感染や異物反応をふせぐために | たるみ治療Dr境のブログ

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美容外科医・形成外科専門医 境が
日々の症例を解説いたします。

スプリングスレッドリフトにおける
感染や異物反応への対策についてですが


手術当日の朝はシャンプーをしてきていただきます。
そして、少し剃毛後、洗顔していただきます。
剃毛部をよく洗髪してから手術を開始するようにしています。


また、手袋に付着したうぶ毛やほこりが糸に付着しないように
スプリングスレッドの針の部分だけを把持し
糸の部分を手袋で触らずに鑷子でしか触らないようにしています。


手術中は、無影灯の下で、よく観察して
うぶ毛やほこりを糸と一緒に体内に入れないように気を付けています。


この対策を徹底するようになってから
感染の発生率が、およそ5分の1に減りました。


当初、感染の確率が意外に高く、何度もめげそうになりましたが、
豊胸のために巨大なシリコンを胸に入れている人がいることを考えると
どう考えてもポリエステル骨格・シリコンコーティングの糸が
そんなに危険なはずはないと思いました。


ポリエステルもシリコンも50年以上生体に使われている
安全性が売りの素材です。


無影灯の下でスプリングスレッドを観察していて気付いたのですが
どうもほこりのようなものが付着しやすいようです。


このため感染や異物反応は体質や糸の素材のせいではなく
手術中に毛の切れ端やうぶ毛が混入したために違いないと確信しました。


髪の毛をよけても下草のようなうぶげがあるので
剃毛は意外と重要に思えます。


患者さんや糸のせいではなく
医者(わたくし)のせいだった
というのが結論でした。





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