どうも、はちごろうです。


最近、3DSのあるゲームをやってるんですが、
攻略本を読むことを前提に作られているというか、
やっててもなんだかわかんないことが多くて実に面倒。
そもそも紙の説明書がないというのも意味がわかんないし。
そういう発想は、古いんでしょうかね。
さて、映画の話。




「モンティ・パイソン ある嘘つきの物語 グレアム・チャップマン自伝」











世界中に熱狂的なファンを持つ英国のコメディ集団モンティ・パイソン。
そのメンバーで唯一鬼籍に入っているグレアム・チャップマンが
生前録音していた自伝の音源を元にして作られたドキュメンタリー。




And now,something completely different...



もはや伝説の域に入った英国のコメディ集団モンティ・パイソン。
先日も約30年ぶりに再結成が発表され、
ライブのチケットが1分経たずに売切れたことが話題になりました。
「Monty Python's Flying Circus(邦題:空飛ぶモンティ・パイソン)」は
日本でも例えば関根勤や小堺一機などがファンを公言し、
「オレたちひょうきん族」などのお笑い番組にも影響を与えた
世界的にも有名なコメディ番組だった。
英国名門大学卒の主要メンバー5人による寸劇(スケッチ)と
のちに映画監督として成功するテリー・ギリアムによる短編アニメで構成され、
いわゆる「バカを容赦なく笑いものにする」という毒の強い笑いを志向する。
その対象は上流階級から下層階級まで容赦なく、
しかもそれを国営放送のBBCでやるというすごさ。
社会風刺とブラックジョーク、ナンセンスギャグの教科書として、
お笑いを志す者にとっては基礎教養だったんですよ。
(まぁ、日本のモンティ・パイソンのファンは彼らの笑いというよりも
 広川太一郎や納谷悟朗、山田康雄といった吹き替えキャストの
 アドリブ満載の演技にしびれた人が多かったんですが)




本作の主人公、グレアム・チャップマンについて



さて、そんなモンティ・パイソンのメンバー、
通称パイソンズの主要メンバーで本作の主人公グレアム・チャップマンは、
メンバーの中では主に上流階級の人間や軍人など
横暴な権力者を演じることが結構多かった。
だが当のチャップマン自身はケンブリッジ大学で医師を志すも
同大学で知り合ったメンバー、ジョン・クリーズとお笑いの道に進み、
そして同性愛者であることをカミングアウトするなど、
当時としてはセンセーショナルな言動で有名だった。
「空飛ぶモンティパイソン」をやっていた頃には
深刻なアルコール依存症にも陥っており、
その影響は後年に至るまで続いたようだ。
そして1989年、喉頭がんで48歳の若さで死亡する。




ドキュメンタリーというよりは、アニメとして



さて、本作は彼が無くなる3年前に自身で録音した、
自分の生い立ちから当時に至るまでを回想した音源を使い、
それをさまざまなアニメ作家が短編の形式で映像化している。
そのバリエーションの豊富さが実に楽しかったですね。
戦時中に生まれ、幼少期に町中で死体を見ることが
さほど珍しくなかった経験がトラウマになってるとか、
勉学にいそしむ自分と両親、特に父親との不仲。
ケンブリッジ大学入学後に自分の性的嗜好が
7:3の割合でゲイだと気づいたことや、
アルコールに依存していたときの闘病生活などを、
あるときはセルアニメ調で、またあるときはCGで紙の人形っぽく、
またある場面では油絵の具を指でなぞって描くなど、
むしろアニメーションのファンが見るべき内容になってます。
ただ、肝心のチャップマンの証言自体が実は問題で、
彼は自らの過去を回想しているんですが
かなり頻繁に嘘や冗談を潜り込ませてくるんですね。
だからどこまで信用していいかが実は少し曖昧なんです。
そういった意味では、本作はドキュメンタリーとしては
ちょっと一筋縄ではいかないというか、
話半分に聴いていくしかないような気がしました。


とはいえ、モンティ・パイソンのファンはもちろん、
アニメーションのファンにも、(決して日本のアニメファンではなく)
楽しめるような内容になってると思います。
・・・・・いや、参ったな。少々リアルすぎるw



[2013年11月24日 新宿ピカデリー 7番スクリーン]