もちろん、直接の体験はない。
でも、
ものごころついた頃は、
今思うと、
終戦後20年足らず。
日常生活の中で、
自然と戦争体験談を聞いていた。
僕の祖父は、
昭和20年1月27日に、
フィリピン沖で戦死した。
「あと半年余りで終戦だったのに…。」
と、祖父に会えない事が、
とても残念だった。
そんな気持ちから、
祖母にいろんな事を尋ねてたっけ。
ここから広島の原爆雲が見えた時、
何とも言えない、
ただならぬ思いがしたそうだ。
父は前線に出る準備を整え待機していたが、
乗る予定だった船が出航しないまま、
終戦の日を迎えた。
その船が出航していたら、
僕はこの世に存在しなかっただろう。
無口で暗い雰囲気のおばさんが居て、
子供達は皆、気味悪がっていた。
ある時、その人の話を聞いた。
「あの人は広島で原爆にあってね。
倒壊した家の中から助けられたけど、
生き埋めの弟さんは焼け死んでね…。
お姉ちゃん助けて!と呼ぶ声が、
今でも耳に残っているそうよ。」
「おばさん、気味悪がってごめん…。」
と、心の中で謝った。
そうそう、
父が歌ってくれた、
「戦友」という歌。
わけもわからず、
でも、
涙していたなぁ。
戦争を茶化すことは出来ないけど、
ミュージカルは暗いだけでは駄目だ。
戦時下の人々が、
ただ暗く沈んでいただけではないのだから。
人は大いなる力を持っている。
どんな状況の中でも、
笑顔になれる力を!
今を生きぬく力を!
未来を築きあげる力を!
頑張って制作しようっと