牡蠣でできた島!?
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北海道の東南部、釧路と根室の中間に位置するカキの産地として有名な厚岸(アッケシ)。
厚岸湾から砂嘴(さし)によって別れた厚岸湖の中央には「牡蠣島」呼ばれる島が存在していました。
牡蛎がたくさん獲れるからそう呼ばれるんでしょう?
たしかに牡蠣の産地ではありますが、それだけではないのです。
じつはこの島、すべて牡蠣でできているのです。
巨大な「汽水湖(塩分の少ない海水湖)」である厚岸湖には、大小さまざまな浅瀬があり、潮の干潮によって水上にあらわれます。
そのいずれの浅瀬も、カキの貝殻が自然に堆積してできたものなのだそうです。
ここは潮の流れが集まるところで、牡蠣の種も流れてそこに集まってきたのと、元々、牡蠣は密集して育ちます。
しかも一度付着すると、その場から死ぬまで自ら移動することのない。
誰も獲らないと、産卵後、その牡蠣自体に付着し次の牡蛎が成長するのです。
また、海水を吸い込み成長するので、隣の牡蛎の邪魔にならないように、垂直、つまりは牡蠣の上に付着し上に上にと重なっていくのだそうです。
そして、堆積した牡蠣が浅瀬となり、干潮時には水上にあらわれ大きな島のようになる。
すべてがカキでできた島、牡蠣島。
それを地元の漁師の方たちはそう呼んでいるそうです。
昔はいまよりも大きく、上にお店などもあったのだとか。
2010年1月現在は、浅瀬自体のことを牡蠣島と呼び、神社が建っているのみで、島自体は沈んでしまい水上に見えることはないとのです。(厚岸のオイスターマイスター・クロガレイ氏 よりの情報)
ちなみにこの牡蛎が積み重なってできた島は、厚岸湖のものが有名なだけで、東京湾をはじめ、日本全国、さらには世界各国いたるところにあります。
カキが積み重なって浅瀬や島を形成した場所は、サンゴ礁と同じように独自の生態系を生む礁となることから世界的には「カキ礁(オイスターリーフ)」と呼ばれており、アメリカではカキの堆積地を意図的に作ることで、海の水質浄化や環境改善に役立てる「オイスターガーデニング 」という活動も行われております。
食べられる食べられないは別にして、海があれば基本的には牡蠣は生存できるうえに、海を浄化して、さらには生態系を取り戻すことができる。
まさに奇跡の食材なのです。
【情報】
・オイスターマイスター☆クロガレイさん
・オイスター協会調べ
【バージョン】
2010-08-12改訂
2010-01-30公開
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