昨日は1か月予報の解説でしたので、本日は週間予報について解説いたします。まずは、1週間の天気のシナリオからです。下にある週間予報支援図の地上天気図と合わせてご覧ください。今週後半は、寒の戻りがありそうです。気象情報にご注意ください。



◆2/21(月)

上層のトラフが抜けて、リッジが進んでくる。大陸からの来る移動性高気圧によって概ね晴れるが、高気圧が北に偏っているため、関東地方は北東気流の影響を受けて曇りそう。日本の南海上に残る前線の影響も受けて、太平洋側沿岸部は雲が多い。また、九州南部と沖縄方面は、逆位相となっている上層トラフの影響で曇。晴れる地域は、気温は平年より2℃ほど高い。


◆2/22(火)

日本は、上層のリッジ場に入る。引き続き、北編した移動性高気圧に覆われる。前日と同じく北東気流の影響で、関東地方は雲が多い。関東以外は、前日よりも更に昇温し、平年より気温は3~4℃高くなりそう。


◆2/23(水)

北日本の5520mのリッジは日本の東に進むが、その南側の5580m~5640mのリッジが遅れて進むため、引き続きリッジ場となり全国的に晴れベースの天気。ただし、関東地方はまだ北東気流の影響が残りそう。


◆2/24(木)

リッジが東に抜けて、次第に雲が多くなる。5640m付近(九州の南)のトラフに対応して、夜には南岸低気圧が発生しそう。


◆2/25(金)

夜にかけて、南岸低気圧が日本の南海上を進む。寒気移流・暖気移流とも弱いため、この低気圧は発達しないと思われる。それとは別に北海道では、5340mあたりのトラフと正渦度移流により発生した低気圧が通過して、天気が崩れそう。


◆2/26(土)

北海道を通過した低気圧が東海上に抜けて、北日本を中心に冬型気圧配置となる見込み。北日本から東日本では気温は急降下。一気に平年並みか、それ以下の気温になりそう。上空寒気の中心がサハリン付近まで南下して、北日本を中心に日本に寒気を送り込む。北日本と日本海側は雪または雨、それ以外は晴れベースの天気。


◆2/27(日)

北日本を中心に冬型気圧配置が続く。前日の同じような天気を予想。夜には、九州に次の気圧の谷による降水域がかかる可能性あり。


(※2/25の南岸低気圧、2/26の寒気の入り方には現時点では予想のバラツキが大きいため、シナリオが変わる可能性があります。)


ペンギンおやじのお天気ブログ-地上天気図




次に解析のポイントをご説明いたします。まず、気温からです。850hPa(上空1500m)の気温を見ると、2/25までは平年より高い気温になっており、北日本ほど昇温が顕著になっています。館野の昇温が鈍いのは、2/23頃まで北東気流の影響を受けて雲が多いためです。2/26・27と一気に気温が低下する予想ですが、メンバー間のバラツキが大きいです。


ペンギンおやじのお天気ブログ-850hPa気温



次に500hPa天気図のポイントを抜き出しました。左図は2/23の予想で、北日本を通過した5520mのリッジから遅れて、5580m~5640mのリッジが日本に進みます。右図は翌日の2/24で、リッジが日本の東海上に進んで九州の南海上に5640mのトラフが進んできます。トラフ上に正渦度があり、地上低気圧(南岸低気圧)の発生を示唆しています。


ペンギンおやじのお天気ブログ-500hPa天気図



最後に、寒気が入る2/26の500hPa高度と850hPa気温を見てみましょう。左図が500hPa高度で、サハリン上空に5100mの寒冷渦(寒冷低気圧)があります。この寒冷渦の西側から寒気が入ります。右図の850hPa気温を見ると、東北南部あたりまで-9℃線が下がっています。-9℃線以北の地域は0℃以下に冷え込みそうです。


ペンギンおやじのお天気ブログ-500hPa高度・850hPa気温