今日は日本の南岸と日本海に発生した低気圧が、上空の気圧の谷の前面で発達しながら北日本に進みます。低気圧や前線に向かって南から暖湿気が入るため、大気の状態が不安定になり、所々で雷を伴った激しい雨が降っています。明日の12/4は冬型気圧配置が強まり、北日本を中心に強い風が吹いて大荒れの天気になる恐れがあります。今後の気象情報に十分ご注意ください。


気象庁HP全般気象情報  (現在、暴風と高波に関する全般気象情報が出ています)



さて、昨日の金曜日に気象庁から発表された1か月予報の気温の予想が下方修正されています。どうも、来週末あたりから日本付近に寒気が入りやすい気圧配置になるようです。ようやく冬本番という感じがします。まずは、1か月のお天気のシナリオをまとめてみました。




1週目(12/3-12/9)

バイカル湖付近のリッジとアリューシャン付近のリッジが明瞭になり、日本付近は2つのリッジの間の谷となって北からの寒気が入りやすい気圧配置に変わっています。先週の1か月予報からの大きな変化点です。ただし、1週目はまだ日本の南のサブハイ(亜熱帯高気圧)が強く、寒気は北日本が中心になります。ただし、1週目の終りから2週目の初めにかけて、全国的にかなり強い寒気が入るようです。すでに気象庁の週間予報でも予想されています。詳細の天気の流れは、明日の週間予報の記事で解説いたします。


2週目(12/10-12/16)

バイカル湖付近のリッジは更に深まり、アリューシャン付近のリッジとの間で日本付近は気圧の谷と高度負偏差(=平年より気温が低い)になります。地上天気図でも冬型気圧配置が強まり、JPCZ(日本海収束帯)に伴う降水域も明瞭です。全国的に平年より平均気温が低くなり、特に西日本では気温が平年をかなり下回る地域がある予想になっています。


3・4週目(12/17-12/30)

2週目ほど顕著ではありませんが、日本付近は2つのリッジに挟まれて気圧の谷になる気圧配置が続きます。日本付近の高度負偏差は解消されますが、寒気が入りやすい形が続きますので、時々寒波が来るものと思われます。JPCZも引き続き明瞭です。




まず、地上の気温推移を見てみましょう。左から1週目、2週目、3・4週目の平年からの平均気温の差を色分けで表されていて、暖色系の色が濃いほど平年より気温が高くなる確率が大きく、寒色系の色が濃いほど気温が低くなる確率が高くなります。2週目は、西日本を中心に顕著な低温傾向であることが分かります。


ペンギンおやじのお天気ブログ-地上気温




更に850hPa(上空1500m)の気温の推移を見てみます。左上:北日本、左下:東日本、右上:西日本、右下:沖縄・奄美で、平年からの気温の差を表しています。それぞれの図の中央線の12/1までが実況で、それ以降が予想値です。アンサンブル予報の平均値(太線)をたどると、11月末から12月初めにかけて西日本・東日本を中心に気温が高かったのが、12/11頃を底として一気に平均気温が下がっていきます。平均値では1~2℃低いだけなので大したことかないように見えますが、各メンバー(個々の数値予報結果)は2~4℃低くなることを予想しており、タイミングのずれまで平均してしまっていることに注意が必要です。実際には週間予報で出ているように、平年より4℃ぐらいは低くなりそうです。


ペンギンおやじのお天気ブログ-850hPa気温推移




今週は、低温が予想されている2週目を中心に解説いたします。バイカル湖、アリューシャン、大西洋にリッジがあり、3波数の配列になっています。リッジとリッジの間は気圧の谷となって、北極の寒気は極東、東欧、北米東部に向かって南下しています。3・4週目も2週目ほど顕著ではありませんが、3波数の配置が続きます。ちなみに、大雪になるのはこの3波数のパターンの時が多いです。
ペンギンおやじのお天気ブログ-500hPa天気図





同じく2週目の850hPa天気図によりますと、下層の寒気は西日本を中心に南下してきます。実線は850hPa気温で、ハッチング部が平年より気温が低い領域です。0℃線が日本の南岸まで南下しており、西日本の一部では平年より2℃以上低くなる予想になっています。
ペンギンおやじのお天気ブログ-850hPa天気図2




最後に地上天気図を見てみますと、先週の予想図に比べて大陸の高気圧・アリューシャン低気圧とも強くなっており、冬型気圧配置が強まっていることを示しています。JPCZ(日本海収束帯)に伴う降水域も明瞭です。2週目は寒くなりますので、どうかお風邪を召されませんように暖かい恰好でお過ごしくださいね。
ペンギンおやじのお天気ブログ-地上天気図2



ペタしてね      読者登録してね