ブログネタ:お金より大切なものって何? 参加中
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え~。お金ってのは大切です。ものすごく大切。それはもうヒシヒシと感じる人生の曲がり角から裏路地さまよい人生まっただ中なワタクシでございますが。
それでもちびっとギモンなども浮かんだりして。
お金以外に?大切なことって?ある?あるかも?あるかもよ??
なんちって。
そんなことをツラツラと考えておりまして、ふと忘れかけていた小さな思い出を見つけ。
そんなある日ある時の私のお話です。
いつだったか、何だかちょっと虚しい気分に浸りながら街の真ん中を歩いていたのですね。何故虚しかったかは覚えていませんが、夕暮れ時の冬だったような覚えがありますので、何となくもの寂しかったんでしょう。で街も街、盛り場と言えばここ、おねえちゃんもいるよ、おにいちゃんもいるよ、その他怪しい遊びをしたければご案内!おっと、素敵なカップルは一生の思い出をあちらの背も値段もそりゃもうおたか~いホテルでお作りになってはいかが?同窓会ならそこの居酒屋!飲み放題!!気取らないデートならそこの創作居酒屋ね、はいはいはい、よってらっしゃい見てらっしゃい、な賑々しくも寂しい、喧騒渦巻きながらも何故か孤独な街の真ん中をひたすらてくてく歩いていたのですね。何の用事で歩いていたかは覚えていない(笑)
で、ふと見ますと、”オベーション”という、一部のギタリストにとっては憧れのギターを抱えたおにいちゃんが道端に座っておりました。恐らくオベーションはレジェンドというクラス。これは高くはないけれど安くもない、というこれまた手頃な憧れクラス。オベーションはエレキではありますが、アコースティックギターの一つで、電源が無くても音は聞こえる。ストリートミュージシャンが時々使ってるギターです。
おおおおお。オベーション。いいなあ。色もいいなあ。レジェンドかあ。いいなあ。ここにこうして意味ありげに座っている以上、このおにいちゃんはストリートミュージシャンなんだろう。いわゆるリクエストを貰って弾き語る、お代は後ほど、心付け、というやつだ。ハードだな、根性あるな、と思いまして。
「何か弾いて。」と頼みました。するとおにいちゃん、自信満々の笑顔を向けて、「何でもいいすよ。リクエスト下さい。」
いいねえ、ストリートで揉まれて来た訳だ、今じゃちょいと自信もついたのだね、んじゃ今ちょいとブルーだし、癒されるとするか、と思いまして、「イマジンを頼むよ。」とお願いしたわけです。
「イマジンって何すか?」ありゃ、こりゃ時代がちょっと古かったか・・・。「えーと、んじゃワンダフル・トゥナイトとかどう?」これも古いか?どうだ?ちょいと売れてる曲だが・・・。
おにいちゃん、そんな私の願いをあっさり打ち砕く。「あ、それ弾けないんすよ。」え?洋物がダメなのかな?日本モノならイケる?日本のストリート系なら?
「んじゃ、ナガブチとかどう?」「ナガブチも弾けないっす。」「さだまさしは?かぐや姫とか?オフコース?」「そ~ゆうの全部弾けないっす!」
うーん・・・・ジェネレーションギャップやね・・・。ってか私もどうよ?ゆずとかスキマスイッチとか出てこないのかっんで、聞きました。「何が弾けるの?」するとおにいちゃん、嬉しそうに満面の笑顔で「尾崎豊!」
あ、そっかそっかあ!それがあった。「尾崎豊なら大丈夫なの?」「はい!何でも!」そうか、尾崎豊かあ(敬称略)。好きだよなきっと。ストリートやる人でも好きな人多いよな。でも・・・私があまり知らない(;^_^A
必死で持っていない知識を絞りまくり、えと、えと、えと、しっとりバラード系、ちょっとだけ浸れるラブバラード系、その辺りの尾崎尾崎尾崎・・・・「あ!I LOVE YOU!あれ歌って。」するとおにいちゃん、またしても私の努力を踏みにじる。「あ、それ弾けないっす。」ここへ来て私、リクエストは諦めた。「・・・んじゃ何が弾けるの?」お兄ちゃんは、そこでリストを差し出しました。「これ。ここに書いてある曲なら何でもいいすよ。」
お品書きがあるんかいとりあえずそのリストから一曲弾いてもらいまして。(曲名はわからない^^;)そのまま帰るのも気が引けたので財布から取り出した1000円を渡し、「んじゃ、ありがとね」と背中を向けると。
「あ、オレのギターについて、何か感想はないすか?聴いてくれた人にはお願いしてるんすよ。」
・・・注文の多いミュージシャンやね。で、ぶっちゃけ感想は、と言われるとなかなか難しいものがあり。「若いんだね」だけは言える。こんな状態でいきなりストリートへ飛び出して、曲がりなりにもお金を貰おうというのだから。でもそのおにいちゃんの眼は何の屈託もなくキラキラしているのです。
ほんと~~に何にも汚されていない感じ。
「そうだね・・・。あまり難しいことはわからないけれど、とりあえず、曲を弾く時にはチューニングを合わせたらどうだろう。」おにいちゃんはちょっと驚いた風でした。「チューナーすか?必要だと思います?」「・・・うん。すごく。」
はい。すごく。どれだけテクニックがあっても、楽器のチューニングが合っていなければ、それは音楽として成り立ちません。ただの不協和音。ノイズ。音階がきちんと合ってのコード伴奏、それに乗っかるボーカル。
このおにいちゃんはそこが疎かだったので、もう曲全体が聞きづらくて聞きづらくて、乗っかってる歌も合っているのかいないのかわからない。
「チューニングは基本だと思うよ。きちんと合わせないとギター演奏そのものがダメになるよ。もしかしたら、だけどプロになりたかったりするんでしょう?」ちょっと悲しげにしていたお兄ちゃんは、私の言葉を聞いてそれはもう嬉しそうに言いました。「はい!こうやってオレの音楽(←いや、尾崎の音楽だと思うけど。)を聴いてもらって、それで集めたお金だけで東京へ行くつもりなんすよ!でもそうなると・・チューナーを買ってるお金ないんすよね。」
おにいちゃん、チューナーは安いものなら1000円で買えるから。または音叉なら数百円で買えるから、ね。飯よりも宿よりも交通費よりも大事。先に買おう。そしたら、その後は音も安定してもっとお金をもらいやすくなる(かも)よ。
うら寂しい都会の喧騒の中、渡された1000円札をしっかりと握って、ただもう勢いと、でかいだけの夢を語るおにいちゃん、それを信じたり応援したりするには若干苦いものを味わって来てしまって、それでもそういうキラキラに出会うことは決して嫌いではない私、どちらの胸にもポッと灯ったほんのりほんわかな暖かみ、この一瞬がこれはもうプライスレス、絶対にお金で買えないものであるんだろうな、などと思った次第です。
ところであのおにいちゃんは東京へ辿りつけたのだろうか・・・・・。
おにいちゃん、無事に東京まで行けましたか・・・?
ブルーな夜などに時々思い出す出来事なんでありました。
奥の深いものですね、石けんって・・・・(;^_^A
あれを試したり、これを失敗したり、それを調べたり・・・・。
まだまだ勉強中です。まだまだ頑張ります。
・・・・・・・・・・・・・・多分・・・・・・・・・・・・・・・・。