虹とクローバーの頃 | ずっこけ北の家族

虹とクローバーの頃

 いーちゃんが妻のお腹の中に宿った時の事。今から約6年前。

ある日の朝、私が会社に行く準備をしていると「赤ちゃんが出来たかも」と妻が言った。

私は小躍り・・・いや大踊りして喜んだ。そして昼休みを利用して、妊娠検査薬を薬局で買い求めアパートに帰り、早速試した。

結果は「妊娠」私はまた大踊りした。その日仕事で車を走らせていて、昔独身時代住んでいたマンションを通り過ぎようとした時、大きな虹が見えた。理由はないが妊娠を確信した。病院でもやっぱり結果は同じで妊娠していた。

私は平日が休みなので定期的な病院通いはすべて一緒にいった。お腹が少しずつ大きくなってきてうれしかった。病院の帰り公園の芝生に座ってのんびり足を伸ばしていたら、私の手の隣に四葉のクローバーを見つけた。「元気に産まれてくるぞー!これは」2人とも口には出さないが初めての妊娠でお互い不安だったが、科学的根拠はないが、大丈夫と自信を与えてくれた。

いーちゃんは2650gとちょっと小さかったが無事に産まれて来た。なんとなく虹とクローバーが「はら、大丈夫って言ったっしょ!」ていっているような気がした。

3年後かーくんが妻のお腹に来た時、初めて病院に行って「妊娠」を確認し、お祝いに回転すしでも行こうとなった。もう少しで3歳になるいーちゃんも一緒だった。回転すしに行く途中の車の中で、また虹を見た。

妻にはいーちゃんの時虹を見た話をしていたので、「また無事に産まれてくるね~凄いね~」と話していた。

また虹を見たからには、是が非でも四葉のクローバーを見つけなければ・・・ということで、妻を病院に車で送り、その間病院の近くの公園でいーちゃんと四葉のクローバー探しをした。

「四葉のクローバってお守りになるんだよ、いーちゃんがお母さんのお腹の中にいる時、お父さんが見つけてお母さんにあげたんだ。」

「じゃーまた見つけて、お母さんにあげようね」

「お母さん、きっと喜ぶよ!」「元気な赤ちゃん産まれて来るよ!」


1時間程でやっと四葉のクローバーを見つけ、病院から出て来た妻にあげた。

その後、かーくんが大きめの3400gで産まれて来た。

今2人とも多少のアレルギーはあるが、毎日元気に奇声を発しながら家の中を走り回っている。

いーちゃんはもう少しで6歳、かーくんはもう少しで3歳。

虹とクローバーは夫婦として頼りなげに歩み始めた私たちに、勇気と希望を与えてくれ、心の支えになってくれた象徴である。

人間ってヘンな理由で自信を持つ事もある。