大相撲の初場所では、大関・琴奨菊が日本出身の力士として、

実に10年ぶりに優勝しました。

本当におめでとうございます。


実は、ちょうどその千秋楽の日、私は奈良県葛城市にいました。

葛城市は相撲発祥の地として知られ、そこには本場所と同じサイズの

土俵を持つ相撲館「けはや座」がありますが、

実は私、そこにいたのです。


『日本書記』に、当地の暴れん坊で、相撲の開祖といわれる

「當麻蹶速(たいまのけはや)」 と、

隣地の勇士「野見宿禰(のみのすくね)」

との相撲対決が記されていますが、「けはや座」は、
「當麻蹶速」を記念して建てられた記念館です。


『日本書記』では、「野見宿禰」が垂仁天皇の命により

「當麻蹴速」と相撲で対決するために出雲国より召喚され、

我が国初の天覧試合の結果、「當麻蹴速」を倒し、

大和国當麻の地(現在の奈良県葛城市當麻)を与えられた、

と記されています。


今回、私の友人である吉本興業の河内家菊水丸さん

(葛城市相撲館名誉館長)が、

『日本書記』での対決を題材に脚本を書き下ろし、

喜劇 『勝つ!當麻蹴速』が「けはや座」で上演されることになりました。


菊水丸さんは、知事時代から私の“土俵入り”を応援してくださっていましたが、

今回、「劇で夢をかなえたら?」と、呼びかけてくださり、

私は、架空の人物「古代日本相撲連盟理事長」の役で、

なんと、土俵に上がらせていただいたのです!


(大阪府知事時代、大阪で開かれる春場所の優勝力士に

知事賞を授与したいとお願いしましたが、
大相撲の伝統に阻まれて土俵に上がることができなかった、

ということをご存知の方もおられるかと……。)



知事時代には、女人禁制の伝統との戦いに敗れましたが、

この日、こうやって立派な土俵に上がることができて、

自分なりに区切りがつきました。



私にとっての「千秋楽」、ですね。