真利子監督、商業映画デビューの一報を知ったのは松江哲明監督のツイートでした。
真利子、待たせすぎだよ。“@yusukemonma: いよいよ! 脚本は「桐島、部活やめるってよ」の喜安浩平さん。 RT @WVH11 真利子哲也監督、待望の劇場用長編デビュー作、オール松山ロケで始動! エキストラ募集開始! http://t.co/CyUWiRa1Jl …”
— 松江哲明 (@tiptop_matsue) 2015年5月7日
確認して見ると2015年5月。ちょうど1年ほど前。
「桐島、部活やめるってよ」の喜安浩平さんとの共同脚本だというのも知って期待に胸を膨らませたわけだけど、まさかこんなネクストブレイクの回転寿司みたいなキャストの作品になるなんて。
DISH//のTAKUMIくんこと北村匠海くんの出演もあり、EBiDAN界隈でも見に行く人が多く一体どんな感想を持ったのか気になるけど、この手の映画を見に普段足を運ばないであろう小さな映画館に出掛けてくれること自体が嬉しくもあるのです。
【ディストラクション・ベイビーズ】
監督:真利子哲也
脚本:真利子哲也/喜安浩平
出演
柳楽優弥:芦原泰良、菅田将暉:北原裕也、小松菜奈:那奈、村上虹郎:芦原将太、池松壮亮:三浦慎吾、北村匠海:健児、三浦誠己:河野淳平、でんでん:近藤和雄
◆ストーリー◆
ケンカばかりしている泰良は、ある日ふと弟・将太の前から姿を消し、強い相手を求めてストリートファイトさながら獣のように繁華街を彷徨うようになる。
泰良を見つけた裕也は「おもしろいことをしよう」と声を掛け、行動を共にするようになる。
通り魔のように人を襲い、車を強奪し、女を誘拐ー。
報道が過熱し警察が動き出す中、暴れだした狂気が行き着く場所は……。
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私が真利子監督を知ったのは2011年にテアトル新宿で「NINIFUNI」を見たのが最初。
当時、ももクロのヲタクだったのでブレイク前(諸説あり)のももいろクローバーが出演していることに興味を持ったのでした。
おもしろいかおもしろくないかでいったらおもしろい。
好みか好みじゃないかでいえば、好みじゃない。そんな印象を持ちました。
その後、「311仙台短篇映画祭映画制作プロジェクト作品『明日』」で短編を見ました。
2本とも、じっとカメラが構えてられる人だなあと思いました。
映る対象と距離を取って、映像の中に流れる一生の時間と向き合うような、ずっとこの時間が続いて終わらないんじゃないかと感じる映像を撮る人って印象です。
それは今回の「ディストラクション・ベイビーズ」でハイコントラストな俳優と今までにない高いカメラで撮ってそうな商業映画でも変わらずでした。
とにかく暴力シーンが多いのですが、ある意味で派手さがない。
アクション映画のようなスカッとした快感はなく、ベチッと拳が相手の肉そしてその下の骨にぶつかる音が生生しく響き、繰り返されます。
後半、車を奪ってどんどん状況が悪化していくのですが、一向に物語がすごーく盛り上がって転がっていくわけでもなく、派手に解決するわけでもない。
これいつまで続くんじゃい! と、5年前(!)に「NINIFUNI」を見たときとまったく同じ心持ちになりました。
圧巻なのは主演の柳楽優弥。
「闇金ウシジマくん Part2」で頭のおかしい男を演じたときにもっとこうゆうの見たい!と思ったやつ!
これこれこれこれ! 私こうゆう柳楽優弥が見たかったんですよ!
食べたり歩いたり話したりするように人を傷めつける泰良。
思考回路全く理解できない、1ミリも感情移入できないのに圧倒的存在感と説得力。
すごい、すごいわ、柳楽優弥。
この怪優・柳楽優弥を柱に、菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎とネクストブレイク俳優が輝く。
まずこれだけの新星を松山市に集めて真利子監督に撮らせたのがスゴイ。
誰がどうやってこんな素晴らしい舞台を用意したの。すごい。こわい。
というわけで、もう映像としてものすごいことが起こっているので、そこだけで見ても損はないと思います。
気持よくならないかもしれませんけど、とにかくすごいんですよ。
一方で、物語としてどう感じたかみたいな話なんですが、警察もっと頑張ってと思いました。
まあ、警察が冒頭から頑張ったら全然話が進まないので置いておいて。
裕也クズですねえ~、泰良が強いやつにしか向かっていかないのに対して、あいつ弱いやつしか殴りませんからね。
泰良の上着着てからの調子こきっぷり。まさに虎の威を借る狐!!
どのキャラクターも平凡な部分があると共に、暴力的な一面が曝け出される。
そこにきっかけはあれど理由はない。
刹那的で衝動的な爆発であるのが良い。
若者たちの衝動と古くから伝わる伝統行事である喧嘩御輿との対比もいい。
誰にでも条件が揃ってスイッチが押された瞬間に狂気が走り出すのだと。
薄皮1枚下の怪物が、ヒリヒリと存在を誇示してくるようでした。
EBiDANヲタクがどんな感想を持ったのか、誰かに会ったら聞いてみたい。
でも、きっと映画見慣れてない人は困ってるんじゃないかな、なんと言ったらいいのか。
すげえ、びっくりした、でいいと思うんだけど。
■2016 RECORD■
ライブ……39 舞台……5 映画……8 その他イベント……6
※未レビュー追加
5/18ボイメン研究生ラジオ収録
5/21ボイメン研究生テレビ塔
5/27ボイメン研究生頼我くん1日店長
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