厚さ20センチ以上の防音壁が木造防音室に必要か | 生活防音と楽器防音室を語る

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昨年から今年1月にかけて、他の専門業者に木造防音室の相談をしていた人にセカンドオピニオンとして対策の相談を受けました。

 

防音室の専門業者に防音壁が20センチ以上の厚さになり、天井が20センチ程度下がるという提案を受けたそうです。しかも金額が予想以上に高く、ご予算を超過してしまい、新築を目前にして途方に暮れているという内容でした。しかも、遮音性能がD-50程度しかないというものであり、これには流石に私も驚きました。

 

そこで、私のほうで音響・防音仕様を提示して、施工説明図と専門的な防音材のみ現場に納品する想定で、計画を再検討することになりました。

私のほうの設計ではD-50程度なら、在来工法の木造住宅では、防音構造は厚さ40ミリ~60ミリ程度でクリアできています。今回の件も比較的薄い対策で問題は解決できる見込みです。

 

結論から言いますと、在来工法の木造住宅で普通のグラスウール断熱材仕様ならば、防音構造の厚さは10センチ以下で十分です。

専門的な防音材を使用するなら、厚さ5センチ程度で十分と思われます。

 

なぜ、他の専門業者は木造防音室に、このような無駄に厚い対策を行うのでしょうか。プロとは思えないような仕様です。

私が担当した地方の木造建物では専門的な防音材も吸音材も使用しないで、木材と土壁・漆喰、木屑だけで壁面の遮音性能をD-45~D-50にすることができました。しかも、普通の木造住宅よりも約10センチ程度、天井と壁を厚くしただけです。