またまたすっかりご無沙汰してしまった。

 あともう少しで終わるが、4月に入ったとたんガタンと運気が落ちて右往左往。更新する余裕がなかった。


 夫の母が上旬に緊急入院。膵臓ガンだという。その前の週、新居に遊びにきてくれた時にはごくごくふつーに過ごしてたのに。連休後に手術するが、場所が場所だけに難しい手術になりそう、と聞き青ざめる。医学書などを読みあさる。ガンの中でも特に痛みがきついとの情報を得て、なんでまたと思い落ち込む。


 義兄から知らせを受けた4日後、今度は実家の母から連絡があった。どうにかこうにかふつうには暮らしているが、昨年から何度か小さな脳梗塞を繰り返している。主治医の当初の見立てでは、血圧の不安定さからきているとのことだったが、あらためて調べたところ、じつは心臓肥大が原因だったとのこと。


 入院までには至っていないが、夜中にふーっと気分が悪くなって倒れでもしたら、と思うとぞっとする。本人に自覚症状がないことが救いでもあり、心配の種でもあるのだ。病人扱いされることを嫌う母に、くれぐれも無理はしないようにと話す。いざ、という時には考えなければいけないが、母と同じ町内に暮らす妹と連携をとって様子をみていくしかないか。


 仕事のこともあり、病院や実家、バタバタと移動、移動で落ち着かない。深夜になってようやく床につくという状況。ふとんに入って2時間後、いきなり電話が鳴り飛び起きる。もしや、と思って慌てて電話に出たら、「もしもしボク」と。聞き覚えのある声に感じたが確証がもてず、

「えっ?」


 受話器の向こうからむっとした気配が伝わり、間が空いて再び「ボク」と。それでこちらも我に返り、「あの、どちら様ですか?」と言ったら、ぶちっと切れた。


 イタ電か? オレオレ詐欺か? よりによってこんな時に。でも、腹立たしさより、悲しみの気持ちの方が強く、その日はずいぶん落ち込んだ。いっきにいろいろありすぎてナーバスになってたんだと思う。だが、次第に冷静になり、あんなことして自分の欲求を満たそうとする奴はアホだ、と思いこんなことで傷つくのはやめにした。


 気持ち切り替えたら体調も戻り、今日はようやく普通。今日から仕事のため上京。ゴールデンウィーク前半は滞ってた事項を片づけることに集中しようと思う。後半はどうだろう? 予定は未定。 


 


 



いよいよ春が近づいてきたせいか、外出する機会が増えてきたせいなのか、髪とかお肌の調子が急に気になりだした。冬になると、どうしても乾燥しがちで。もっとケアしとけば良かった、と今更ながらに思う私。木曜日、デパートに行った際に思わず、SKⅡのフェイシャルトリートメントマスク買いましたわ。雑誌の付録に一枚ついてた事があって、試しに使ってみたらすごくしっとりしたので。


 髪の方は、昨日美容院へ。気分転換にと思い、全体にパーマをかけてみたがイメージと違う。前はこんな風にならなかったのになぁ。バレッタで留めて何とかごまかしてるが。しばらくあれこれ悩みそう。今度は別の美容院に行こう。


 私が住む地域って、お年を召した方でもキリッとおしゃれして素敵な人が多い。洋服だとか、バックとか靴とかいいもの持ってらっしゃるようだが、じっと見るにつけ、そういう事ではなくて髪とお肌の質感が大事なんだわ、と思う。あと言葉づかいとか立ち振る舞いの美しさ。


 この間、某デパート内に出店している和菓子屋の前で並んでいたら、すーっとマダム風な方が近づいてきた。通り過ぎようとしているのか、と思って後ろに下がったのだが、その人もそこで和菓子を買いたかったらしく、私の前でぴたっと立ち止まってしまった。ちょうどその時、他の買い物客もどっと集まってきてスペースが詰まってしまったので、私もマダムも動けないまま、あれ? あれ? と思っているうちに順番が来てしまった。


