その惑星では、一日中、一年中、何百年も何千年も空は厚い雲に覆われていて、
誰も太陽の光を見たことがなかったのです。
朝になると、ほんの少し薄明るくはなるのですが、
人々の生活と心は、分厚く真っ黒い雲にずっと圧迫されていました。
空全体を覆い尽くすその黒い雲は、その星を闇で包んでいました。
その星の人々は、人は死んだらあの真っ黒の雲の中に吸収されると信じていました。
そして黒い雲の中に閉じこめられてしまうと思っていました。
このように、人々は、雲の下で不安と悲しみと苦しみをもって生きていました。
しかし、ある人たちは言いました、
「あの雲の向こうには青空というものがあるのだ」
「光溢れる世界が広がっているのだ」と。
ところが、その言葉を信じる人はそれほど多くありませんでした。
黒い雲という現実は、あまりにも長く、あまりにも容赦なく人々の心を塞いでいたのです。
「青空があるなんて信じられない」
「お前はそれを見たのか。私はこの目で見たものしか信じない。
私の目の前に広がるのは雲だけだ」と。
これらに対して青空を信じる人たちは言いました、
「きっといつかこの雲が壊れる時が来る」
「その壊れた雲の隙間から光が地上に降りてきて、
私たちに青空と太陽を見せてくれる日が必ず訪れる」。
果たして、この予言が成就する日がやって来ました。
絶対に壊れることはないと思われていたあの黒い雲が、突然、切り裂かれ、
その雲の隙間から一筋の光が真っ直ぐにのびて来たのです。
その光を見た人々は、確信しました。雲の向こうに光があることを。
その光を与えている太陽の存在を。
そして、雲の下でも多少の薄明かりがあるのは、その太陽のおかげである、ということを。
壊れた雲の間から降りてきた眩しい光を見た人々は、
そのことを人々に伝えて行きました。
そして黒い雲という現実に負けることなく、絶望することなく、
光を信じて生きることがいかに大切であるか、ということを教えました。
その教えを聞いて光を信じて生きるようになった人々は、「光の子」と呼ばれたということです。
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これは、クライアントさんに教えていただいた大阪正教会の神父様による説教ですが、
素晴らしい内容だと思ったので、紹介させていただきます。
全文はこちら 言葉のパラクレートス
後半を読み進めていくとわかりますが、この「雲に覆われた星」とは、私たちの地球のことです。
そして、この「光」とは、決して物理的な意味での「太陽の光」とか、宗教的な意味での「神様」ではなく、
私たちの内側に輝く「光」を指しています。
私は、この“世界”を現象に対する解釈や言い伝え・・・そうした情報のなかから
共通するある種のエッセンスを見出すことに無上の喜びを覚えます。
キリスト教の聖典のなかに、般若心経の一説が混ざっていたり
ネイティブアメリカンの教えの中に、最先端の量子学の法則が隠れていたり・・・
私たちの意識は、普段は生活や仕事のことでいっぱいになっていて
真理とは何か、などということにフォーカスしていません。
だから、この「雲に覆われた星」の人々のように、ネガティブな思い込みや状況を
「それこそが真実だ」と信じてしまいます。
しかし、ふとした瞬間、真理（真実の光）に触れる時、魂がはじけ飛びます。
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