2009-09-28 05:36:39

外套・鼻

テーマ:ブログ
外套・鼻 (岩波文庫)/ゴーゴリ
¥483
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 ◆今回紹介する本
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 題名:外套・鼻
 著者:ゴーゴリ
 出版:岩波文庫
 定価:260円
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4003260538/oyajimushicom-22/ref=nosim/


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 ◆目次
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 外套
 鼻


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 ◆成分解析
──────────────────────────────
 知恵  :■■■□□
 勇気  :□□□□□
 豊かな心:□□□□□
 おすすめ:■■■□□


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 ◆内容紹介
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▽今回紹介する本は、ロシアの小説家、劇作家であるゴーゴリ
 (1809年3月31日~1852年3月4日)が書いた短編が二篇収録され
 ています。
 
 ゴーゴリの正式名は「ニコライ・ヴァシーリエヴィチ・ゴーゴリ」
 です。
 
 ウクライナ生まれのロシア帝国時代に活躍した作家で、その作品は
 ドストエフスキー(1821年11月11日~1881年2月9日)をはじめ、
 様々な作家に影響を与えたとのこと。
 
 読み終わった後、何となく「川端康成の作品に似てるなぁ」という
 感想を持ったのですが、どうやら川端康成をはじめ日本の作家にも
 かなりの影響を与えているみたいです。
 
▽著者が生きたロシアの時代背景としては、1812年にナポレオン
 率いるフランス軍に攻め込まれますが、大損害を被りつつもこれを
 撃退します。
 
 その後ロシアは近代化の道を歩みますが、帝政ロシアは弱体化し
 社会主義運動が活発になります。

 歴史的にはロマノフ王朝が支配する帝政ロシアと呼ばれる時代、
 近代化を目指し始めた頃のロシアの作家です。
 
▽帝政ロシアも終盤の頃ということで、2作品とも「役人中の役人」
 と言えそうな感じの役人が登場します。
 
 「外套」は万年九等官、アカーキイ・アカーキエウィッチという
 名の男が主人公です。
 
 九等官がどのような仕事なのか良く分かりませんが、いずれにしろ
 「下級役人」と呼ばれる役人です。
 
 彼は真面目に仕事に取り組みますが、清書する能力しかなく、
 他の仕事は真剣にやっても彼にはできませんでした。
 
 生活は楽ではなく、貧乏な生活をしています。
 
▽ロシアの冬は厳しく、外を出歩く時は外套がなければ生命の危険に
 晒されます。
 
 しかし、収入が少ない下級役人の彼にとって、外套を新調するには
 相当な費用が必要です。
 
 アカーキイ・アカーキエウィッチは、同僚から「半纏(はんてん)」
 と陰口を言われながらも、ボロボロになった外套を修繕して着て
 いました。
 
 ある時、いつもの修繕屋に外套を持ち込んだところ、「この外套は
 もう直せない」と言われ、外套を新調するように言われます。
 
 半分は長年貯め込んだ貯金から、残りは偶然多くもらえた賞与から
 出し、やっとのことで外套を新調しました。
 
 彼は上機嫌、同僚にも喜んでくれる人がいて、パーティを開催
 するほどの騒ぎになります。
 
▽ところがそのパーティの帰り、新調したばかりの外套を追い剥ぎに
 奪われてしまいます。
 
 アカーキイ・アカーキエウィッチは外套を取り戻そうと方々手を
 尽くしますが...
 