 店員がマダムに向かって「お次の方どうぞ」と言い、まぁ、そうなってもしょうがないなと思う流れだったので黙っていたのだが、、マダムは店員に向かってきっぱりと「いいえ。私ではなく、この方をお先に」と言い、私には「ごめんなさいね、前にきてしまって」と声を掛けてくれた。50代後半から60代の方だった。声の感じとか雰囲気すべてが素敵で思わず見とれてしまった。ああ、あんな風に年を重ねていきたい。


 まあ、当たり前といえば当たり前の話なのだが、どさくさに紛れて割り込んでくる人もいるからね。あと、勘違いして並んでただけなのに、その人に対してもの凄い剣幕で怒る人とか。どちらにせよ、心に余裕がなくて見苦しい。ちょっと声を掛け合えばすむことなのに。


 その方なんだけど、見た目も凄く素敵だった。じろじろ見たわけじゃないけど、一目みただけでもいい物だとわかる、仕立ての良いコート姿。バックやパンプスも同様、いかにもって感じのゴージャス感はなく上品な感じ。で、髪は綺麗な夜会巻き。いかにも主婦って感じではなく、ひょっとして女社長か何か? ってイメージの方だった。


 ある年代になっても美しさをキープしている人って、普段からいろいろ心がけている事があるんだろうなぁ。


 別にマダム路線を目指しているわけじゃないいのだが、年重ねてもあんな風に女でいたいなぁ、と思う。


 







 「医食同源」という言葉があるが本当だと思う。食材、食べ方、料理法、組み合わせ。それらのバランスが狂うと体に負担がかかる。人によっては大病に繋がって、寿命を縮める事にもなりかねない。


 私がアレルギー症状で苦しんでいた頃、友人のWさんも大変な状況にいた。今までこれといった病気もせず、何でも美味しく食べ、良く歩き、とっても健康的な生活を送っていたように見えていた彼だったが、一昨年の夏のある日、腹部に今まで感じた事がない痛みを感じ、それからしばらくの間大変だったのだそうだ。すぐにでも病院に行ければ良かったのだが、仕事が詰まっていて休むに休めず、必死で痛みに堪えながら過ごしていたらしい。


 ちょうどその時、彼は友人で漢方系のお店を開いている方からある本を薦められた。東城百合子さんの『家庭でできる自然療法 誰でもできる食事と手当法』。その方もまた、難病に冒されそれをきっかけに漢方の勉強をした人らしく、Wさんは友人の熱心な忠告に従って、しばらくの間本に書かれた内容を徹底的に実践してみたのだそうだ。


 症状の項目にあった手当法どおり、基本食を玄米ご飯に切り替え、びわ茶を飲み、梅肉エキスを飲む。二週間びっちりと。すると、ピーク時には転げ回るほどにまでなっていた痛みがしだいに消え、すっかり良くなってしまったらしい。念のためという事で、一区切りついたところで病院に行ったらしいが、問題なし。たぶん潰瘍か何かできていたのだろう、との事だった。


 ちょうど同じ頃、私も原因不明の咳に悩まされていたためWさんとは会えず、ずいぶん後になってその事を知った。「そんな無謀な」とは言ったものの、まあ無事治ったのならそれはよかった、とホッとした次第。で、そのWさんから東城さんの本について教えてもらったというわけ。


 東城百合子さんは、若い頃に、その当時死の病として恐れられていた結核になり、それをきっかけに自然療法に目覚め、研究をしてたくさんの著書を出しておられる方だ。いくつかの本はamazonなどでも買えるようだが、この本だけは直販。口コミだけにもかかわらず、昭和53年に初版本が出て以来、なんと現在850版まできている。知る人ぞ知る、大、大、大、大ベストセラーなのだ。


