大陸から移動性高気圧が進んできて、冬型気圧配置が残る北日本と東日本日本海側を除いて穏やかに晴れてきています。最高気温の予想も平年より高く、一転してポカポカの陽気になりそうです。明日も大陸からの別の移動性高気圧によって概ね晴れる見込みです。

 

 

 

さて、本日の気象庁の週間予報資料、および各国の予報資料によりますと、週末の23日は発達する低気圧によって北日本を中心に大荒れの天気になる恐れがあります。中部山岳も日本海側の山は要注意と思います。23日に低気圧から伸びる寒冷前線が通過した後、24日前半まで冬型気圧配置が続くため、中部山岳の日本海側の山は暴風雪になる恐れがあります。最新の気象情報に注意して、慎重な行動をお願いします。寒気が厳冬期ほど強くないため、北陸の平野部では荒れなくても北アルプス北部の3000m稜線では大荒れということはよくあります。麓の天気予報での判断は危険と思います。

また、26日にも日本海低気圧が発達しながら通過する予想で、低気圧から伸びる寒冷前線通過後の26日後半から西回りの強い寒気が入るため、28日前半にかけて中部山岳は日本海側の山を中心に大荒れになる可能性があります。その後はNOAAによると正月早々に次の強い寒波が来る可能性がありますが、こちらは現時点ではまだかなり不確実です。

 

以下に気象庁の12/18の週間予報資料とAM11時の週間天気予報に基づいてお天気のシナリオをまとめてみます。地上天気図、850hPa気温推移と併せてご覧ください。

 

気象庁HP 週間天気予報
※詳細予報資料はすべてSunny Spot専門天気図にあります。

 

<12/19(月)>

移動性高気圧が進んできて、全国的に概ね晴れる予想になっています。

 

<12/20(火)>

高気圧が東海上に抜けて、日本付近は高気圧背面(西側)の湿った空気が入りやすくなります。東日本は晴れるところもありますが、北日本と北陸は日本海の小低気圧によって後半に雨が降るところがあります。九州と沖縄・奄美も雲が広がりやすく、九州では雨が降るところがある見込みです。

 

<12/21(水)>

前半に北日本をトラフ(上空の気圧の谷)が通過、その影響で北日本と東日本日本海側は雲が広がりやすく雪(北海道)や雨が降るところがあります。東日本太平洋側は概ね晴れ。西日本と沖縄・奄美は、高気圧縁辺の湿った空気の影響で雨が降りやすいお天気です。22日にかけて気温が上がりますので、多雪地帯では雪崩に注意です

 

<12/22(木)~12/23(金)>

日本付近にトラフが深まりながら進んできます。対応する低気圧が発達しながら日本海を進み、23日には更に発達して千島付近に進み強い冬型気圧配置になります。その影響で22日は全国的に雨が降り、23日は北・東日本を中心に雨が降る見込みです。発達する低気圧の影響で北日本を中心に荒れた天気になる恐れがあります。中部山岳も日本海側を中心に要注意です。

 

<12/24(土)~12/25(日)>

24日前半までは冬型気圧配置が続きますが、大陸から移動性高気圧が進んできて後半は冬型が緩みます。24日は北・東日本の日本海側では寒気の影響で雨や雪が降りますが、その他の地方では湿った空気の影響で曇る沖縄・奄美以外は概ね晴れ。25日は高気圧が東に抜けるため、北・東日本は晴れるところが多いですが、西日本は雲が広がりやすいです。

 

※週後半のお天気は予報の信頼度が最低ランクのCになっているところが多いです。お出かけ前には、最新の気象情報のご確認をお願いします。

 

 

 

【地上天気図】(週間アンサンブル予報図FEFE19)
上段:12/20-12/22、下段:12/23-12/25の21時
ハッチングは前24時間に5mm以上の降水の予想域

 

 

【85hPa気温推移】(週間予報支援図(アンサンブル)FZCX50)
上から北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美の代表地点の気温偏差
ピンク:平年より2℃以上高い、青:平年より2℃以上低い

 

 

 

まず、23日の発達する低気圧について解説いたします。23日は発達する低気圧と、そこから伸びる寒冷前線によって平地でも天気が崩れるため誰もが用心するのですが、問題は寒冷前線の通過後です。24日朝9時の500hPa気温・850hPa気温の予想図(上図)によると中部山岳は850hPa(標高1500m)で-6℃ですので、1000mあたり6℃気温が下がるとして、3000m稜線は約-15℃になります。さらに問題は風で、中部山岳3000m稜線に相当する700hPa(中図)では中部山岳付近では約20m/sの強風が予想されていて、風速1m/sにつき体感温度が1℃下がるとして体感温度は-35℃になります。日本海側の山では降雪もありますので、山域にもよりますが暴風雪になることを想定して慎重な行動をお願いします。700hPa天気図は一般には公開されていませんが、週間予報資料FXXN519の500hPa高度・850hPa気温の予想図(下図)で23日夜の500hPa等高度線の間隔が本州付近で非常に狭くなっていることから、ある程度は推測が付きます(等高度線の間隔が狭いほど、等高度線に沿って強い風が吹くため)。

 

 

 

 

この後ですが、最新のNOAAの予想では、年末の27日頃の寒波の次の寒波は、元旦早々にずれる予想です。まだ非常に不確実ですが、年越し登山を計画されている方は特に日本海側の山では大荒れの天気もシナリオの一つとして念頭に置いてください。 今後も最新の気象情報にご注意ください。(添付図は850hPa天気図です。色分けは850hPa気温)