 外套一着のために人生を掛け、下級役人のために上級役人には
 まともに相手をしてもらえず、逆に叱責されてしまう悲しい人。
 
 以前読んだ、ドストエフスキーの作品「虐げられた人びと」に
 登場するような、まさに「虐げられた人」が物語の主人公です。
 
 虐げられた恨みは、キッチリ返します。
 
 別の形で。
 
▽もう一つの作品「鼻」は、八等官のコワーリョフという男が主人公
 です。
 
 ある朝、理髪店を営むイワン・ヤーコレヴィッチという男性が、
 妻が焼いた朝食のパンの中から「鼻」をほじくり出します。
 
 しばらく鼻を眺めていたイワン・ヤーコレヴィッチは、この鼻が
 客のコワーリョフのものだと気が付きます。
 
 困ったイワンは鼻を捨てに行きます。
 
▽一方コワーリョフは、朝起きて鼻に出来たニキビを確認しようと
 鏡を見た瞬間、自分の鼻が無いことに気が付きます。
 
 鼻があった場所がのっぺらぼうになっていて、何とも格好が付き
 ません。
 
 困ったコワーリョフは誰かに相談しに行こうと出かけますが、
 その途中、五等官に化けた自分の「鼻」を発見します。
 
 この辺り、なんとも発想が面白いです。
 
 八等官の自分が五等官の鼻に話しかける時に、言葉遣いが変わって
 しまうとこなど、なかなか面白い場面です。
 
 当時のロシアの「等級」というのは、自分の鼻に話しかける時にも
 敬語を使ってしまうほど厳しい階級だったのでしょう。
 
 この後、自分の鼻を探す真剣なコワーリョフが描かれています。
 
 そして...
 
▽発想がとても面白く、なかなか楽しめた作品です。
 
 ページ数は100ページ足らずで、あっと言う間に読めてしまい
 ます。
 
 ただ、もう少し長編が読んでみたい気がしました。



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2009-09-25 06:47:20

虐げられた人びと(2回目)

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虐げられた人びと (新潮文庫)/ドストエフスキー
¥860
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 ◆今回紹介する本
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 題名:虐げられた人びと
 著者:ドストエフスキー
 出版:新潮文庫
 定価:819円+税
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4102010203/oyajimushicom-22/ref=nosim/


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 ◆目次
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 ※目次はありません。


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 ◆成分解析
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 知恵  :■■■■■
 勇気  :■□□□□
 豊かな心:■■■■□
 おすすめ:■■■■■


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 ◆内容紹介
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▽前回の続きです。

 老人とアゾルカの惨めな死は、「虐げられた人びと」の冒頭から
 始まります。
 
 老いてしまっても、国家や他人からは何の保障もなく、貧乏な
 まま死を待つ人びと。
 
 一方で、たまたま生まれた境遇に恵まれ、何の努力もなしに特権
 階級に属する人びとも存在します。
 
 何時の時代でもどの国でもその構造は同じで、恵まれる者はとこ
 とん恵まれ、恵まれない者はどこまでも恵まれません。
 
 そして、恵まれる者が恵まれない者を食い物にするのも、いつでも
 どこでもやはり同じこと。
 
 「虐げられる人びと」は、どこにでも存在し、「なぜこれほど
 恵まれないのだろう。なぜこれほどいじめられなければならない
 のだろう」と感じながら生活しています。
 
▽虐げる人と虐げられる人の構造は、この物語中で幾重にも構成
 されています。
 
 絶大な権力と財産を持つワルコフスキー公爵と、わずかな資産を
 掛け訴訟を起こし、全てをはぎ取られようとしているイフメーネフ
 家の人びと。
 
 根も葉もないことを指摘され、自分の名誉のためだけに訴訟を
 起こしますが、事実はどうであれ弁護士も司法も権力と富を持つ
 者の味方です。
 
 大きな視点で見ると、持つ者と持たざる者という見方もできます。
 
 他には、惨めな死に方をした老人と、老人を惨めにした原因を
 作った者。
 
 また、その老人には孫娘がいて、その少女と好意で世話をして
 いると言ってはばからない娼婦宿の女主人。
 
 この少女は、女主人から罵られ、殴られ、蹴られ、客を取らされ
 そうになっていました。
 
 他にも、ワルコフスキー公爵の一人息子のアリョーシャと、その
 恋人のナターシャ。
 
 2人は手を取り合って、お互いの家を飛び出します。
 
 しかし、2人の親同士が訴訟で争っていて、アリョーシャは父親の
 公爵の策略で、別の財産持ちの貴族の娘と近づけられ、アリョーシャ
 はその娘にも惹かれるようになります。
 
