△「復讐者に憐れみを」 | レンタル放題。

△「復讐者に憐れみを」

「JSA」「オールドボーイ」のパク・チャヌク監督によるハードボイルド作品。


姉の腎臓移植のために奔走する聴覚障害者の弟。

しかし貧乏な上に立場が弱いことを悪用され、手術費用を騙し取られてしまう。
そこで付き合っている彼女の提案で営利誘拐を企てるが…。


「『オールドボーイ』の原点」という謳い文句がまさにピッタリ。
あって欲しくない展開の連続によって、次第に復讐の連鎖という泥沼に引き込まれていくキャラクター達。
登場人物がひとたび理性を失って凶暴性を剥き出してしまえば、後はこの監督のフィールドである。


特に、誘拐した少女が川に落ちて溺れていることに聴覚障害故に気付かないシーンは見ていられない。

前半で、誘拐された少女がたまらなくいじらしく振舞っていた分、精神的ダメージは大きかった。
正直「何で金払ってこんなシーンを見せられなきゃならないんだ」という気分にさせられるが、しかし強烈に印象に残ってしまっている以上効果は認めざるを得ない。

なんだか悔しいような気もする。

キャラクターの死を衝撃的に演出する監督の力量はなかなかのもの。

ここが、ストーリー展開の転機になる重要な場面であると同時に、作中において最も「倫理」に対して挑戦的なシーンである。

これを肯定できるかどうかが、この作品自体への適性を判断するポイントになる。


それから、手術を待つ主人公の姉と、同棲する彼女が別人であることに、半分ほど見終わるまで気付かなかった;

「手術を待つ身にしてはヤケに元気がいいな」くらいに思っていたので、後半姉が死んだ後に彼女が登場するシーンではすっかり混乱してしまった;
僕の注意力と作品の説明、どちらが不足なのか判断は微妙なとこ。


解説
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=321730

上映時間  117 分
製作国   韓国
公開情報  シネカノン
初公開年月 2005/02/05
監 督: パク・チャヌク
脚 本: イ・ジョンヨン
     パク・リダメ
     イ・ムヨン
出 演: ソン・ガンホ Song Kang-ho ドンジン
    シン・ハギュン リュウ
    ペ・ドゥナ Bae Doo-na ユンミ
    イム・ジウン リュウの姉
    イ・デヨン
    チ・デハン