上空5100mで-40℃の寒気を持つ寒冷渦(寒気を持つ上空の低気圧)がオホーツク海に停滞しており、日本付近は強い冬型気圧配置が続いています。この強い冬型気圧配置は12/27まで見込みで、北日本から西日本の日本海側の地方では大雪に対する警戒が必要です。また北海道の日本海側では暴風雪、北海道と北陸の海では大しけになりますので、今後の気象情報には十分ご注意ください。


気象庁HP 全般気象情報 (大雪と暴風雪及び高波に関する情報発表中)




さて、本日の気象庁の週間予報と240h先までの予想図を公開しているヨーロッパ中期予報センター の天気図を総合すると、12/30ころに今年最後のそれほど強くない寒波が来て、その後の正月三が日は比較的穏やかな日になりそうです。まずは、1週間のお天気のシナリオをまとめてみました。



12/26(月)

オホーツク海の寒冷渦はゆっくりと東に進み始めますが、日本付近の強い冬型気圧配置は続きます。850hPa(上空1500m)の-9℃線が九州から本州の辺りに停滞しており、厳しい寒さが続きます。全国的に風が強く、北日本から西日本の日本海側の地方では、引き続き大雪に対する警戒が必要です。太平洋側の地方でも、東海地方や西日本で雪雲が流れてきやすい地方では積雪となりそうです。


12/27(火)

オホーツク海の寒冷渦は次第に東に進み、西から冬型気圧配置が緩み始めます。太平洋側の地方では晴れるところが多く、日本海側の地方でも次第に天気は回復する見込みです。


12/28(水)

日本付近を移動性高気圧が通過します。東日本の太平洋側を中心に晴れそうです。北日本は寒気が残り、雲が多い天気で雪が降るところがある見込みです。また、日本海に低気圧が発生するため、日本海側の地方では雲が多い天気になる予想です。


12/29(木)

寒冷渦がサハリン付近まで進んできて、対応する地上低気圧が発生する見込みです。850hPaで-6℃の寒気が東北南部まで南下してくるため、北日本や北陸では雲が多い天気で、雪や雨が降るところもありそうです。また、南岸にも低気圧が発生するため、太平洋側の地方でも雲が多い天気の予想です。


12/30(金)

寒冷渦と一体になった地上低気圧はゆっくりと千島方面を東に進み、日本付近は再び冬型気圧配置になります。850hPaで-6℃線は、関東の南まで南下してきます。日本海側の地方では雲が多く、雪か雨が降りやすい天気です。太平洋側の地方でも南岸に前線位相があるため、雲が多い天気の予想になっています。


12/31(土)

寒冷渦はカムチャッカ方面に遠ざかり、日本付近を移動高気圧が通過します。日本海側の地方では寒気が残り雲が多い天気ですが、太平洋側の地方では晴れる予想になっています。


1/1(日)

日本付近は気圧の谷となって、雲が広がりやすい天気です。日本海に低気圧が発生する可能性がありますが、まだ不確実です。




それでは、12/27から1/1の地上天気図で1週間の天気の流れを見てみましょう。12/27は低気圧が次第に東に遠ざかり、西から冬型気圧配置が緩んできます。12/28は日本付近を移動性高気圧が通過します。12/29は、サハリンと南岸に低気圧が発生します。12/30にはサハリンの低気圧が発達して、日本付近は西高東低の冬型気圧配置となります。12/31はサハリンの低気圧は東に進み、日本付近を移動性高気圧が通過します。1/1は移動性高気圧が東に遠ざかり、日本付近は二つの高気圧の間の気圧の谷となります。


ペンギンおやじのお天気ブログ-地上天気図




12/30ころの年末最後の寒波ですが、どうも東日本を中心に冷え込むようです。850hPa気温の推移を見てみましょう。12/30から12/31にかけて、東日本代表の館野で平年より4から6℃低い予想になっていてます。


ペンギンおやじのお天気ブログ-850hPa気温推移




次に、12/30の高層天気図を見てみましょう。左図は500hPa天気図で、実線は500hPa等高度線を表しており、地上天気図の等圧線と同じ意味です。千島付近にあるLが寒冷渦で、この直下に地上低気圧があります。右図は850hPa天気図で、実線は等温線です。850hPa気温に9℃を足すと、ほぼ地上の気温になります。雪になる目安の-6℃線は東日本を中心に南下しており、関東南岸まで下がってきています。

今のところ12/29の南岸低気圧はあまり発達しない予想ですが、降水域の広がり方と寒気の南下のタイミングによっては12/29夜から12/30朝にかけて関東に雪が降る可能性もあると思われます。


ペンギンおやじのお天気ブログ-高層天気図1230




さて、正月三が日ですが、ヨーロッパ中期予報センター (ECMWF)の予想図によりますと、どうやら強い寒気が入ることはなさそうです。次の気圧の谷がくるタイミングが気象庁の予報と少し違っており、この期間はECMWFの数値予報も気象庁と同様に予想のバラツキが大きいと思われるため、天気については何とも言えないのですが、少なくとも強い寒気が南下してくることだけはないようです。代表として、1/2のECWMFの高層天気図を添付いたします。実線は500hPa高度、色分けが850hPa気温です。850hPaの-4℃線は東北北部を横切っています。予想通り、穏やかな年末年始であることを心から願っています。
ペンギンおやじのお天気ブログ-ECMWF0102


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