 とにかく、情報量が多くて驚く。各症状に合わせた手当の方法が書かれてあるのはもちろん、なぜそういう症状になったのか、という原因も書かれていて参考になった。ガンの項目などもあって、この療法で助かった人の実例なども載っていた。


 本を手に入れてから数日後、次男がものもらいになった。

 さっそくその項目を調べると、「胃腸が弱っている時ですから・・・・・・」と書かれている。目の病気なのに原因は胃? でも、すばりそうだった。育ち盛りとはいえ、ここのところの次男の食べっぷりは尋常でなく、ものもらいになる直前にバカみたいに大食いしていて、家族で「いくらなんでも」と言っていたところだったのだ。体の部位ってそれぞれに繋がっていて、バランスを崩すとどこかに歪みがくるんだな、という事がこの一件でとってもよくわかった。


 病気になるのには必ず原因がある。薬で症状を抑えようとするのではなく、食を通して体質改善していくというこの本の考え方は納得が出来たし、古くから伝わる日本食っていろんな面で本当に素晴らしいのだ、という事もよくわかった。毎日玄米食は大変でも、添加物をなるべく排除し、できるだけ糖質をおさえ、よく噛んで食べる。ただそれだけを心がけるだけでも、体質って変わってくると思う。


 Wさんは、もう何十人もの人にこの本を薦めているらしい。

 本屋では買えない本なので、興味のある方は版元の「あなたと健康社」に問い合わせるか、自然食のお店、「ナチュラルハウス」などでも手に入る。


 今日の一冊


東城百合子著「家庭でできる自然療法 誰でもできる食事と手当法」


 

東城 百合子
心を育てる子どもの健康食
望月 研, 東城 百合子
ビワの葉自然療法―体と心がよみがえる
東城 百合子
食生活が人生を変える―細胞が活気づく“自然療法”の知恵

 

 最近、というかここ数年の傾向だが、無性に長老達の声を聞きたくなる事がある。長い歳月生きてきた人特有の知恵というか、生きる姿勢を学びたいと思う。

 いつからだろう。この国の社会が、年老いた人々をやっかい者扱いするようになったのは。今の社会福祉あり方を見て、よくそんな事を思う。


 どの家庭も核家族になりお年寄りと接する機会が極端に少なくなってしまって、彼らの本当の底力に触れる事が出来ない。そんな状況を考える度、意図して、あえて足を運んででも、彼らのナマの声を聞いた方がよいと思うようになった。生きる知恵や戦争体験、この国を支えてきた伝統文化などを、知識ではなく肌で知っている人達とお会いしたい。


 数年前、糸井重里さん主宰の『ほぼ日刊イトイ新聞』で、数名の長老達を招き話を聴くイベントが開催された。WEB上で拝聴したが、それぞれの分野で第一線で活躍されてきた方々の話は深みがあり面白かった。大好きな、吉本隆明さんや谷川俊太郎さんなんかもいらして嬉しかった。私にとって、存在してくださるだけで嬉しい、という方達だ。


 残念ながら私には、祖父母はいない。父方、母方ともにだ。だからよけい、憧れの気持ちを持つのかもしれない。ためになるから聞かねばという姿勢ではなく、お目にかかれて嬉しいです、という気持ちを大事にしたい。吉本さんや、谷川さんの言葉に触れる時はもちろん。身近にいるおじいちゃん、おばあちゃん達と会う時にも。


 お年を召した方って、往々にしてご自身の中で達観してしまっているせいか、なかなか自分の意見を言いたがらない。私が、私が、と押しつけがましくなることを嫌い、いやいやワシなんて、というスタンスで生きていらっしゃる。でも、このままでいたら、一生貴重な意見を聞けなくなってしまう。こんなに高齢者が多い国なのにだ。私たちは、何てもったいないことをしているんだろう。


