【2017.07.08(土)】

 

 

今夏のアルプス一本目は、

南アのメジャールート、白峰三山へ。

 

雪溶けが進まない北アにしびれを切らし

今年のアルプスは南アからスタート。

 

3000mに体を慣らしたく

北岳、間ノ岳、農鳥岳の白峰三山1day縦走に挑んでみる。

 

広河原から奈良田まで、

CT18時間半のチャレンジングコース。

 

ということで

土曜の午前2時にチビさんと東京を出発し

縦走ゴール地点となる奈良田へ。

 

第二駐車場に車を停め

10分ほど歩いて奈良田のバス停へ。

 

第二駐車場からもバスには乗れるのだが

始発の奈良田まで少し歩いて戻れば

座って広河原まで行くことができる。

 

寝不足ゆえ楽できることは少しでも。

 

 この日のバスは二台体制。

 

 

 

天気の良い週末、

案の定バス停には沢山の登山客。

 

満員乗車のバスは5時半に出発し

50分程で広河原に到着。

 

芦安方面からのバス、タクシーが

既に到着しており

ターミナルは大賑わい。

 

沢山の登山者を見ると

いよいよ夏のアルプスが始まったって感じで

ワクワクする。

 

 

 

 

6時半に吊り橋を渡って縦走スタート。

大樺沢ルートを上がる。

 

CT18時間半ものコースなので

本当はもっと早くスタートしたいのだが

バス利用せざるを得ない広河原が起点なので

どうしてもスタートはこの時間となる。

 

CT通りだと奈良田に着くのは25時、

CTの7掛けのスピードで歩いても

13時間かかるので下山は19時半。

 

恐らく最後の大門沢からの下りは

ナイトハイクになることを承知の上での

チャレンジ。

 

 

 

 

 

距離の厳しさもあるが

それより気になるのが3000mの高さ。

 

例年、シーズン初めの3000m峰では

高山病に苦しめられる。

 

なので今日は三山縦走で

体を高度に慣らすことも目的の一つ。

 

 

 

 

 

北岳、中白根、間ノ岳、西農鳥、農鳥など、

3000m級の5峰をしっかり歩いて

強制順応しちゃおうという

スパルタ的考え。

 

 

 

 

大樺沢を登り、

分岐からは右俣コースへ。

 

左俣コースなら

山頂まで50分ほど短縮できるのだが

夏道はまだ残雪に覆われている。

 

荷の軽量化のため

チェーンスパイクしか持っていない我々は

無理せず右俣から肩の小屋を経由して

北岳山頂へ。

 仙丈ヶ岳

 

 

 

小太郎尾根分岐まで上がると

大展望が広がった。

 

南アに来たって感じられるこの稜線は

何度来てもいい。

 ここから農鳥岳の先まで、

アルプスの稜線歩きをたっぷりと

 

 

 

乾いた暑い日差し、

そよぐ風にはハイマツの香りが混じる。

 

これこれ、夏のアルプスの匂い!

 

 

 

 

4時間半で北岳山頂に到達。

 CTの7割5分ほどのタイム。

 

これから先は高山病や疲れで

スピードが落ちることを考えると

ちょいと微妙。

 

 

 

 

賑わう山頂をスルーし

一旦縦走路を外れて八本歯コル側へ下る。

 

チビさんの希望で

ここでしか咲かない

キタダケソウを見にいく。

 

 

 

 

 

群生してる花を見るのは好きだが

個々の花には

実はあまり興味がない。

 

そんな私でも「ここにしか咲かない」って

言われると、見てみたくなる。

 

でもって

チビさんがキタダケソウを発見。

 

 

 

 

「これがキタダケソウ」って言うんだけど

ハクサンイチゲと同じような...

 

キタダケソウ

 

 

こっちにも沢山咲いてるって教えてあげたら

「それハクサンイチゲだし」って。

 

葉っぱが違うらしいのだが

難しい...

ハクサンイチゲ

 

 

 

 

 そんな私にも好きな花はある。

 

妖艶な派手さを持つハクサンチドリ。

 

だが、あまり見ることはない。

 

見つけたと思って近づくと

大抵はヨツバシオガマ。

 

 

 

 

 

キタダケソウを鑑賞し、 

北岳山荘まで下りて一休み。

 

ここでドリンクを購入。

 

アルプスは小屋が沢山あるので

余分な水を持ち歩かなくて済むのが助かる。

 

 

 

 

その後、

3000m峰二座目となる中白根に向かう。

 

この辺りからついに高山病の症状が出始め

一気にペースダウン。

 

軽い頭痛。

 

中白根の頂から

間ノ岳の大きな山容を見た時には

絶対登れないって思ったほど。

 

 

 

 

体調はどんどん悪くなり

農鳥小屋に泊まろうかと本気で考えた。

 

チビさんも軽く高山病の症状が出てるらしく

二人して意識もうろうとなりながら

間ノ岳山頂に到着。

 

 やはり久しぶりの3000mだとこうなる。

分かってはいたけど。

 

ここで荷を下ろし高山病対策。

 

たっぷりと水分を取り

行動食を沢山食べてエネルギー補給。

 

アミノバイタル飲んで

バファリンも飲んで

大きく深呼吸しながら肩首周りをストレッチ。

 

これまでの経験から

高山病対策としてやれることを全てやり

トレッキング再開。

 

農鳥小屋に向かって標高を下げると

対策が効いたのか辛さがなくなった。

 

とりあえず順応成功?

