【2017.03.11(土)-12(日)】

 

久しぶりに雪山でテント泊。

 

雪山どころか

テント泊は昨夏の北鎌以来、半年ぶり。

 

果たして

テント泊用の重荷を担いで歩けるのか。

 

今回は山友のロイさんの常念岳東尾根テント泊山行に

チビさんとともに同行させていただく。

 

ロイさんもテント泊は久しぶりで

そろそろGWのテント泊縦走に向け

体を慣らしておきたいとのこと。

 

長期的な山行計画を常に見据え

それに備えて体力的準備を怠らないところは

さすが300名山サミッター!

 

スタートは鳥川林道「ほりでーゆー」ゲート

 

 

 

積雪期の常念に登るには東尾根を辿る。

地図に記載のない冬季用のルート。

 

標高差は2100mもあるハードな行程なので

テントを背負って二日がかりでの登攀。

 

だがロイさん

昨年はここを日帰りでやったとのこと。

しかも上半分はノートレースラッセル。

 

こんなありえないハード山行話が

ロイさんからはいくらでも出てくる。

 

なので、

ロイさんとの山行は飽きることがない。

東尾根取り付きポイント

 

 

 

 

今日の荷の重さは17kg。

 

テント泊があまりにも久しぶりなので

何か忘れてないか心配。

 

今日は行けるところまで上がる。

 

と言いつつも

樹林帯最上部の2200m地点まで

標高差1400mを登るのが目標。

 

殆ど歩く人がいないルートなので

この先の雪道はラッセル必至。

 

それに備えてスノーシューを背負ってきたのだが

今回はしっかりとトレースが付いていた。

 

既に数名の登山者が入っている様子。

 

静かな雪山山行を楽しめるのが

このルートの魅力の一つだったというロイさんは

ちょっと残念そう。

 

だが

私とチビさんにとっては

このトレースは嬉しい誤算。

 

先週末は孫くんの誕生日祝いや

チビさんの引越しなどで

一週山を休んでいる。

 

井の頭公園で3歳になった孫君と。可愛くてたまらん!

 

 

この年になると一週休んだだけでも

体力はかなり落ちてしまうので

私にとって先行者のトレースは大助かり。

 

 

それぞれの悲喜を胸に

厳しい坂を登り進む。

標高1500mを過ぎると、あたりはガスに覆われた。

 

 

 

標高2000mあたりまでくると

先行者のテントがちらほらと現れた。

 

我々はトレーニング!

荷を下ろしたい気持ちを抑え

森林限界ギリギリの高さまでテントを担ぎ上げる。

 

登り続けること6時間。

 

森林限界手前にテント泊適地を発見。

 

小雪舞う中、

雪をかき分けテントを設営。

 

 

 その後はシュラフに潜り込んで一休み。

久しぶりのこの気持ち良さがたまらない。

 

今日は下山しなくていいというのも

テント泊のいいところ。

 

シュラフの気持ち良さに浸っていると

意識が遠のき夢の中へ。

 

 

夕方目を覚ますと

天候が回復し青空が。

 

テントを飛び出し森を抜けると

見事な雪山景色。

 

 

  

前常念の頂きに陽が沈んでいく。

 

こんな景色が見られるのも

テント泊ならでは。

やっぱテント泊はいいね。

 

 

 

日が沈むのを見届けた後

テントに戻って夕飯。

 

キムチ鍋を担いでくれば良かったと後悔しながら

軽さ重視で選んだカップ麺をすする。

 

体が暖まったところで一気に就寝。

 

夜の寒さに不安があったが

ISUKAのpuff1100は抜群の暖かさ。

 

ぐっすり10時間爆睡。

 

 

翌朝4時半に目を覚ます。

 

シュラフが心地良すぎるってのも考えもの。

気持ち良すぎてなかなか出られない。

 

必死の思いでシュラフから抜け出し出発準備。

 

5時40分に山頂目指してスタート。

 

まだ夜が明けきらぬ青黒い空の中に

雪の前常念が浮かび上がる。

 

 

 

 

少し登って振り向けば

東の空は

群青色からオレンジ色への

グラデーションが美しい。

 

 

 

 

前常念が赤く染まり始め

その赤が雪の斜面を駆け下り

足元の雪をも染める。

 

 

 

 

素晴らしい日の出。

最高の雪山の朝。

泣けるわ~!

