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○「ローレライ」

爽快な戦争映画というのも珍しい。
お金かかってるし、丁寧にやってくれてるし、それだけで及第点あげたくなるのは日本の戦争映画がいかにだらしないかという事のような気もしなくもない。


冒頭の緊迫感溢れる駆逐艦との戦闘シーンが凄い。
敵艦の位置を正確に掴め、また大型砲を搭載する「伊507」ならではの戦法だ。

自艦の周囲の状況をリアルタイムで把握できるローレライシステム。

反面、触媒となる者の心に、死者の精神が入り込んでしまう。
香椎由宇扮するパウラは、死者の魂の叫びに共鳴してしまって苦しみ、衰弱していく。
その苦しみにパウラがのたうつシーンは痛々しく、かつセクスィー。
昔オタクに人気があった緒川たまきを彷彿とさせる美女だ。
背中もあらわにのたうつシーンは男性諸氏必見。


前半、ちょっと艦長の演説がくどいのと、専任将校の木崎が電池室で死ぬとこがさらっと流れてしまう点、軍属技師の高須の血からB-29の離陸時間を読み取るシーンで高須が南方で味わった地獄を見せてくれなかった点が惜しい。


あとはラストかな。
希望者を退艦させ、N式を切り離した時点で伊507のスタッフは死を覚悟してなくちゃいけなかったし、そうであるなら最後砲撃が終わった後はくだんの駆逐艦によって撃沈される最後こそ望ましい気がする。
そこは「美化しない」というこだわり?


公式
http://www.507.jp/index.html


解説
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD6572/


製作年 : 2004年
製作国 : 日本
配 給 : 東宝
監 督 :樋口真嗣
原 作 :福井晴敏
脚 本 :鈴木智
出 演 :役所広司
     妻夫木聡
     柳葉敏郎
     香椎由宇
     堤真一