日本の歴史は、繁栄と危機とが おおよそ40年
ごとに繰り返されているとする「40年周期説」
その歴史を 600年前からかいつまんで見ていきます。
【繁栄のピーク】 【危機のピーク】
1425年頃 守護大名の成長・発展
1465年頃 戦国時代の幕開け
67年 応仁の乱
1505年頃 戦国大名の群雄割拠
1545年頃 43年 鉄砲伝来
戦国の合戦激化
1585年頃 豊臣秀吉の天下統一
1625年頃 キリシタンへの大弾圧
1665年頃 63年 武家諸法度制定
文治政治への転換
1705年頃 03年 赤穂浪士討ち入り
1745年頃 人形浄瑠璃・文楽の
最盛期
1785年頃 天明の大飢饉、打ちこわし
87年 寛政の改革
1825年頃 文化文政の町民文化
興隆期
1865年頃 幕末の動乱
68年 明治維新
1905年頃 05年 日露戦争勝利
世界5大国入り
1945年頃 41年 太平洋戦争開戦
45年 終戦の混乱
1985年頃 国民総生産世界第2位
バブル経済へ邁進
2025年頃 パンデミック、戦争、天災
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今からおよそ700年前に始まった南北朝の争乱。
それを治めた室町幕府が力をつけて行き、守護大名の成長
に繋がっていきます。
守護大名とは、今でいう県知事が 警察・軍事、領主権など
持って領民をまとめる存在です。
今から600年前、1425年頃には 室町幕府の命を受けた
守護大名が 全国に行き渡って国内を治めていきます。
その後 有力な守護大名の間で争いが始まり、幕府はこれを
抑える力が衰え 戦国乱世に突入していきます。
この戦乱で力をつけてきた戦国大名たちが 諸国を統治して
いきます。
戦国の戦いは 鉄砲の伝来によってより大規模化、激化し、
その一方 戦乱の収束へも結びついていきます。
豊臣秀吉の天下統一によって一応の戦乱は収まり、国内は
経済発展し、ヨーロッパとの交易も盛んになります。
秀吉から徳川幕府へと国内は平定されていきます。
しかし、その中で危機を招く存在がキリシタンでした。
キリスト教そのものは悪くなくても、ヨーロッパ勢力は
キリスト教を先兵として植民地化を狙っていたのです。
そしてキリシタンへの弾圧強化が始まります。
こうして国内外の大きな争いは消え、武力による統治が
転換していきます。学問を尊重し、法制や制度によって
治める 文治政治の始まりです。
この時代は華美な元禄文化が熟成していきますが、そこに
赤穂浪士討ち入り事件が起きます。
町民文化が栄える一方で、天災や幕府への不満が噴出した
時期に起きた討ち入り事件。幕府はこれを武装集団による
反乱とみなして 危機感を持った訳です。
赤穂浪士たちは非業の最期を遂げます。
が、その忠義の心、武士道精神は 太平の世にあった人々に
非常な感銘を与えていきます。浪士たちはヒーローとなって
心に刻まれ、後世に語り継がれていきます。
それが 歌舞伎や人形浄瑠璃という形で残され、一大文化に
発展していきます。
繁栄を促した文治政治にもほころびが出てきて、賄賂の横行
とか政治の腐敗が現れます。そこへ大飢饉が襲い、一揆や
打ちこわしが激発、幕府は危機に立たされます。
そこで寛政の改革により 質素倹約や福祉の政策が行われます。
が、厳し過ぎるなど批判を浴び 道半ばで終わります。けれど、
この時の政策が 明治以降に活かされたと言われます。
寛政の改革の反動から、後の文化文政時代は 町民の華やかな
文化が巻き起こります。
表面の泰平の裏側で、海外列強の日本侵攻が進んでいきます。
開国か攘夷かで大揺れの 幕末の動乱期です。
日本は長く培われた町民文化や武士道精神でこれを乗り切り、
近代国家へと成り立って行きます。
そして 日露戦争の勝利は世界に衝撃を与えます。
その日露戦争の成功体験が 次は裏目に出てしまいます。
太平洋戦争での巨大戦艦主義とか、誤った精神主義、情報戦
の遅れなどです。 日本は敗戦の混乱を迎えます。
しかし、大戦で培ってきた工業力が 今度は自動車産業や家電
機器、工業製品などに活かされます。
そして世界第二位の経済大国に。
その経済力が残念ながら 偏ったカネの運用、資本主義の歪に
陥ってしまった。それが現在の危機の元凶のようにも思えて
きます。
*
以上、極めて大雑把に 過去600年の歴史をまとめてみました。
ここから読み取れるのは、
「繁栄の中に 危機の種が潜み、
危機の中に 繁栄の種がまかれる」
という教訓です。 繁栄と危機は別々のものではなく、常に
繋がっていると思います。
もう一つ言えば、
危機に在っては「火事場の馬鹿力」が働くが、
泰平に在っては「のど元過ぎれば熱さ忘れる」
これは何ともし難い ”人間の性”だと思えてきます。
繁栄から40年を迎えた現在、危機の時代をどう過ごせば
良いのか? どのような心構えが大事なのか?
次回、その考えを述べてみたいと思います。