このゴールデンウィーク、私はネット三昧、ブログ三昧の
日々です。
ネットで色々な場所へ行った気分になる、最も安・近・短な
楽しみ方ではないか。 (ただし、そんなことが増えたら 店や
観光地が流行らなくなるし、運動不足にもなる。 困ったもん
です。 私みたいになってはなりませぬ。(苦笑))

さて、以前から触れてみたかった名曲があり、この機会に
満を持して書こうと思います。 その曲の名は、ゴダイゴの
「ガンダーラ」。
オリエンタルな味わい深い世界観、そこに英語歌詞が実に
効果的に入っている、このマッチングが見事な曲です。

英語の単語ではなく、文章そのものが入る。 90年代以降
そうした曲が増えましたが、「ガンダーラ」はその先駆けと
なった エポックメイキングな曲だと思います。

その英語詞のところ、
 ♪In Gandhara,Gandhara
  They say it was in India
  Gandhara,Gandhara 愛の国 Gandhara

ここがどうしても、“お経”に聴こえてならないのです
英語詞を 、まるで“お経”のように聴かせる。
そこから オリエンタルなムードが、より広がっていく。
英語詞の斬新さと、東洋風イメージを融合させた、見事な
着想
だと感心します。
ならば、この 英語詞を “お経” みたいに アレンジしたら
どうなるだろうか
これがなかなか味があり、良い解釈が
できるのです。

ゴダイゴ 乾陀羅(ガンダーラ) (試聴) 
‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘
そこに行けば どんな夢も 叶うと言うよ
  誰も皆 行きたがるが 遥かな世界
  其の国の名は 乾陀羅(ガンダーラ)
  どこかにある 理想郷(ユートピア)
  どうしたら 行けるのだろう?教えて欲しい

   因 乾陀羅  乾陀羅 
   イン ガンダーラ ガンダーラ
   是 声 否厭 因 印度亜
   ゼイ セイ イトワズ イン インディア
   乾陀羅  乾陀羅  愛ノ国 乾陀羅 
    ガンダーラ ガンダーラ アイノクニ ガンダーラ

生きる事の 苦しみさえ 消えると言うよ
  旅立った 人はいるが 余りに遠いー
  自由な その乾陀羅(ガンダーラ)
  素晴らしい 理想郷(ユートピア)

  心の 中に生きる 幻なのかー?
   因 乾陀羅  乾陀羅 
   イン ガンダーラ ガンダーラ
   是 声 否厭 因 印度亜
   ゼイ セイ イトワズ イン インディア
   乾陀羅  乾陀羅  愛ノ国 乾陀羅 
    ガンダーラ ガンダーラ アイノクニ ガンダーラ

    乾陀羅  乾陀羅 
   是 声 否厭  因 印度亜
   乾陀羅  乾陀羅 愛ノ国 乾陀羅 
   乾陀羅  乾陀羅 
   是 声 否厭  因 印度亜
   乾陀羅  乾陀羅 愛ノ国 乾陀羅 
   乾陀羅  乾陀羅  
   是 声 否厭  因 印度亜
   乾陀羅  乾陀羅 愛ノ国 …
 

‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘
原曲の英語詞では、
 ♪In Gandhara,Gandhara
  They say it was in India

「ガンダーラ、それはインドにあったと言う。」
と、意外とあっさりした意味になります。
しかし、これを漢文に置き換えると、

  因 乾陀羅  乾陀羅
  イン ガンダーラ ガンダーラ
  是 声 否厭 因 印度亜
  ゼイ セイ イトワズ イン インディア
「理想の(もと=地)、乾陀羅(ガンダーラ)。 
 そこは 仏教の(もと)である 印度(インド)にある。
 その地へ、苦労を厭わず(避けず)に行ってみたい。
 そんな (正直)なる (願い)が聴こえる。」


このように、より深みが増すのではないかと思います。
苦労を厭わずに、理想の地を訪ねてみたい。
そんな熱い想いが伝わるようです。
偶然か必然か分りませんが、英語詩が漢文に曲がりなり
にも換えられる、まさに天才的英語詩だと驚かされます。
そして、本当にお経みたいになってしまいました。(笑)

さて、ここに “白眉”というべき、名文句が登場します。
辛苦の末に追い求めた理想郷、ガンダーラ。 ところが、
 「心の中に生きる 幻なのか?」
大ドンデン返しであります。
そもそも、そんな自由な 苦しみの無い世界なんて、実在
するはずがない。 夢に描いた世界です。
しかしながら、
それでも夢に向かって 精進を重ねる
その姿こそ尊いのです

夢を描き 理想に向かって、日々コツコツと積み重ねていく。
例え はかない夢でも、理想の地を、苦労を厭わずに求めて
いく。 そんな「ガンダーラ」の“経文”から、改めて教えられる
気がするのです。