 吉本隆明さんの『真贋』は、いままで漠然としか頭になくて、でもなんかもやもやしてた疑問について、優しいが、でもきっちりと意見を述べてくれている本だ。今まで読んできた本もそうだけど、読む度にほっと出来る。何かにつけて世知辛い、嫌な方向に傾きつつあるこの国だけど、こんな大人がいてくれて良かった。そう思い、嬉しくなる。


 彼のように、今まで感じてきた事を惜しげもなく伝えてくださる存在は貴重だ。我欲に走ってない分、どんどん鋭く、透明度の高い言葉になってきている。この本に限らず、吉本さんが書き続けてくださる限り、読みたいと思う。


   今日の一冊

吉本 隆明
真贋


 伊坂さんの本を読んだのは、これがはじめて。

 書店で平積みしてあった一冊を手に取り、パラパラとめくったら仙台の話が出てくる。最近、プライベートで仙台のことを調べる機会があり、それで何となく、おや? と思って買ってみた。


 最近この傾向が続いていて、これまたたまたま書店で装丁とタイトルに惹き付けられた一冊を手に取ってみたら、冒頭部分になじみの地方名がバーンと出てて、買おうかどうか凄く迷ったり。まだ読んでないけど、桜庭一樹さんって人で、ライトノベルの作家さん。『少女に向かない職業』とか書いた人。名前だけ見て男性だとばかり思っていたが、女性だった。読もうかな、どうしようかな、とまだ思案中。

 伊坂さんだが、軽妙な文章だなと思った。あくまで想像だが、みんなをあっと言わせるような仕掛けを、ニコニコしながらあちこちに作ってる少年みたいな感じの人じゃないかな。昨日書いたように、その仕掛けがあざといと幻滅なのだが、発見できた側もやった見つけた! みたいに気持ちになれる感じでよかった。重い話でもドロドロしない。表題作の『フィッシュストーリー』はなるほどねぇ、とニヤリとさせられる展開。一番気に入ったのは『ポテチ』。

 一昨日、久しぶりに『ダ・ヴィンチ』を買ったら、「伊坂幸太郎大特集」だって。書店員がお薦めする作家、みたいな内容。直木賞候補になったり、『アヒルと鴨のコインロッカー』が映画化されたり。勢いあるんだね。


 そういえば、この映画には瑛太さんが出るらしい。TVドラマ『ウォーターボーイズ』に出ていた頃から何げに観てるが、いい感じの役者さんだと思う。それで思うのだが、『アンフェア』の映画化はどうだろう。彼が演じていた男が死んだ時点で終わらせた方がよかったような気がする。ドラマとスペシャルドラマまででね。まったくの余談だけど。



   今日の一冊

伊坂 幸太郎
フィッシュストーリー

 



 前の前の家に住んでいた頃は、駅近だったこともあり毎日2、3回は書店を覗いていた。3年くらい前の話だ。別に暇って訳ではなく、むしろかなりアクティブに仕事で動いていた時期だった。書店そのものが好きってこともあるが、仕事の合間にちょっと覗き、仕事帰りにちょっと覗くことで、無意識に息抜きしようとしていたんだと思う。


 その後、同区内で2回引っ越し。書店からやや離れた場所に移り、病気したこともあって行きたくても行けず、一時期はぐーんと頻度が落ちた。が、最近はまた復活して、でもその分やることも増えてきたので毎日行くのはやめようと思い、今は週2,3回のペースで落ち着いている。


 そんな訳で、行く度に何冊かまとめ買いする。買ったら喫茶店までお茶しに行って、コーヒー飲みながら手に入れた本をちょっと読む。で、その後食材買って家に帰るのがおきまりのパターン。


 私にとっては、そういった時間が最高の贅沢。洋服やアクセサリーや雑貨なんかもあれば嬉しいけど、好きな本を好きなだけ買うために働いている、といっても過言ではない。あとは、原稿書いて、家でコトコト料理つくって、家事して、合間の時間、良質な映画や舞台に触れることができれば。病気やその他もろもろ、ここ1,2年、嵐の真っ直中のような生活だったので、こういう何気ない時間が嬉しいのだ。


