日本酒、誕生の瞬間!~上槽(じょうそう)~ | 日本酒を愉しむ

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上槽(じょうそう)とは?

発酵が終わった醪(もろみ)を搾り

原酒と酒粕に分ける作業のこと
です。

醪を搾って初めてお酒になります。

この搾りたての原酒が新酒です。想像するだけで華やかな香りが(^▽^;)

タイミングは杜氏さんが醪の状態(アルコール度数が20%近くになると

酵母は発酵を停止します)を確認し決定されます。

杜氏さんはタイミング以外にも搾る方法、搾り出てくるタイミング

上槽による酒質への影響など全ての要因を加味して決定されます。



上槽の方法は?

〇 槽(ふね)搾り 

〇 袋吊り

〇 自動圧搾機



槽(ふね)と呼ばれる木製の舟形容器に醪を入れた酒袋を並べます。
初めは自重あるいはゆるやかに圧力をかけて搾っていきます。
圧力が自動圧搾機より弱いため雑味が少ない味わいに。
昔ながらの方法で高級酒の上槽に用いられることが多いそうです。

袋吊りは醪を入れた酒袋を吊るしまったく圧力をかけず自然に
したたり落ちてくる雫を集める方法です。もっとも手間を要する方法です。
雑味が極限まで抑えられたきれいな味わい。最高級品の搾りに用いられます。
限定の大吟醸酒や鑑評会に出品される日本酒の最高の芸術の域に達します。

自動圧搾機は最も一般的な上槽の方法です。
「ヤブタ」と呼ばれる巨大な圧搾機が使われることが多いそうです。
上部から醪を注入して空気圧で搾り出す仕組みです。
安定した搾りが可能です。


この上槽で誕生する新酒は搾りのどの段階で出てきたかによって
呼び方が変わります。

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フレッシュで荒々しさのある搾りたてのお酒の魅力を!



あらばしり(荒走り、新走り)

何といっても華やかな香り、そして荒々しくフレッシュな味わい!
醪を搾った時、1番最初に出てくる薄く濁ったお酒です。

中取り【なかどり】(中汲み【なかぐみ】、中垂れ【なかだれ】)

味、香りのバランスに優れた味わい!
鑑評会に出品されるお酒に中取りが選ばれることが多いです。
あらばしりの次です。いつか酒蔵さんで中取り飲みたい(*^▽^*)
至福の時ですね!

責め(攻め、後取り)

より多くの成分が凝縮されるのでアルコール分が高めで濃醇な味わい!
中取り後の最後に圧力をかけて搾り出てくるお酒です。


袋吊りの別名を

袋吊り(袋取り) 醪を袋に入れ吊るすことから

雫取り、雫酒   雫がしたたり落ちることから

斗瓶取り、斗瓶囲い 斗瓶(とびん)で採取しそのまま斗瓶で貯蔵することから


密かに上槽の時期の蔵見学を今年は狙って行きたいです(笑)