前回の記事では、有名な先生が境クリニックスタッフの眉下切開の傷跡を見て「何で眉毛の中に傷が入っているの?どんな医師の傷跡でも眉毛の下に離れているのに?」とビックリされた話でした。
確かに眉下切開の画像では眉毛から下に傷跡が離れて眉毛とは無関係に瞼に傷跡がある人がほとんど・・でも、わざと眉毛から離して切る医者はいないので、全員眉下ギリギリで切っている。それでも創縁の毛根が死んで眉毛が抜けて行くので眉毛から下に離れた傷跡になる。そして、私の眉下切開では本当に100倍くらい細部にまでこだわって切って縫っているという話でした。
今回はわたくしが切って縫うということで勝負したいと強く思うようになったルーツを思い出してみます。
ちなみに私は今でも猪が出るような九州の田舎のサラリーマン家庭出身で、母は洋裁の縫い子をしていました。縫い子と言っても・・小学校や幼稚園の制服を内職で作る1枚100円のような仕事です。
わたくしが縫うことが得意なのは遺伝もあるのかもしれません。
優劣が分かりにくいことでは立ち振る舞いに品があったり、賢く見える人が圧倒的に有利です。
地方サラリーマン家庭出身の凡人であった私は自然とにじみだすような知性も品性もなかったこともあり・・自己分析するに・・上司から評価されにくい体質だと自覚していました。そのため、人から分かりやすいことで勝負したいって気持ちがとても強かったようです。
わたくしが、傷をきれいに切って縫うことって巨大なニーズがあって誰からも分かりやすいことに気付いたのは瘢痕形成(傷跡修正)を行うようになってからでした。皮膚を切って縫うような外から見える分野では素人でも優劣が分かりやすいですよね。
形成外科の手術でマイクロや骨切りがすごいなって思っていても、ヨットやフェンシングをしたことがない人が試合を見た場合のように、他の分野の医師にとっては、どれくらいすごいことなのか実感しにくいと思われます。
100mを9秒台で走るってことと似ていて・・縫合を見るとどれくらいの実力なのか分かります。
しかも、腕自慢の医師ほど違いを分かってくださっていると思います。
画像は眉下切開の抜糸前
画像は眉下切開の手術から1年後
ここで、形成外科専門医の先生からご質問があったので剥離についても述べたいと思います。
わたくしはたぶん日本一剥離がきらいな形成外科医です。ほとんど剥離しません。
形成外科の常識では剥離が足りないと引っ張られるので張力が強く幅広い傷跡になったり
インバートするので溝状の傷になりやすいとされています。
でも、わたくしの場合、眉下切開では眉頭の睫毛側をわずかに剥離するだけです。
しかも、ハサミで皮膚を切り取るついでのような雰囲気で少しだけ剥離するので
見学の先生も剥離しなかったですよねっていつも言われます。
剥離面積に比例して出血や死腔が増えるので血種や感染は相乗的に増えてしまいます。
わたくしは縫い方の工夫だけでほとんど何とかしているというわけです。
画像の赤い部分が剥離範囲
眉下切開についてはこちら
https://www.problem-eyelid.net/
https://roppongi-sakai-clinic.com/guidance/eyelids/
https://roppongi-sakai-clinic.com/faq_mayushita/
費用
まぶたの手術を受けたことがない方 400,000円(まぶたの手術を受けたことがある方 45〜60万円)、その他にかかる費用 麻酔代:無料 安全対策と施術のクオリティーのため、すべて局所麻酔で行っています。 お薬代:約3,000円 初診料:3,000円 採血検査代:12,000円また、二重ラインの手術を受けたことがあるかたは二重ラインの修正手術(30万円)を追加することがあります。二重ラインの追加手術は全体の6.5%です。
リスク・合併症など
メジャーなもの内出血・腫れ まれなもの知覚麻痺・痛み・しびれ・違和感、キズ・傷跡が目立つ、アテロームやミリウム もっとまれなもの感染
肥厚性瘢痕になることは