 この間、文藝春秋買って、第136回芥川賞受賞作、青山七恵さんの『ひとり日和』読んだ。いいなと思ったのは、この小説の中に、より日常に近い空気が感じられたから。


 じつは、受賞発表のニュースで、選考委員の石原慎太郎さんが、あまりにべた褒めしてたのを観て、それでかえって引いてしまっていたのだが、書店でちょっと立ち読みし、なんとなくいい予感がしたので買ってみた。


 選考理由も全部読んだ。淡々としたところがどうも、という評価の選考委員も一部にはいたようだが、みなさん好意的だったように思う。


 最近、ドラマティックにしようとするあまり、病的な領域に踏み込んでいくタッチの作品が多く、エグさがあっても納得できるところまで書ききってくれるならいいのだが、ただ、目立つ場面を書きたかっただけじゃん、と思うものが多々あって、食傷気味だった。突飛過ぎて感情移入できないというか。もちろん、突飛でも入り込める小説はたくさんあるのだが。


 主人公は、仕事の都合で中国に行くことになった母親にはついて行かず、遠縁にあたるおばあさんの家で暮らすことを選ぶ。彼女は、おばさんの家からアルバイトに通い、恋をし、別れを経験する。でも、感情の波はさほど目立たず静かな日常が繰り返される。同居してるおばあさんの方がアクティブで、社交ダンスに行ったり、彼氏を招いたりで、何だか楽しそうにしていてその対比が何となく面白かったし、主人公がそんなおばあさんに嫉妬に似た感情を抱くところや、中国に行った母親が現地の人と再婚するかもしれず、彼らと自分との関係について考える場面などが印象に残った。  



 昨日、以前録画しておいたケラリー・サンドロヴィッチさん演出の『噂の男』を観た。


 それぞれに嫌~な部分を持つ男達が、お笑いの舞台裏で、剥き出しのエゴを抱えつつ駆け引きしあうという話。セックス、ホモ、暴力、動物虐待、殺人、と随所にエグい表現をちりばめらながら、そこから笑いにもっていく。笑いといってもいろんな切り口があるんだな、と思いつつ観る。


 KERAさんっぽい舞台だったと思う。ちなみに私は、今まで観たKERAさんの作品の中では『カメレオンズ・リップ』のような、クライムコメディーが好き。


 いつも思うけど、役者って凄い。パンツ一丁で縛られたり、男同士でキスしたり。下手すりゃ大けがしそうな激しい乱闘シーンを演じたり。役になりきってないと絶対できないと思う。


 ところがだ、毒のある場面をゲゲーッと思いつつ観て、さあ、これからどう展開していくの? というところで何故か録画がブチッと切れてしまい、呆然としてしまった。


 舞台後半。漫才師の相方が、ボイラー室の事故に遭う場面あたり。ううっ、あそこまで観たのに。結末が知りたい。観た人がいたら、教えて欲しい。


 そんなことがあり、昨日は、もうそれ以上何も観る気がしなくって、本を読んだだけで寝た。


 読むペースで記事書けばいいのだが、ついつい先延ばしにして書けてないなぁ。まぁ、そのうちに。







 子供のため、わずかながらに掛けておいた学資保険が満期となり、受領手続きをしに郵便局まで行って来た。


 指定の用紙に必要事項を記入し、金額を計算してもらい、さあ受け取りという段階になった時、職員からある書類を手渡され、「お手数ですが、この書類にもサインと印鑑をください」と言われた。


 その書類とは、保険契約時から現在まで被保険者および、契約者は前と同じ性です、ということを示すもの。なんでも、性同一性障害によって性別が変わるケースが出てきて、法律が改正されたのだそうだ。


