どうも、はちごろうです。


実は土曜日に奥歯の詰め物が取れてしまいまして。
で、昨日行きつけの歯医者さんで治療をしたんですが、
ここに来ての思わぬ散財に少し懐が痛いです。
さて、映画の話。




「42 世界を変えた男」











米大リーグ史上初の黒人選手ジャッキー・ロビンソンの伝記映画。
彼を入団させる球団オーナーにハリソン・フォード。
1945年秋、まだ公共の場での人種差別が慣例化していた時代。
ブルックリン・ドジャースのブランチ・リッキー会長は、
黒人専門の野球チーム、カンザスシティ・モナークス所属だった
俊足・好打のジャッキー・ロビンソン選手を
傘下のモントリオール・ロイヤルズに入団させる。
ブランチ会長は予想される世間の反発に対し、
「やり返さない勇気が持て」とジャッキーを命令する一方、
彼の身の回りの世話をさせるために
黒人の新聞記者ウェンデル・スミスを同行させる。
ロイヤルズでの活躍を見たブランチ会長は、
翌年の1947年、彼をドジャースに昇格させる。




差別問題は現在進行形の大問題



黒人初の大リーガー、ジャッキー・ロビンソン。
彼の功績をたたえて年に一度、全ての大リーガーが
彼の背番号42のユニフォームで試合をする。
それは全ての選手が人種によって差別されない、
平等であるという意思表示であり、
背番号42は全球団共通の永久欠番となっている。
ここ数年、例えば昨年の「ヘルプ 心がつなぐストーリー」だとか、
今年もスピルバーグの「リンカーン」などが公開されるなど、
白人による黒人差別の問題を扱った作品が作られてるけど、
それだけ人種差別という問題は米国の重要な、
現在進行形の社会問題ということなんでしょうね。




アクションスター、ハリソン・フォードの円熟



主演のジャッキー役は新人の俳優さんなんだけど、
ブランチ会長役はスター俳優のハリソン・フォード。
「スターウォーズ」のハンソロ役でブレイクして、
「インディ・ジョーンズ」シリーズだとか
「ジャック・ライアン」シリーズだとか数多くの作品に出演し、
80年代から90年代にかけてトップスターの地位にいた俳優。
ま、非常に業界に貢献してきた俳優さんだったんですが、
ここ最近はあんまり目立った活躍をしてなかった印象がある。
けど本作でグッと渋みを増した役に挑戦した。
なんかねぇ、お古い映画ファンにとっては、
この流れって「アンタッチャブル」でオスカー獲ったときの
ショーン・コネリーを思い出すんですよねぇ。
彼も007シリーズで人気が一段落した後、
少し不遇な時期があったのを経て
「アンタッチャブル」で完全復活という感じでね。
だから、もしかしたらこれをきっかけに
彼が再び一線に返り咲いてくるかもしれないなぁ、と感じます。




正直、後味淡泊でさらりとしすぎ



とはいえ、物語自体は非常に淡泊というか、
表面的な部分だけを紹介した感じにしか見えなかったんですね。
ジャッキーとブランチ会長に降りかかる差別と偏見は
もっと過激で悪質なものだったと思っていたんですが、
正直「こんなもんか?」って感じでした。
おそらく白人をあまり悪く描きすぎると
白人の観客が嫌がるからなのかもと思うのですが、
なんか物足りなかったですね。行儀が良すぎるというか。
それに彼が登場したことで世間がどう反応したのかというのも
そんなに詳しく描かれてないんですね。
せいぜいスタンドの白人が騒いでるくらい。
そういうのもジャッキーの偉大さというか、
どれだけ彼の登場が当時すごいことだったのかというのを
印象付けるもんだったと思うのですが。


でも、良いシーンは結構あるんですよ。
例えばスタジアムで親子連れのお父さんがジャッキーを罵倒しだして、
嫌々ながら子供も一緒になって彼を罵倒するんですが、
ジャッキーとチームメイトが肩を組んでる姿を見て、
子供がジャッキーを罵倒した自分に幻滅するシーン。
この、3分に満たないシーンで差別が次世代に継承される構図と、
その差別を打開するための一つの手段が
ごく自然に描かれてたりしてるし。
まぁ、可もなく不可もなくってところですかねぇ。
(すいません、淡泊な話だったんであんまり印象に残りませんでした。
 だから感想もいまいちテンション上がんなくて。ホント、すいませ~ん)



[2013年11月10日 ユナイテッド・シネマとしまえん 7番スクリーン]