STRONG   (作品)   押川 | 押川雲太朗の万事いいかげん

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漫画家 押川雲太朗のブログ。日々の何でもない事や、たまに仕事の告知など、書いていきます

近代麻雀オリジナルが無くなってから1年近くになる。


私はそのなくなる前の10年以上前から

休んでいる時期もあったが、

ずっと近代麻雀オリジナルに漫画を描いていた。


そのうちの一つが「STRONG」である。


かし、「STRONG」を描いているころから

近代麻雀オリジナルは苦しい状態にあったのだと思う。



「この話だと雑誌が伸びないので

違う話に変えてくれ。」


と編集長に言われ

「STRONG」は終わった。


結局その後も近代麻雀オリジナルに描いた作品は

雑誌の低迷もあって尻きりトンボに終わってる。


もちろん、雑誌が儲かるほどの作品を

私が描けなかった事もその原因の一つなのだが…。


その「STRONG」を今回デジタル化することにしたので

少しこの作品について書こうと思う。




この作品は当時の雀荘や競技麻雀の現状を舞台に、

麻雀好きな若者達の

典型的なパターンの人物達を描こうと試みたものだ。



破滅を恐れずただ突き進む五郎。


高学歴であるのにも関わらず

麻雀に惹かれ麻雀の世界に入った牧。


大金持ちのボンボンで

遊び人の秀。



これはある種、麻雀を嗜好する若者の

誰もが持っている要素だと思う。


三つ全ての要素を持ち合わせている人もいれば

二つの人もいるが…。


割とリアルな路線で描いたつもりだが

その分話に大きな山が作れず、

展開が地味になったかもしれない。



ところで、今連載している「麻雀小僧」にも

「STRONG」と同じような人物が登場する。


ボンボンの国枝と

頭の固い田中である。


実は「STRONG」では、

競技麻雀の世界も私なりに描きたかったのだが、

前述した事情により描くことが出来なかった。


実はこの作品の最後は

三人の登場人物が競技麻雀の決勝卓であいまみえる

という絵を思い描いていた。


そこまで描くことが出来なかったのは

少し残念に思う。


「麻雀小僧」でまー坊や、田中、国枝が

競技麻雀をする話などやる予定はないし…



ただ、「STRONG」に描かれている三人は

「麻雀小僧」に描かれている

若い登場人物たちの原型でもある。


そういう見方で「STRONG」を見ていただければ幸いである。


「STRONG」 第1巻

http://p.booklog.jp/book/86805