リムのWM型とMT型の違い | OUTEX

リムのWM型とMT型の違い

    
画像A WM型リム


    
画像B MT型リム

WM型は画像Aの形状で、MT型はハンプがある通常チューブレス用ホイールと言われる画像Bの形状です。

 

基本的にハンプの役割はタイヤの空気が抜けた時にビード落ちしないようにタイヤビード部を押さえる為にありますが、下の画像を見ても判るとおり、通常走行できる空気圧であればタイヤのビード部はハンプに接触しておらず、あくまでもタイヤは空気圧によってホイールと一体化されています。

 

タイヤはバイクの重量+ライダーの体重+走行中のトラクションにより、タイヤが地面に押し付けられてタイヤが潰れるほどタイヤの内圧は上がりビードは落ちにくい状態になります。

下記の画像で確認できますが、コーナーリング中のホイールは遠心力によって外側に荷重が掛かり、タイヤはグリップを保っていますので、リムは白の矢印の方向にタイヤのビード部を押し付けていることになります。

リムはサイドウォールを引っ張っている状態で、またサイドウォールは伸びませんし、アウト側のビード部はタイヤトレッドの変形で負担がかからない訳です。

この走行画像は、筑波サーキットのレースの時のもので、OUTEXチューブレスキットが組み込まれています。

この時の空気圧は冷間1.2キロに設定していて、レース結果は優勝とコースレコードの樹立でした。

 
また、従業員のスーパーカブやZ-1のWM型リムをチューブレス化して、毎日通勤で往復50キロ以上、何年間も問題無しで走行できている実績と、SR400のノーマルリム(WM型)でサーキットテスト走行や、ミニバイクレースで、WM型リムにチューブレス化したDRZ50CRF50が優勝するという結果も出ています。

チューブレス化したリムで走行すると殆どのライダーは、ハンドリングが良くなったと感じています。
その理由はチューブが無くなったことによるバネ下重量の軽量化よりも、ビード部がしっかり密着してホイールとタイヤが一体化している要因が大きいからです。
チューブ入りタイヤのビード部とリムのビード部は密着していない部分があるので、路面からの接地感が伝わりにくく、またオフロードの場合はビードストッパーが無ければタイヤは回転してしまいます。

チューブ入りとチューブレスに関わらずWM型リムのビード落ちする原因は、空気圧が限りなく0に近い状態や、バイクを駐車していて何らかの原因でタイヤのエア漏れが起きた時などです。

パンクについて考えると、チューブ入りタイヤに釘など刺さると急激にエア漏れを始めて、スピードが出ている場合は急にハンドリングが変わってしまい最悪の場合は転倒してしまいます。

チューブレスでタイヤに釘など刺ささっても殆どの場合はそのまま走行可能です。
つまり空気が抜ける速度はチューブレスのほうが遅いので、安全率はチューブレス化の方が格段に上がるということです。

希にチューブレスでも徐々に空気が漏れてくる場合もありますが、空気圧が下がってくるとハンドル操作は重くなり、乗り続けられませんのですぐに異常に気づくはずです。

上記のことから規定の空気圧管理を行っていれば、WM型とMT型との違いは無く、ビード落ちの心配も無いと言っていいと思います。 が、リムのビード部が荒れている場合は綺麗に整える必要があり、すべてのリムが安全とは言い切れませんので、ある程度の施工技術は必要ですよ。

OUTEXチューブレスキットは日本国内だけではなく、海外にも広がっている理由はWM型リムでもきちんと施工すれば問題ないからです。

ちなみにこのキットを販売し始めてから今まで9年間で施工できなかったリムはありませんでした。



WM型のチューブレス化が危険だと言っている人にも理解してもらえれば嬉しいな。