北野武HANA-BI | ブッチャー山のブログ

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時として、作り手が半ば無自覚なニュアンスで、自らのパスポート代わりのような、良くも悪くも通過しやすい作品、ある種の名刺代わりのような、適度に自らをエキスにしてしまうような、そのような作品をこさえてしまうことがあるかと思いますが、この作品は、まさにそのような作品、いわばサンプルのような作品になっており、淀川長治に少しつつかれていたように、他者を気にして、程よい媚びをーファンサービスにもすれすれなっており、しかもそれが、映画としての大衆的な長所と、作者北野武のピュアな感性が一致しているのは見事としか言えませせんがーしてはいますが、久石譲の協力もあり、叙情的な流れも繊細にさばき、映画に愛されたものに相応しく、独自な作品に結実していくさまは、やはり、見事としか言えません。ビートたけしの苦渋に満ちた、寡黙なアップが特に素晴らしいですが、一つの精神的なものへの歩みはーたとえ、媚びが含まれていようとー当然ながら本気でしょうし、北野武が語っていたように、千利休のようなタイプの作品を撮ることがあれば、寡黙な素晴らしいアップの作品が出来上がるかもしれません。寺島進や白竜が若い!渡辺哲のポンコツ屋のオヤジが又素晴らしい!