連休中日の今日は、移動性高気圧が日本の南海上に進んできて西日本から東日本で冬型気圧配置が緩んできて、大平洋側を中心に晴れているところが多いです。今朝も下層寒気や放射冷却の影響で冷え込んで、茶屋(鳥取県):-9.8℃(平年差-5.5℃)、紫波(岩手県):-12.7℃(平年差7.0℃)など今季最低を更新したところが多数あります。

 今夜にかけて日本海の低気圧は北海道を通過、低気圧から伸びる寒冷前線が東北や北陸を通過します。低気圧や前線の通過に伴い、強風、高波、大雪、落雷に注意が必要です。また低気圧と前線の通過後は冬型気圧配置が強まり、日本海側の地方を中心に強風、高波、大雪のや恐れがあります。気象庁から今朝「大雪と低温に関する東北地方気象情報 第1号 」が発表されており、「東北地方の上空には強い寒気が入っており、12日昼前から13日夜遅くにかけて大雪となる所がある見込みです。また、14日にかけて気温の低い状態が続くでしょう。大雪による交通障害や水道管の凍結などに注意してください。」と呼び掛けています。


地上天気図




 気象庁の数値予報(MSM:メソ数値予報モデル)による1/12 7時から1/13 15時の間の33時間降雪量図を添付いたします。日本海側を中心に降雪量の予想が70cmを超えるところがあります。北アルプスでは大雪、暴風雪、新雪による表層雪崩に警戒が必要と思います。降雪量が増える前に下山するなど、慎重なご判断をお願いいたします。明日、成人式を迎えられる方もみえると思いますが、北陸以北の日本海側では生憎のお天気のようです。


MSM降雪量図





 さて、本日の気象庁の週間予報資料によりますと、15日頃のトラフ(上空の気圧の谷)の通過に伴い気圧の谷ないしは低気圧が日本の南海上を進みそうです。この降水域がかかれば、関東だけでなく東海や西日本大平洋側でも雪になる可能性があります。このトラフは先週の気象庁による264時間先の数値予報ほど発達しませんでしたが、代わりに南岸低気圧による雪という楽しみ(?)が出てきました。日欧の予想対決は、残念ながらヨーロッパ中期予報センターに軍配が上がりましたが‥。まずは気象庁の1/12の週間予報資料 とAM11時の週間天気予報に基づいてお天気のシナリオをまとめてみます。地上天気図、850hPa気温推移と併せてご覧ください。


気象庁HP 週間天気予報



1/13(月)

 低気圧が千島付近を東に進み、北日本を中心に冬型気圧配置が強まります。北日本と日本海側では雪が降りやすく、北陸以北の日本海側では大雪になる恐れがあります。大平洋側では晴れるところが多いですが、地上の気圧の谷の影響で雲が広がるところもあります。沖縄方面は、地上の気圧の谷によって北東風と東風が収束して(ぶつかって)、雨が降りやすいお天気の見込みです。


1/14(火)

 トラフ(上空の気圧の谷)の接近に伴い、降水域を伴った地上の気圧の谷も日本の南海上を進みます。その影響で沖縄・九州・四国は曇り一時雨(または雪)、近畿・中国は曇り、東海・関東甲信は晴れのち曇り。北陸以北の日本海側と北海道は曇り時々雪。東北日本海側は晴れ。沖縄方面は、以降は気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすいお天気が続きます。


1/15(水)

 低気圧または地上の気圧の谷が南岸を東北東に進みます。降水域が南岸にかかるため、近畿から関東の南岸の地方では雪または雨が降りそうです。今日の時点では降雪量は多くない見込みで、ひょっとすると降雪予想は空振りの可能性もあります。北日本は冬型気圧配置が続きますが、前日よりは降雪は弱まりそうです。


1/16(木)~1/19(日)

 冬型気圧配置が続きますが、特に強い寒気の南下は予想されていないです。北陸以北の日本海側を中心に雪が降りやすく、大平洋側では概ね晴れる予想になっています。


※週後半のお天気は予報の信頼度が最低ランクのCになっているところがあります。お出かけ前には、最新の気象情報のご確認をお願いします。



【地上天気図】(週間アンサンブル予報図FEFE19)
上段:1/14-1/16、下段:1/17-1/19
ハッチング部は前24hに5mm以上の降水量が予想されている領域


地上天気図



【850hPa気温推移】(週間予報支援図(アンサンブル)FZCX50)
上から北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美の代表地点の気温偏差
ピンク:平年より2℃以上高い、青:平年より2℃以上低い


850hPa気温推移





 今週の焦点は、14日から15日のはっきりしない南岸低気圧で雪が降るかどうかです。今日の週間手予報では、1/15の東京地方は曇り一時雪か雨、1/14の高知県は曇りのち雨か雪になっています。大阪や名古屋は降水域がギリギリのため、15日は曇りの予想です。


週間天気予報_東京

週間天気予報_高知





 気象庁のGSM(全球予報モデル)による雪雨判定図を作成してみると、やはり微妙です。上から1/14 21時、1/15 3時、1/15 6時の予想図です。降水域が少し南にずれると、もう何も降らない状況のようです。


GSM雪雨判定1421

GSM雪雨判定1503

GSM雪雨判定1506





 ちなみに今回の南岸低気圧で普段は雨になる地域でも雪が予想されているのは、しばらく冬型気圧配置が続いていて下層寒気が滞留しているためです。添付は1/15 3時の1000hPa気温の予想図で、ほぼ地上の気温になります。地上で3℃以下であれば、雨は雪に変わり始めます。東京のように0℃以下なら文句なしに雪です。冬型気圧配置によって地上付近がキンキンに冷やされたところに南岸低気圧が通過するパターンで、2011年2/11には奈良11cm、大阪5cm、名古屋3cmの積雪になりました。


1000hPa気温




 ただし、ヨーロッパ中期予報センターの2/14の予想図 では気圧の谷や南岸低気圧は予想していませんし、COLA(米国海陸大気研究センター)の2/15の降水域の予想図 では日本の南岸に降水はかかっていません。今度は日米欧の対決になりますが、軍配はいかに?


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