アルバム「電子粉砕神罰」楽しんでいただけているでしょうか?

以前、X-TREME HARD BLOGに掲載させて頂いたものをほんの一部だけ直してこちらにも掲載することにしました。



「電子粉砕神罰」アルバム解説


3枚目のフルアルバムとなります。
「デジタルグラインドコアとは何ぞや?」という自問自答の末に産まれ落ちた本作。やりたい放題だった前作に比べると幾分、方向性が定まり落ち着いた仕上がりになりました。

今回は未熟ながら歌詞に初挑戦ということで、多少テーマ性も加わりました。
気付けば私も30歳になってしまいました。
ここ2年、28になったくらいから20代前半~中盤あたりをテキトーに生きてしまったツケというのが一気に押し寄せてきて色々と厳しい選択を迫られる事が多かったんですね。ロクでもない事ばかり続く中で「こりゃ罰が当たったな」と何度も思った訳です。
そんな自虐を精一杯に込めて送り出したのがこの「電子粉砕神罰」になります。

10年前の自分へ贈る警告文。

1.神罰
春頃に誕生、アルバムの方向性を定めた本アルバムのメイン曲。
ストレートな曲構成でとにかくギャーギャー叫びたくて作りました。
20代前半の無知だった自分に送りつけるようなイメージで歌詞を作っていたら、この曲を筆頭にどうにも説教臭い内容が多くなってしまいました。

2.Back To Hell
ここでいう「地獄」というのは音楽シーンのことですね。
「仕事やら家庭の事情で1年ほど音楽と距離をとっていたけど、帰ってきたぞ!」という曲です。
これも久しぶりに作った曲ということでかなりストレートなものに。


3.40週後
もともとはクリスマス配布用に作った曲なんですが、ブラッシュアップしてアルバムにも収録することに。
「クリスマスで浮かれて避妊を怠り、そして生命が誕生する」という曲になります。まぁ、ステキ!
40週とは出産予定日として1番多いと言われている週。
ちなみにタイトルは映画「28週後」から拝借。


4.自罰
「イントロでベースだけ鳴ってる曲を作ろう」というテキトーな理由だけで作られた1曲。
なのですが、意外と気に入ってたりします。(気合入れたやつよりテキトーに作ったやつのが気に入るのはよくある話)
特に意識はしてなかったんですが、私の敬愛する2000年代以降のモダンなグラインドコアの要素が滲み出てしまっております。

5.因果応報
ダンスナンバー.....のつもりです(笑)
タイトルは映画「修羅雪姫(梶芽衣子版)」から。
これまた特に意識はしてなかったんですが、1st,2nd共にタランティーノ映画ネタで1曲作ってた.....というのを本アルバム制作終盤で思い出し、丁度「女囚さそり」シリーズにハマっていた時期だったのでキルビル繋がりで梶芽衣子ということに。


6.救いはない
「ブレイクでドーンと落として、みんなでなんか叫べる曲を作ろう!」
その結果が「救いはない」。自分の根暗っぷりが嫌になりますね。
ボーカル録りに苦戦した1曲。というのも本アルバムでは「日本語歌詞で早口」という要素を初導入。
これがもう本当にサッパリ上手くいかない(笑)
結局、当初予定していた倍くらいの時間をボーカル録りに使ってしまい制作はかなりギリギリでした。


7.Treadmill Of Torture
2000年代に出現した所謂モッシュ・ゴアグラインド(というかCock And Ball Torture)を意識して制作。
モッシュゴアはそのテンポやビート感からクラブミュージックと親和性が高いはずなんですが、あまり混ざっているのを聴いたことがなかったので挑戦してみました。
ということで当初はもっとピッチシフトかましてゴボゴボのローボーカルをぶち込む予定だったのですが、いざ入れてみるとどうもしっくり来ない....。そしてこの曲だけ唐突にピッチシフトボーカルが出てくるからアルバム通しで聴くと変に浮いちゃうような気がしてならない。

ってな訳で最後まで悩んだ末、結局オミット。ゴア感は薄めに....。


8.Sweet Sweet Suicide
問題作その1。
その中身は是非ともご自身の耳で確かめてください。割とタイトルそのまんまです。
この曲の制作にあたり、UKハードコアを参考にして試しに作ってみたのですが.....難しい!全然それっぽくならないんですよね。
こういう普段作らないジャンルに手を出すといつも痛感しますが、簡単に作れるジャンルなんて存在しません。
色々作ったり研究したりしてると、第一線で活躍してるクリエイターの凄さを思い知らされますね。


9.No Country For All Men
リヴァプールの残虐王ことCarcassの名曲「Genital Grinder」のようなイントロ曲にしたかったのですが、
あれこれと要素をブッ込んでいる内にDjent風なよくわからないものになってしまいました。
タイトルは映画「ノーカントリー」より原題の「No Country for Old Men」を拝借。名作なんで見ましょう。


10.Love Is Eternal
映画「愛のむきだし」より満島ひかりが新約聖書よりコリントの信徒への手紙一第13章を3分近くに渡って絶叫するシーン。
このシーンの衝撃たるや凄まじいものでして、私はこの満島ひかりに1発ノックアウトされてしまったのであります。
そんな満島ひかりへの愛を込めて作ったのがこの曲になります。本当はもう私のしょぼいボーカルなどは入れず、満島ひかりの声をそのまま使ってしまいたいくらいだったんですが、それは色々とマズイので断念。

ちなみにOZIGIRIのライブ中にこのシーンの音声を延々垂れ流しにした事がありますが、エライ空気になってました。悪い意味で。


11.暴力的過保護者
その昔Miyoco is not deadという曲を作ってそこそこ思い入れがあったのですが、ネタがネタなのでアルバムには入れてなかったんですね。じゃあネタ抜きアレンジして使っちまおうという事で作り始めたものの、あれよあれよと別物に。結局、僅かながらに面影を残したものの完全新曲になりました。
アルバムの中で最も明るい曲(自分の中では)。

12.玉砕前夜
問題作その2。
アルバム制作における曲のバリエーション問題を解決する為、遂にあの禁忌「歌モノ」に手を出したのです。とは言ってもフツーの歌モノとは程遠い異形のサウンドと化していますが....。
曲を編集してて「どんなネタよりも自分が歌っているという事実が1番笑える」という奇妙な感覚に陥りました。


13.玉砕前夜 (Party grind mix)Remixed By m1dy
恐悦至極!なんとあのm1dyさんにリミックスしていただきました!
問題作のリミックスらしい超変化球でm1dyさんの意外な一面を見れる怪作となりました。
普段m1dyサウンドに親しんでいる人ほど是非聴いて欲しい。私は想像の斜め上すぎてかなりニヤついてしまった。


以上、アルバムの解説でした。
音源を手にした方に楽しんで頂ければ幸いです。