保険金(25) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。




名も無い小さなCCDカメラと・・・(本当はあると思うが)



新兵器「エンジェル・アイ」 ←(別に私が付けた名前ぢゃ無いっっ!) を引っさげて調査に挑めそうである。



「でも・・・梅木社長、これ結構練習しないと難しいかも知れませんよ・・・。」



「えっ!?」



よく考えてみれば・・・ボタンから出したカメラがどんなに広角撮影出来るといっても、やはり向きによっては全然上手く撮れない場合もあるらしい。



またボタン型の場合、対象者に接近(出来れば隣の席)しなければならない為、毎日同じ人間が座る事は不可能だ。仮に私とY君、M君が3人で交代し撮影するにしても中2日で順番が回ってくる。



最初の一巡位は対象者も気が付かないかも知れないが、さすがに何回も3人が入れ替わり立代わりは拙い・・・。



どんなに道具の性能が上がっても当時3人しかいないうちの事務所でいつ来るのか判らないチャンスをミス無しで撮影するのは至難の業だったと思う。



悟られたら・・・・即「OUT」。



一度警戒されたら二度と尻尾は出さない。



それを考え出したら・・・・先ほどまでのテンション上げはどこかに行ってしまい・・・。


どうやって上手く撮影するかに思考の矛先が変わった。


「社長!社長!」


「・・・・・は?はい??」


「考え込んでも一緒ですよ。兎に角皆さんで練習するしか無いですね。」


「・・・・ですね・・・。」


私の悪い癖である。


考えが先に立ってしまい、イメージ上で難しく考えてしまうと・・・とたんにテンションも下がってしまうのである。


「ツボ」にはまった時は滅法強いが、はまらなかったらイマイチなのである・・・なんじゃそりゃ!?


私は香月社長とKさんが見ている前で・・・・何度も何度も新しい調査機器を試してみる。


「とにかく・・・・一度試してみますか?」


「え?どこでですか・・・・?」


「今回はパチンコ店で撮影する機会が多いんでしょ!?実際に行ってみましょうか?」


「パチンコ店って・・・・佐賀の?」


「とりあえず試しですよ。梅木社長だけでも練習しておけば後はYさんKさんに教えられるでしょ?」


「・・・・そうですね、やってみますか!!」


「ではとりあえず・・・・晩飯でも食いながら考えましょうか!?」


「は・・・・・!!?」


気が付くと・・・・・時間は午後7時を回っていた・・・。


あっと言う間に・・・というよりは新しい道具に夢中になっている間に、数時間が過ぎ去っていた。


正直、さっき昼食を摂ったばかりといった感じだったので・・・あまり食欲は無かった。


「もうすぐ・・・僕も終わりますから・・・待ってて下さい。」


KさんがPCとにらめっこしながら言う。


「大丈夫ですよ・・・・まだそんなにお腹すいてないですから・・・。」


「梅木社長!晩飯は何にしますか?」


「そうですね・・・・昼間とんかつでしたからね・・・」


「じゃあ夜は比較的体にいいものを食べましょうか!」


「助かります。」


「じゃあちょっと・・・予約しますね・・・。」


事務所から1km弱、「梓」という小料理屋がある。


店はカウンターに7~8席位あるだろうか・・・隣に3畳ほどの座敷がひとつ。


少々年齢は重ねていらっしゃるらしいが、中々美人の女将が一人で切り盛りする本当に小さなお店である。


香月社長はその小さな「座敷」を予約してくれている・・・。


出される食べ物はその日その日のお任せ。新鮮で唸るほど上手い魚や季節の野菜を中心に食べさせてくれるお店である。正直何度か行った事がある。


小さな店なのだが・・・何故かいつも満席に近い。


おまけに客層も非常に良い。


香月社長に聞いたのだが、佐賀県内の有名人や著名人がお忍びで来る店らしい。


晩ご飯は体の事を考えて・・・あっさり系を用意してくれた・・・。


「久々ですね・・・梓。」


「ですね・・・私はちょこちょこ行きますが・・・。」


独身貴族の香月社長は・・・自宅で食事する機会は皆無に近い。だから健康に気をつけて梓で食事する事が多いのだそうだ。


「しかも・・・私はお酒飲まないから安いんですよ。」


「そうか・・・・。」


もしももっとゆっくり時間があったら・・・・泊まりで遊びに来て「梓」で一杯飲みながら・・・・・美味しい料理に舌鼓を打ちながら・・・・ゆっくりしたいものだと心から思う・・・。


私も酒は嗜む程度しか飲めないが・・・いつもそんな希望だけはもっている。


そんな事を考えながら・・・・私と香月社長、Kさんは店までの暫しの時間を徒歩で楽しんで行く。


「あら!?いらっしゃい!!梅木さん久しぶりね!」


久しく会っていなかったが、女将は全く変わっていない。


「本当に久しぶりですね・・・・いつ以来だろう・・・。」


「確か・・・・今年の初めに来た以来でしょ。」


「そんなになりますかねぇ・・・今日は楽しみにしていますよ。」


「今日はお刺身のいいとこ入ったから・・・すぐ用意しますね。」


カウンターでは時間が早いせいかまだ半分ほどしか埋まっていない。


私達3人は座敷に腰掛け・・・ウーロン茶で軽く乾杯する。


「あぁ・・・・なんかいい時間だ・・・・今日は美味しいものを少しだけ・・・ゆっくり食べよう。」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




2時間が経過した・・・。


「ぷはぁ~・・・・いや美味かった!梓最高!!」


「・・・・梅木さん・・・相変わらずの食欲やねぇ・・・。」



「・・・・梅木社長・・・・何杯食べた!??」


「・・・・こりゃ当分痩せませんねぇ・・・・。」



・・・・・・・・・・・何の事は無い・・・


私は最初の一口、二口だけを楽しんだ時点で・・・・


さっきまで「食欲無い」って言ってたのに・・・


終わってみればいつもと一緒「全力喰い」・・・・・


皆さんの期待を裏切らない食欲で食べきってしまった・・・。


この食欲が憎い・・・・・


今年41になるが・・・いつになったら「食べ盛り」を卒業出来るのだろう・・・。誰か教えて!



そもそも今からパチンコ屋に「練習」に行くんじゃなかったのか・・・。



食欲が満たされる頃は・・・・すっかり忘れていたぐるぐる



そんなこんなで・・・佐賀の夜は更けていくのである・・・。


                (続く)・・・っていうか練習行け!


※弊社はお客様のプライラバシー保護や個人情報の保護には万全を期しております。この物語はフィクションです。登場する人物や団体は全て架空のものであり、実在する人物・団体とは一切関係ありません。尚、作品のリアリティを追求する為に、私を含む弊社スタッフは全て本物です。悪しからず。


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(貧乏探偵を脱出する為・・・皆様の温かい気持ちで当ブログは成り立っています・・・・


今回のお話に出てくる調査機器のお店です。

(ずっと泳いでいけば香月社長やKさんのが見れます)♪
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梅木 栄二 スタッフ一同


この度「東日本大震災」で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復興と、被害を受けた皆様の心の傷が癒される日が来ます事を陰ながら祈念しております。微力ですが(社)日本調査業協会を通じ御支援の一端を担わせて戴ければと思っております。