでもない例もありますが。)参考:薬剤エイズ問題。

ウィルスってのはものすごく小さいものですから。
目に見えないものですから。感染したくてする人などはありません。

これまた数10年前。ストックホルムにてある航海から帰って来た船員に水ぼうそうのようなものが出来ました。
発熱し、疱瘡が出来、しばらく寝込んでおりました。
当然家族たちは看病し、幸いこの船員は症状も軽く、治りまして次の航海へ旅立って行きました。
そして。
しばらくしますと、この家族たちはどんどんと倒れ始めたのですね。全身に疱瘡が出来、それが膨れ上がり、つぶれ、その苦しみは想像を絶するものでした。
医者たちは最初、「水ぼうそうだ」と診断いたしました。
ただ、この患者の中には既に既往症として水ぼうそうを持っている人がいたのです。(ってことは抗体を持っていますから、本当なら発症しないはずです。)

この家族たちが潜伏期間に接触したご近所の方たちも倒れ始めました。症状は同じ。
そうこうするうちに、最初の死者が出ました。3代目の感染者、最初の感染者の家族が接触したご近所の奥様です。

医療機関では、その間にこのウィルスの正体を突き止めておりました。
病名は「天然痘」。その昔、恐れられたウィルス性の病気です。

この頃には病院には体の異常を訴える人々が詰めかけておりました。
ウィルス性の病気の場合、最初に広がるのはこの「医療機関」からなのです。
体の異常を覚えた人々が病院へ行く。そこでウィルスがまき散らされる。そこへ別の病気や用事でやって来た人々に感染し、そしてウィルスは病院を出、新しく別の場所で感染が広がって行く。
また、治療にあたったスタッフが感染し、そこから広がることもあります。特によくわかっていない新しいウィルスの場合は。エボラなどがそうでございました。
マチュポウィルスも派遣されたアメリカの研究者3人のうち、2人が感染いたしました。このマチュポも出血性のウィルス感染症です。致死率も少々高いです。ボリビア出血熱という病気の病原体です。
ですから、新しいウィルス性の感染症の場合、「病院へは行かないで下さい」と呼びかけられるのですね。

ストックホルムでは、最終的に隔離された人は2千人ほど、ワクチン接種した人は50万人に達し、そして沈静化しました。
今では天然痘は根絶された、ということになっております。
ただ、ウィルスは残っております。アメリカとロシアの研究所に。そして、ロシアの方のウィルスは、あの政治の混乱期にこれらのウィルスを「紛失」しております。どこへ行ってしまったのかわかっておりません。

天然痘、エボラ、マチュポ、ハンタ、ラッサ、AIDS・・・・そしてインフルエンザ。
ウイルス性の病気はかかりたくてかかるもんではございません。
感染した人は「患者」であり、「病人」でございます。
治療の必要な「病人」なんでございます。
助からない方もいらっしゃるでしょう。特にエボラやAIDSなど、致死率の異常に高いウィルスに感染・発症した場合、助かる見込みはかなり薄い。さらに想像を絶する苦しみと共に生きながら体が朽ち果てて行くわけですから。

「感染した責任」なんてものは存在しません。

ウィルスってのは目に見えませんから。

例えばウィルスが蚊柱のようにブンブンと渦を巻いており、「わ~~い!ウィルスだ~~!!」とか言って飛び込んだのなら、「責任」ってのも付いて来ましょうが、そんなもんありゃしません。

長々と書いて来ましたが。何を言いたいのかわかってもらえましたでしょうか・・・・・。

今回の新型インフルエンザの大騒ぎ。パニックを煽りに煽ったメディアの在り方も相当な問題ですが、それに踊らされる人たちのアホさ加減。(すみません。言葉が乱暴です。)
感染者に対しての抗議の数々。
「うちの子にうつったらどうしてくれる!」「責任を取れ!」「自己責任だ!(←この言葉、大嫌いです)」
感染者の親御さんは泣いて謝罪。子供さんが新型ウイルスに感染し、ご不安もひとかたではないでしょうに、それに加えての「謝れ、責任を取れ」の個人攻撃。
しまいには「この学校は受験対象外とします。」だそうで。ああ、ああ、来なくていいと思いますよ、お宅のお子さんなど。ど~せ問題を起こす「親」でしょうから。
校長も謝罪。それをまたドラマチックに仕立てて報道しまくるメディア。君ら、「メディアの良心」ってのはどこへ置いてきたのか?

挙句の果てはマスクの奪い合い。更には「今ならいくら値段をつけてもマスクは売れる。仕入れて儲けて下さい。」というアホ丸出しの某ネットショップモール社長の各出店者への煽り。「マスク仕入れ出来ます!売って下さい!」の勧誘メール。
以前書きましたが、マスクってのは飛沫感染するウィルスに対しては「ある程度の」有効性はありますが、「絶対的な」有効手段ではございません。

幸い今回のインフルエンザは弱毒性で、効果のある薬も、そしてワクチンも作れるようであります。
大体恐れていたのは「強毒性」の方じゃなかったのか?
本来なら、今回の騒動は、恐れられている強毒性インフルエンザの流行の際へのテストケースともなり得たはず。
得るものが大きかったはず。(いえ、しっかりと得るものを得ている学者さんたちもおられましょうが。)

それがこの意味のない大騒ぎ。

ウィルスってのは、知らないうちに感染するものなんです。そして、感染は本人の「責任」ではございません。
そして現在のように世界中に細かく張り巡らされた飛行機網があれば、そこへ入り込んだウィルスは、24時間もあれば世界中どこへだって飛んで行けるんです。
そして、こういう新しい病気は、沈静化までには少々時間がかかることもあり、また、一時期は一気に感染が広まる、ということがよくあります。

今回の大騒ぎ、本当に不快な思いで見ておりました。ああならないことを願っておりましたが・・・・・・・。

新型インフルエンザに感染された患者の方々には、心より同情するとともに、1日も早いご回復をお祈りいたします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・長々と失礼いたしましたm(_ _ )m