 「へぇ、凄いね~」と私。すると、職員のお姉さんも、「そうなんですよ、ばかばかしい話なんですが。法律にかかわることなんですみません」と言っていた。ばかばかしい、というのは本音だろうな。わざわざ時間とって、誰のために必要なのかいまいち解らない書類をお客に書かせることに対する、お姉さんの葛藤が何となく解った。そもそも、本当に厳密にセクシャリティを証明しようと思ったら、あんな紙一枚なんかじゃ無理だものなぁ。でも手続き上、必要だと。


 それもこれも時代の流れという奴だな。法律が変わり、郵便局も変わる。いま時だなぁ、と思って。なかなか感慨深い話であった。

 



さっき、「富士通 FMV」のCMを観てて、そういえば、と思いだしたことがあった。あのCMの赤ちゃん編で、木村拓哉さんの相手役をしている女優さん。あの人面白いよねぇ~。


 彼女は、FMVの別バージョン。手品編のCMで、これまた木村さんと共演している松尾スズキさん主宰の劇団「大人計画」に属している女優さん。


『恋のチカラ』で、深っちゃんの友人役として出ていた頃から何となく注目してて、その後、ライフカードのCMで、専務の娘役でオダギリジョーさんと共演してたり、昨年観た大人計画の舞台『ウーマンリブ先生』でも、松尾さん演じる小説家の後を追いかける、とっても濃ぃーーいお色気ムンムンの愛人役を演じておられ、どの役も何か良くて印象的だったので、見かける度に、あっ、あの女の人だ! と思っていたのだった。


 気になりながらもお名前までは知らず、ここ何年もそのままにしていたのだが(舞台観たんだから、その時点で気づけよ、私) さっき思い立って検索したら、猫背椿さんという名前だった。ねこぜつばき。いいねー。名前からして個性的で。好きだわ、ああいう女優さん。


 別に書かなくてもいいことだが、ふとした思いつきのお陰で、ここ数年ずっと抱えていた疑問が解決した記念に。で、これからも注目していこうと思った次第。 

 先日、『ひとつ、村上さんでやってみるか』 を読んだ。

 期間限定で開設されたフォーラムに寄せられた読者からのメールに対して、村上春樹さんご自身が返答していくという内容で、ウェブ上でのやりとり832通の中からさらに絞られたものが書籍化された。3ヶ月間という短い期間の中で、膨大な量のメールにすべて目を通し、答えるという作業は、結構な力仕事だったのではないかと思う。


 私が、こういう形式の村上さんの本を読んだのは、『そうだ、村上さんに聞いてみよう』 からだったのだが、期待以上に面白くって、村上春樹って、こんな人だったの? といい意味で裏切られた。


 まじめなようでいて不真面目。堅くなく、かといって柔らかすぎず、音楽、マラソン、エッチな話から、政治に関する話まで、何でもござれのスタンスが気に入った。


 村上さんといえば、デビュー作から2,3冊まで読んだところで私には合わないと思い、以来、ずっと敬遠していたのだが、この本をきっかけに、小説からエッセイから結構読んだ。何がきっかになるか解らないものだ。


 今回の本は、原稿書きが佳境に入っていた頃に読んだので、毎日少しずつ、ちびりちびりとページをめくり、数日かけて完読した。面白かったし、いい気分転換になった。


 で、読んでいて気になったのは、「クリスピー・クリーム・ドーナッツ」&「ダンキン・ドーナッツ」についてのやりとり。村上さん、どうやらドーナッツ好きらしい。


「クリスピー・クリーム・ドーナッツ」が日本上陸したとかで、読んでいるうちに食べたくなってきた。今のところ、本場アメリカまで行けるあてはないので、日本に限るわけだが、店舗は都内しかないので実行するのは結構大変かも。でも、諦めないで、いつか食べたいと思ってる。



  今日の一冊
村上 春樹, 安西 水丸, 村上 春樹
「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?