 アリョーシャは正直者で、自分の身の上に起きたことを全てナターシャ
 に話をしてしまいます。
 
 他の女性に惹かれたことも全て。
 
 ナターシャの心はズタズタになりながらも、アリョーシャを愛して
 いました。
 
 虐げている意識はないにしても、虐げられる人と虐げられる人の
 構造が見えてきます。
 
 そして、アリョーシャに惹かれるナターシャを愛している語り手の
 ワーニャ。
 
 本物の兄妹のように育った2人は、妹が相談し、親身になって
 相談にのってやる理解のある兄という構造から抜けられません。
 
 「虐げる」という言葉は正しくないかもしれませんが、ワーニャは
 かなりつらい立場です。
 
▽行きがかり上、老人の死後の世話をすることになったワーニャは、
 老人が住んでいたアパートに引っ越してきて、そこに住み始めます。
 
 老人が亡くなってからしばらくすると、少女が家を訪ねてきました。
 
 少女の名はネリー。
 
 惨めに死んだ老人の孫娘でした。
 
 ネリーの出現によって、新たな虐げる人と虐げられる人の話が
 始まり、二つの話がつながりはじめ、二重に展開されていきます。
 
▽メインは虐げる人と虐げられる人の話ですが、そこに虐げられた
 者同士の心温まる話も同時に展開されていきます。
 
 人間は虐げる者ばかりではなく、弱い者同士助け合うことができる
 存在。
 
 それも、どの場所でもいつの時代でも変わりません。
 
 そのような人間ドラマを、ドストエフスキー独特の人物描写で
 書いているのがこの作品です。
 
 「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」等で挫折してしまった人にも
 読みやすい作品です。



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2009-09-24 05:30:35

虐げられた人びと

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虐げられた人びと (新潮文庫)/ドストエフスキー
¥860
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 ◆今回紹介する本
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 題名:虐げられた人びと
 著者:ドストエフスキー
 出版:新潮文庫
 定価:819円+税
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4102010203/oyajimushicom-22/ref=nosim/


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 ◆目次
──────────────────────────────
 ※目次はありません。


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 ◆成分解析
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 知恵  :■■■■■
 勇気  :■□□□□
 豊かな心:■■■■□
 おすすめ:■■■■■


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 ◆内容紹介
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▽今回紹介するドストエフスキーの作品は、これまで読んだ「罪と罰」、
 「カラマーゾフの兄弟」「白痴」に比べると、とっても読みやすい
 作品です。
 
 というのも、ドストエフスキーは上記三つの作品の中で、登場
 人物の口を借りて延々と自分の思想を延べる部分があって、それを
 理解するのにひと苦労するパターンが何度かあるためです。
 
