85歳女性
≪主訴≫
太極拳をやっていた時に左大腿部及び左膝関節に激痛が走り歩けない状態。
左の荷重での痛み(++)左膝関節伸展(++)
グラスピングテスト(-)
≪原因≫
太極拳でのゆっくりした動作中に左足重心となり、大腿筋膜張筋を受傷。
痛みは大腿筋膜張筋部ではなく、大腿筋膜張筋が移行する腸脛靱帯部に痛みが出ていた。
大腿筋膜張筋は不思議な筋肉です。
普通筋肉は腱になります(筋肉→腱)ところが大腿筋膜張筋は筋肉から靭帯になる特殊な筋肉です。(筋肉→靭帯)
筋肉は『関節を動かす役目』を持っています。
筋肉は『収縮する作用』しかありません。
例えば肘で言うと肘を曲げるのは上腕二頭筋。そして肘を伸ばすのは上腕三頭筋です。
必ず拮抗筋といって、その作用とは逆の作用の筋肉が存在します。
例えば腰の筋肉の拮抗筋は腹筋です。
ですから腰痛がある人は腹筋が弱い!…とよくテレビでも言われる訳です。
靭帯は『関節がこれ以上変な方向に曲がらない様に留めておくロープの様な存在』の役目を持っています。
無理な運動や急な動作などによって限界を超えてブチッと切れます。
よく膝がそうですね。
…という訳で、大腿筋膜張筋は身体のバランスが外に逃げない様&骨盤を広げない様にする重要な役目をもつ筋肉です。体重も支えています。
例えば腸脛靱帯と大腿筋膜張筋が人体に存在しなかったら人類全員がガニ股で骨盤が開き上半身は細いけど下半身が異常に大きい生物になると思います。
≪ペインスケール≫
1回目…大腿筋膜張筋に鍼治療及び手技療法を加えた。
2回目…大分痛みは軽減し、2回目は異構造接合部である大腿筋膜張筋と腸脛靱帯の境目に施術
3回目…痛み0、完治。
≪まとめ≫
今回は部位的には股関節&膝関節の治療だったので、当院独自の部分針治療にて毎日治療させて頂きました。
患者様の笑顔がみられてよかったです<m(__)m>
PS
最近『治療のクオリティ』にこだわる患者様が増え、更に自由診療の患者様が増えました。
当院もベッドには完全にボディクッションを2つ追加しました。
(このクッションこう見えて良いベッドが買える位高いんです……心の言葉(笑))
燃えますね!
(熱!)