 

最近は日帰り登山ばかりだったので

こんな感動も久しぶり。

 

 

 

 

朝日に背を押され

雪の斜面を軽快に登り進む。

 

 

 

 

前常念手前の厳しい雪壁を慎重に。

 

 

 

 

息を切らしながら雪壁を登り切った。

 

前常念の頂きに立つと

迫力ある銀嶺が目の前にドカン!

 

穂高だ。

 

 

 

突然現れたこの景色に

かなり興奮。

 

 

 

 

行く先には

ついに姿を現した常念のピーク。

 

 

 

右へ左へ

うねりながら続く「頂への道」は

まさにビクトリーロード。

 

 

 

次から、次から...

 

登り進む度にお楽しみが現れる

最高のルート。

槍と北鎌尾根を見ながら

 

 

 

 

いよいよ

常念の山頂へ最後の登り。

 

 

 

 

二日かけて

やっと辿り着いた山頂。

 

祠の奥には

北アルプス冬季バージョンの大展望

Good morning Alps.

 

 

 

ここから見る雪の北アルプスは

本当に素晴らしい。

 

 

 

 

前穂北尾根

槍穂の稜線

北鎌尾根

 

昨夏歩いた稜線を目で辿る。

 

前穂北尾根

 

 

 

岩稜帯歩きの楽しさが蘇る。

 

北鎌尾根

 

 

 

今年の夏も

是非あの尾根に挑もう。

 

 

 

 

快晴無風の山頂、

日差しも暖かくとても気持ちが良い。

 

写真を撮ったり

おやつを食べたり

山座同定したり

 撮ってる撮ってる

 

 

 

雪山とは思えぬ穏やかな山頂を

のんびりと楽しんだ。

穂高連峰鑑賞の特等席。

  

 

 

ロイさん、毎度お馴染み

大好物のカラムーチョ。

 

 

 

どこの山でも行動食はカラムーチョ。

 

常念を日帰りでやるタフな男がカラムーチョ。

 

最後のカスまでカラムーチョ。

 

山の強者とカラムーチョ、このギャップが最高!

 

 

 

時刻は9時20分。

 

山頂に来てから1時間以上が経過。

 

この天気と展望なら

いくらでもここにいられるのだが

長い下りとテント撤収を考えると

そろそろいい時間。

 

ということで

重い腰を上げ下山開始。

 

 

 

 

春のような麗らかな陽気の中

軽く汗かきつつ気持ちよく山を下る。

 

 

 

最後に

雪の穂高の景色を目に焼き付ける。

前穂北尾根とカラムーチャー。

  

 

 

テントを撤収し

標高差2100mを一気に下る。

 

 

 

 

3時過ぎにゲートに戻り

雪の常念岳東尾根山行を終えた。

 

 

今回の東尾根はハードな行程ではあったが

樹林帯を抜けてからの稜線歩きは

お楽しみ満載の素晴らしいルート。

 

天候にも恵まれ

山頂では存分に雪の北アを楽しむことができた。

 

山行を終えて改めて思うが

ここを日帰りでやるなんて..

 

ロイさんは

全くアンビリーバボなカラムーチャー。

 

 

今回は、テント泊装備を背負っての

トレーニング登山という目的もあったが

久々ながらハードな山行を無事やり遂げることができ

チビさん共々一安心。

 

忘れていたテント泊山行の楽しさを再認識。

 

これからの残雪期は

登れる山域がどんどん広がっていく。

 

なので

積極的にテント泊を取り入れ

思いっきり山を楽しもう。

 

 

 雪の常念岳東尾根山行

 

大満足!

 

 

お次は

いずこの山へ...

 

 

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