技術プレゼンのための10のTIPS | Ouobpo

技術プレゼンのための10のTIPS

※ この記事は、Ross Mason氏(MuleSource CTO)の記事「Ten Tips for Technical Presentations」を本人の許可を得て翻訳したものです。
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 今日は、マルタ島で開催されたSunオープンソースデイのモーニングセッションに参加した。セッションの質には、たいへん失望した。こういったイベントには時間も金もかかっている訳で、質の悪いセッションを見せられるのは百害あって一利なしだ。今日はSunにとっても、得るものは何もなかったと思う。

 私が長年にわたって集めてきたTIPSを、紹介したいと思う。このTIPSのおかげで、これまで私の技術プレゼンを聴いてくれた人によりよい体験を提供してこれたと思っている。

  1. 自分が誰なのかと、これから何をプレゼンするのかを必ず紹介すること。今日は4つのプレゼンを見たが、1人しかこれをやっていなかった。聴き手は、誰がしゃべるのかと、もっと重要なのは、何の話をするのかを知りたいのだ。

  2. 聴き手に伝えたいたった1つのメッセージは何かを理解し、そのメッセージを裏付けるようなプレゼンをすること。聴き手から1時間も時間をもらうと、プレゼンになんでもかんでも詰めこんでしまうのは非常に簡単だ。しかし、その1時間は、ただ1つのメッセージを伝えることだけに使い、そのテーマをさまざまな側面から紹介するようにした方がよっぽどいい。

  3. プレゼンのゴールを明確に示し、最後に要点をまとめること。当たり前のようだが、プレゼンにはアジェンダ(目次)を入れるべきだ。アジェンダがあるとプレゼンが何の話題をカバーするのかが明確になり、聴き手がプレゼンに何を期待できるのかを知ることができる。プレゼンの内容は最後にはゴールに戻ってくるようにし、究極的には、聴き手が何か役に立つことを学べたという感覚を持って帰ってもらえるようにすべきだ。

  4. 資料は、割り当てられた時間内に終わるように調整して作ること。今日の2つのプレゼンが、スライドがたくさんありすぎることを謝りながら、駆け足でスライドを進めていった。これだと、セッションで何を言いたかったのかがよく分からなくなる。

  5. 聴き手を理解すること。ほとんどのプレゼンでは、私が思うに、聴き手はたいてい興味はあるが実際のユーザではない人たちだ。入門ユーザにプレゼンで情報を伝えるのには技が必要で、告白すると、私はまだまだその技をモノにできていない。しかし、私はそのことを自覚していて、他の人の意見を熱心に調べている。

  6. 常に資料では「なぜ」を伝えること。今日聴いたプレゼンはすべて、「何を」しか話さなかった。以下に挙げるような、聴き手の基本的な質問に答えようと努力すること。

    • なぜ1時間を費やしてまで、自分がそのプレゼンを聴くべきなのか?

    • なぜ自分がそのプロジェクト/アプローチ/パターンを用いるべきなのか?

    • なぜその手法が他のものより優れているのか?

    • なぜ自分の記憶にそのプレゼンが残るのか?


  7. 技術的なプレゼンでは、ほとんど間違いなくコードを見せたいと思うだろう。通常、コードとスライドを一緒に見せることは難しく、IDEの解像度はたいてい小さすぎる。どんなコードも10メートル先からでも読めるようにし、理解できるはずもないのに大量のコードを見せて、聴き手に情報爆撃を仕掛けないこと。

  8. 常にフィードバックを求めること。聴き手を拘束しているのだから、彼らを利用すること。Yes/Noの質問をいくつか投げて、聴き手の知識のレベルを理解する助けとすること。得られたフィードバックはすぐその場でも、また将来のプレゼンにも活用できる。

  9. 技術的な専門用語を減らすこと。1時間では2、3の概念を伝えることしかできない。専門用語はきちんと説明し、それを繰り返し使うこと。忘れていけないのは、プレゼンのゴールや全体のメッセージとつながりのある専門用語を使うべきだ、ということだ。

  10. 他人から学ぶこと。Parleys.comのようなリソースを利用して、他人のプレゼンをよく見ること。気に入ったプレゼンを記録しておいて、なぜ気に入ったのかを考えること。よいプレゼンをすることは1つのスキルであり、他のスキルと同様に、訓練と他人から学ぶことが必要なのだ。

 こちらのエントリ「効果的な製品デモのやり方」も参考に。