どうも、おささです。

現地時間で24日朝5時半、日本時間で24日午後10時半ですから
いまからほぼ24時間後に第84回アカデミー賞の候補作品が発表されます。
今年の傾向としては限られた作品にノミネート候補が絞られてきているというよりも、
数多くの作品が数部門ずつ候補を分け合っているといった様相のようです。
ということで、ノミネートが期待される作品をいくつか紹介したいと思う。


・「アーティスト」 (4月7日公開予定)

1920年代、無声映画からトーキー映画に移行するハリウッドを舞台に
無声映画のスターと駆け出しの女優の栄光と転落を描く。
フランス映画で、モノクロで、しかも台詞なしであるにもかかわらず、
目下作品賞の大本命と目されている一本。
そして主演のジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョが
ともに主演男優、主演女優賞の有力候補に。

・「ブライズメイズ(原題)」  (公開未定)

友人の結婚式の介添え人(ブライズメイズ)に選ばれた女性達の
駆け引きや友情を描いたコメディ映画。
主演のクリステン・ウィグ、助演のメリッサ・マッカーシーが
共に主演・助演女優賞候補になる期待。

・「ファミリー・ツリー」 (4月公開予定)

ハワイを舞台に、妻の事故をきっかけに家族の大切さを見つめ直す
エリート弁護士の葛藤をコメディタッチで描いたドラマ。
監督のアレクサンダー・ペイン、主演のジョージ・クルーニーが
ともに監督賞、主演男優賞の有力候補。
娘役のシェイリーン・ウッドリーが助演女優賞の候補の可能性。

・「ドライブ」 (3月31日公開予定)

裏稼業に手を染めたハリウッドのカースタントマンが
愛する女性のために組織に戦いを挑むクライムアクション。
監督のニコラス・ウィンディング・レフンが監督賞、
主演のライアン・ゴズリングが主演男優賞、
共演のアルバート・ブルックスが助演男優賞候補の可能性。

・「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」 (2月18日公開予定)

9・11テロで父親を亡くした少年が父の遺品から鍵を見つけ、
その鍵に合う鍵穴を探して街をさまよい歩くさまを描いたドラマ。
監督のスティーブン・ダルドリーが監督賞候補の可能性。

・「ドラゴン・タトゥーの女」 (2月10日公開予定)

スウェーデンの大ヒットサスペンス小説をハリウッドでリメイク。
監督のデヴィッド・フィンチャー、主演のルーニー・マーラが
それぞれ監督賞、主演女優賞候補の可能性。

・「ヘルプ ~心がつなぐストーリー」 (3月31日公開予定)

人種差別がまだ根強い60年代の米南部の町を舞台に
作家として自立したい主婦と黒人メイドとの友情を描く。
主演のヴィオラ・デイヴィス、助演のジェシカ・チャスティン、
オクタヴィア・スペンサーが、それぞれ女優賞の有力候補に。

・「ハリー・ポッターと死の秘宝 part2」 (公開済み)

J・K・ローリングの世界的ベストセラーファンタジー小説の完結編。
主な批評家協会賞からはそっぽを向かれているが
技術部門でのノミネートの可能性、そして作品賞候補もありえる?

・「ヒューゴの不思議な発明」 (3月1日公開予定)

「レイジング・ブル」「ディパーテッド」のマーティン・スコセッシ監督が
世界的ベストセラーのファンタジー小説を自身初の3D映画化。
火事で父親を失い、駅の時計台に住みついた少年の冒険が描かれる。
マーティン・スコセッシが監督賞の有力候補に。

・「スーパー・チューズデー ~正義を売った日~」 (3月31日公開予定)

「ファミリー・ツリー」のジョージ・クルーニーが監督を務める政治ドラマ。
理想に燃える若き政治活動家が大統領選の情報戦に巻き込まれる。
主演のライアン・ゴズリングはここでも主演男優賞の候補に。
助演のフィリップ・シーモア・ホフマンが助演男優賞候補の可能性。
そしてジョージ・クルーニーにも監督賞候補の可能性が。

・「メランコリア」 (2月18日公開予定)

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督の新作。
巨大惑星が接近しつつある地球の人々の心の動きを描く。
キルスティン・ダンストが主演女優賞候補の可能性。

・「ミッドナイト・イン・パリ」 (5月26日公開予定)

巨匠ウディ・アレンの新作はパリを舞台にしたファンタジー。
売れない小説家の青年が深夜のパリの街を徘徊するうち、
華やかなりしころのパリの芸術家たちと出会う。
作品賞、監督賞の候補の可能性も。

・「マネーボール」 (公開済み)

マネーボール理論という独自の選手査定方法を用いて
貧乏球団を再建させたクリーブランド・インディアンズの物語。
主演のブラット・ピットが主演男優賞の有力候補。
そして助演のジョナ・ヒルが助演男優賞候補の可能性も。

・「マリリン 7日間の恋」 (3月24日公開予定)

伝説のスター、マリリン・モンローの秘められた恋に迫るドラマ。
主演のミシェル・ウィリアムズが主演女優賞の有力候補。
助演のケネス・ブラナー、ジュディ・デンチが
共に助演男優・女優賞候補の可能性。

・「裏切りのサーカス」 (4月公開予定)

スパイ小説の大家ジョン・ル・カレの代表作を映画化。
作戦の失敗で諜報機関を引責辞任したスパイに
まだ組織内に残る二重スパイを探し出す任務が下る。
主演のゲイリー・オールドマンに主演男優賞候補の期待。

・「ツリー・オブ・ライフ」 (公開済み)

巨匠テレンス・マリック監督の映像叙事詩。
厳格な父に育てられた男が、少年時代を、家族を回想する。
監督のテレンス・マリックに監督賞候補の期待。

・「戦火の馬」 (3月2日公開予定)

第1次世界大戦に徴用された一頭の馬の運命を描く。
スティーブン・スピルバーグに監督賞候補の期待。


作品賞、監督賞候補作品を中心に解説しましたが、俳優部門の有力候補としては、

「J・エドガー」でFBIの初代長官エドガー・フーバーを演じたレオナルド・ディカプリオ、
「SHAME -シェイム-」でセックス依存症の男を演じたマイケル・ファスベンダー、
「テイク・シェルター」で災害の悪夢に取りつかれ
 地下シェルター作りに固執する男を演じたマイケル・シャノンなどが主演男優賞、
「アルバート・ノッブス」で男装して執事になる女性を演じたグレン・クローズ、
「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」でサッチャー首相を演じたメリル・ストリープ、
「ヤング≒アダルト」でアラフォーの作家を演じたシャーリーズ・セロン、
「少年は残酷な弓を射る」で悪意と執着心を持つ子の母親を演じたティルダ・スウィントン、
「おとなのけんか」のジョディ・フォスターとケイト・ウィンスレットなどが主演女優賞、
「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」でサッチャーの夫を演じたジム・ブロードベント、
「J・エドガー」でフーバーの右腕として働いた男を演じたアーミー・ハマー、
「人生はビギナーズ」でゲイをカミングアウトした老人を演じたクリストファー・プラマー、
そして「猿の惑星:創世記」で猿を演じたアンディ・サーキスなどが助演男優賞、
「SHAME -シェイム-」で主人公の妹を演じたキャリー・マリガンが助演女優賞に
いずれもノミネートされる期待がかかっています。


オスカーノミネーションは明日の今頃の予定。
今年も候補作品、候補者の結果を速報したいと思います。