不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)/河合 太介
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 ◆今回紹介する本
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 題名:不機嫌な職場
 副題:なぜ社員同士で協力できないのか
 著者:高橋克徳、河合太介、永田稔、渡部幹
 出版:講談社現代新書
 定価:720円+税
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4062879263/oyajimushicom-22/ref=nosim/


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 ◆目次
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 第1章 いま、職場で何が起きているのか
 第2章 何が協力関係を阻害しているのか
    (協力関係を阻害する「構造的要因」)
  1 進む組織のタコツボ化
  2 評判情報流通と情報共有の低下
  3 インセンティブ構造の変化
 第3章 協力の心理を理解する
 第4章 協力し合う組織に学ぶ
  1 グーグル
  2 サイバーエージェント
  3 ヨリタ歯科クリニック
 第5章 協力し合える組織をつくる方法
    (協力関係再構築に必要な姿勢/経営者の責務)
  1 役割構造に対する工夫
  2 評価情報に対する工夫
  3 インセンティブに対する工夫
 最終章 協力への第一歩の踏み出し方


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 ◆成分解析
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 知恵  :■■■■□
 勇気  :■■■□□
 豊かな心:■■□□□
 おすすめ:■■■■□


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 ◆内容紹介
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▽日本人は、社会人になると約35年から40年の間、仕事をします。

 サラリーマンを例にして単純計算してみると、一日8時間職場に
 拘束されたとすると、一ヶ月(二十日間)で160時間、1年で
 1920時間、35年間働いたとすると67200時間(2800日、
 8年間弱)も働いていることになります。
 
 残業が日常化していればもっと時間数は増えます。
 
 長い時間拘束される職場がもしギスギスしていて、居心地の悪い
 職場だとしたら、仕事に行くのが嫌になってしまいます。
 
 この本では、ギスギスした職場を以下のように定義しています。
 
 「一人ひとりが利己的で、断絶的で、冷めた関係性が蔓延しており、
 それがストレスとなる職場」
 
 具体的には以下のような職場です。
 
 ・「皆のために」と一所懸命頑張ったのに、反応が薄い
 ・熱意を込めて書いた提案メールに、レスポンスがない。あるいは
  冷ややかな反応ばかり返ってくる
 ・何回頼んでも、誰もきちんと対応してくれない
 ・そのくせ、一方的な指示を出してきて、こちらが対応をしてい
  ないと、キレる
 ・ランチタイムは社員同士ばかりつるんで、派遣社員やパート社員
  は蚊帳の外だ
 ・イライラした空気が職場に蔓延し、会話がない
 ・困っていても、「手伝おうか」の一言がない
 ・「おはよう」等の挨拶もなく、皆淡々と仕事をはじめる
 
 現在の自分の職場を思い出してみると、該当する部分が全くない
 こともないですが、概ね該当しません。
 
 幸せな職場にいるということでしょうか。
 
▽人間どこかでイライラを感じると、どこかで発散する傾向があり
 ます。
 
 その矛先は弱いところへ向き、例えばコンビニの店員さんとか、
 家族とか、部下とか...
 
 その場で発散できない職場でのストレスは、自分が関係する周囲に
 毒をまき散らします。
 
 不機嫌な職場は、どこも共通的な状況が起きているそうです。
 
 例えば、何時の頃からか日本の企業にも「個人成果」という考え方
 が出てきて、現在ではある程度定着しているような感があります。
 
 個人成果の考え方としては、自分に割り振られた仕事以外、自分の
 成果にはあまり関係のない仕事には手を出さない、という傾向に
 あるようです。
 
 確かに、自分の報酬につながる仕事量が限定されると、決まった
 仕事以外、やっても自分の成果にはつながらないのであればやら
 なくなるのは当たり前のような気がします。
 
 著者は次のように書いています。

 「仕事は自分で抱え、自分でやりきるものだ。そういった価値観が、
 強迫観念のように唱えられている」
 
 「さらに、マネージャーから新入社員まですべてが、個人成果への
 プレッシャーの中で働かなければならない状況に置かれている。
 会社全体やチームとしての成果よりも、まずは個々人が何をどこ
 までやるのかを明確に約束し、その成果=結果がより重く評価され、
 報酬にも大きく反映される」
 
 こうした状況は、人間関係が希薄化する原因にもなります。
 
 他人の仕事に首を突っ込まないということは、自分の仕事に対
 しても誰も興味を持ってくれなくなります。
 
 こうなると自分で全てを抱え込むしかありません。
 
 誰にも聞けない、誰からも質問されない、という状況になって
 しまいます。
 
 著者は次のように言います。
 
 「どうもまじめな人ほど、こういった心理になり、自分で抱え込み、
 自分の中で仕事を完結させようと必死になっているように思う。
 こうした一人ひとりが自分の仕事の中に閉じこもり、お互いが
 声を掛けない、声を掛けづらい状態。なんとなく沈滞した冷めた
 空気が蔓延している『関係が希薄化した状態』である」
 
 人間関係が希薄化してくると、さらに状況を悪化させてしまう
 ようなことが起きるそうです。
 
 さらに次のように言います。
 
 「助けて欲しいときに、誰も気づいてくれなかった、誰も声を掛け
 てくれなかった、声を上げたのに手伝ってもらえなかったという
 経験である」
 
 「これを繰り返してしまうと、何もしない方がよいという学習を
 してしまう。『学習性無力感』というものだ。ひどい場合は、自分
 の殻に閉じこもってしまい、精神的、体力的に追い込まれ、つぶれ
 てしまう人も出てしまう」
 
 「その結果、自分の心と身体を守るために、自分の内と外の世界に
 明確に線を引き、そこに踏み込ませないようにする。何か起きたら
 自分には関係ないと無関心を装う」
 
 「それでも踏み込んできたら防御する。されに度が過ぎると、周囲
 に対して攻撃的な態度を取り始める。自分の領域に踏み込ませない
 ように、自分は忙しいと主張し、踏み込んでこられそうになると
 強く抵抗する」
 
 こうなってしまうと職場の人間関係は最悪の状態になってしまい
 ます。
 
 協力しないとできない仕事のはずなのに、協力が全くない人間関係
 が希薄化した職場では働きたくないです。
 
▽この他にも、不機嫌な職場では様々な現象が起きています。

 「追い込まれる中間管理職」
 
 「精神的、体力的に追い込まれリタイヤする人が多くなる」
 
 「企業は、産業医やカウンセラーに解決を任せてしまう」
 
 「生産性や品質が低下する」
 
 「不正が起きる」
 
 「他者を軽視し、他者を否定する」
 
 こういったことは、必ず連鎖します。
 
 転職する前の職場がまさにこのような状況で、何の解決策も提示
 されないまま転職してしまいました。
 
 
 続きは次回。



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 人生を成功に導く読書術! ~おやじむしの3分書評~ より抜粋

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