 著者が物語中で語る思想は、キリスト教に根ざしたものが多く、
 それなりの知識がないと理解できません。
 
 「カラマーゾフの兄弟」の中で次兄のイワンが語る「大審問官」
 は、何度か真剣に読んだけれど、何が言いたいのか私には理解
 できませんでした。
 
 今回読んだ「虐げられた人々」には、そのような難しい思想は
 書かれていません。
 
 その分、スラスラと読める作品です。
 
▽物語の語り手は、死に瀕した貧乏作家のワーニャ(イワン・ペト
 ローヴィチ)。
 
 病の床でこの物語を書いている、という設定です。
 
 ワーニャは子供の頃に両親を亡くし孤児になりますが、ニコライ・
 セルゲーイッチ・イフメーネフという小地主の家に引き取られ、
 育てられます。
 
 イフメーネフに我が子のように育てられ、三つ年下のナターシャ
 とともに、実の兄妹のようにして育ちました。
 
 そして、25歳で昔を思い出しながらこの物語を書いているという
 設定になっています。
 
▽ニコライ・セルゲーイッチは、若い頃に賭博で財産を減らしますが、
 その後真面目に農場経営を行い、優秀な地主になります。
 
 ある日、隣の領地にワルコフスキー公爵という名の地主がやって
 きます。
 
 公爵は、自分の領地の経営をニコライ・セルゲーイッチに任せ
 ます。
 
 公爵には一人息子アリョーシャがいて、ある年ニコライ・セルゲー
 イッチにアリョーシャを預けます。
 
 この頃、語り手のワーニャは大学に在学中で家を出ていて、ナター
 シャは17歳、アリョーシャは20歳になっていました。
 
 ナターシャはアリョーシャの心を掴み、村中には根も葉もない噂が
 流れるようになります。
 
 この辺りから、公爵とニコライ・セルゲーイッチの関係がおかしく
 なリ始めます。
 
 公爵はいつの頃からか貪欲な男に変貌していて、自分が任せた
 領地に関することで、公爵を騙して金を得たといいがかりをつけ、
 最終的に訴訟になってしまったのです。
 
 この訴訟のため、イフメーネフ一家は自分の領地の経営を他人に
 任せ、ペテルブルグへ引っ越してきました。
 
▽ワーニャが家族に再会したとき、ナターシャは予想通り美しく
 なっていて、昔から運命の女性だと確信していたワーニャでしたが、
 この時改めてそのことを実感します。
 
 ワーニャはこの頃、駆け出しの作家で、処女作が出始めた頃でした。
 
 公爵とニコライ・セルゲーイッチが訴訟で争っている最中に、
 公爵の一人息子アリョーシャが再びイフメーネフ家に現れます。
 
 元もと人の良いニコライ・セルゲーイッチは、訴訟相手の息子で
 あるにも関わらず、昔預かっていたアリョーシャを我が子のように
 迎えてしまいます。
 
 当然のように再びアリョーシャとナターシャの恋愛が始まります。
 
▽アリョーシャは生活力の全くない男性で、嘘や隠し事ができない
 人で何でもナターシャに話してしまいます。
 
 自ら仕事をしているわけではないので、父親の「公爵」という
 立場がなければ生きていけない青年でした。
 
 生活力は全くないけど、心にやましい部分がなく素直なところに
 引かれたナターシャは、家を出てアリョーシャと2人で暮らす
 ことを考え始めます。
 
 この頃、ワーニャはナターシャに惹かれていたにもかかわらず、
 毎日のようにイフメーネフ家を訪れ、育ての親の話を聞いてあげ
 たり、ナターシャの恋の相談に乗ったりしていたのでした。
 
 なかなかつらい立場です。
 
▽このような状況の中、ワーニャはペテルブルグの町中で、死人の
 ようなやせこけた老人を発見します。
 
 老人は毎日のようにある喫茶店に入り、何も注文せず何時間か
 黙って座ったまま過ごし喫茶店を出ます。
 
 死にそうな老人には、同じように死にそうなやせこけた犬があとに
 ついていました。
 
 興味を持ったワーニャはある日、老人の後を追って喫茶店に入り
 ます。
 
 老人はその日も3~4時間身動きもしないで座っていました。
 
 喫茶店を出る時になって、老人は足下で寝ていた犬を起こそうと、
 犬に声を掛けます。
 
 「アゾルカ」と呼ばれた犬は、なかなか起きず、老人の杖でつつ
 かれてもピクリとも動きません。
 
 老人の足下でアゾルカは死んでいたのでした。
 
 老人は死んだアゾルカを店内に残したまま喫茶店を出てしまいます。
 
 ワーニャは老人の後を追って店を出、近くの建物に囲まれた暗い
 場所で座っていた老人を発見します。
 
 ワーニャは老人に、家まで送りましょうと声を掛けます。
 
 しかし、老人は突然苦しみ始め、地面に倒れ込みアゾルカと同じ
 ようにそのまま息を引き取ってしまいます。
 
 
 続きは次回。



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