「先用後利」の富山もよう | テキスタイル獣道

「先用後利」の富山もよう

昨日 11月23日、第10弾の「富山もよう」が配布されました。

 

テーマは富山も薬売り。その名も「KUSURIURI」

 

 

 

 

 

富山在住のフォトグラファー、利波 由紀子さんが撮影してくれました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、プレスリリースより。

 

 

実は私の事務所にも富山の置き薬があります。

 

飛び込みで来た営業の方のすすめで始めたもので、もう15年ほどの付き合いになります。

 

たまに連絡があって集金の日を決め、使った分のお金を払い、また補充して帰っていくという、このご時世としては何ともローテクで、「信頼」という不確かな感情だけで成り立っている商売。

 

ずっと不思議に思っていたのですが今回、「富山の薬」のもようを描くにあたって訪問した、薬にまつわる様々な場所で聞いたのが

「病を治すのが先決で、お金は後で良い」

という話でした。

 

江戸時代から続く富山の薬売りの基本理念らしいです。素晴らしい。

 

そして見学した富山の薬はどれもこれも何と言うか、黒い苦そうな固まりが素っ気ない袋に入っている、ドラックストアーに売っているものとは真逆の、実に昔っぽいものでした。

 

私の事務所の薬箱に入っているものもちらほら。でも何だかこっちの方が信頼出来るような気がする。

 

今回はこの、情に厚い信頼感の様なものを「もよう」にしてみました。

 

信頼感のある薬だから置き薬の商売も成り立っているのですね。病は気からって言うものね。

 

信頼出来る薬の方が治りが早そうだしね。

 

 

 

未だに「熊の胆」と「赤玉」は私の常備薬。 

 

そして数ヶ月に一度、富山の薬売りさんはウチの事務所に集金にやって来ます。

 

いつも思うんだけど、事務所がつぶれてしまったらどうするんだろう?

 

それも「先用後利」の精神だからね。利益よりも直すのが先。 つぶれて回収出来なかったら仕方ない ってね!