 

 

 

間ノ岳から先は私の好きなルート。

 

北岳、間ノ岳間の天空の稜線もいいけど

荒涼感があるこちらの方が好み。

 

ハイカーがぐっと減って

静かなトレッキングを楽しめるのもいい。

 

農鳥岳が百名山じゃなくてよかったって

思っちゃう。

 

 

キタダケソウを見に寄り道したり

高山病になったりで

かなり時間が掛かってしまい

北岳から農鳥小屋まではほぼCT通り。

 

 

 

15時前に農鳥小屋に到着。

 

かなり予定時間をオーバーしているが

体調が戻ったので一安心。

 

最後の大登り、

西農鳥と農鳥岳を目指し歩き始めた。

 

途中、ハクサンチドリを発見。

 

久しぶりに見るハクサンチドリは

やっぱりいい花。

 

 

 

 

ハクサンチドリを見れたし

体調も戻ったので軽快に。

 

 

 

 

疲れてはいたが、いいペースで登り

西農鳥岳の山頂に到達。

 

 

 

 

再び3000mを越えたが体調に異常はない。

歩くスピードも戻り、一安心。

 

そこから最後のピーク

農鳥岳を目指した。

 

 

 

 

この辺りの稜線は静か。

人には会わぬが猿は沢山いる。

 

農鳥岳の先、

広河内や笹山へと続く白峰南嶺も

テン泊しながら歩くのに良さそうなルート。

 

 

 

 

今シーズン

テント背負って南嶺を狙ってみるかって

チビさんと意見が一致。

 

 

 

 

などと

次の目標を見定めながら農鳥岳の頂へ。

 

 

 

 

 

そして農鳥岳の頂に到達し

白峰三山を制覇。

 

あとは奈良田に向かって下るだけ。

 

 

 

 

と言ってもここから標高差で

2200mも下らなければならない。

 

CTであと6時間半もあり

恐らく下山は21時を過ぎになりそうだが

不安はなかった。

 

下降点分岐から少し下ると樹林帯となった。

 

標高2700mの高さで樹林帯になるところが

やはり南アルプス。

 

 

 

 

夕暮れのルートを軽快に下り

19時に大門沢小屋に到着。

 

体力的トラブルがあれば

ここでの宿泊も考えていたが

まだまだイケるのでスルー。

 

小屋番さんに気を付けてと声をかけていただき

いよいよ真っ暗になる道を

ヘッデン点けて奈良田へと向かった。

 

 

 

CTであと3時間半。

 

二週前に

筑波山でナイトハイクを経験しているので

真っ暗な山道にも不安はない。

 

GPSもあるし、

それでも迷ったらビバークだ。

 

装備、体調、経験などが揃っていれば

こんなシチュエーションも楽しめる。

 

チビさんなんて全くひるむことがない。

 

CTの7割ほどのスピードで

どんどん下って行く。

 

その姿はまるで夜行性動物。

 

必死でチビさんの後を追った。

 

 

 

 

チビさんがルーファイし

後に続く私はそのルートの適切性をチェック。

 

こうして、真っ暗なルートを

二人でダブルチェックしながらサクサクと。

 

これ、サバイバルっぽくて

意外と面白い。

 チビさんの真っ暗な道でのルーファイ能力は凄い

 

 

 

 

 

21時過ぎに、

今朝バスで通った南アルプス公園線に出て

21時半、第二駐車場に無事ゴール。

 

白峰三山1day縦走をやり切った。

 

 

 

 

総踏破距離  24km

縦走時間 15時間(CT18時間半)

累積標高 登り2700m、下り3400m

 

予想した時間よりだいぶ遅くなったが

目標の1day縦走をやれた満足感は大きい。

 高度順応もできたし。

 

 

疲れ切ってグダグダの体を

温泉に入って癒したかったのだが

この時間になると温泉はどこも閉まってる。

 

食事もままならない。

 

これは痛かった。

 

 

仕方なく着替えだけして

車で奈良田を離れた。

 

途中、甲府南インター手前で

かろうじて発見したラーメン屋へ。

 

しょっぱいスープにたまらぬ美味さ感じつつ

 今回もホントいい山行だったと

つくづく思った。

 

いつの日か、またやってみよう。

 

 

さて、夏のアルプス

いよいよシーズンイン。

 

北アの雪も

そろそろ溶けたんじゃない?

 

 

 

お次は
いずこの山へ・・・