グライダーの様な羽を使って動き回り、
砂地でゴソゴソと3本の足で餌を探しながら方々歩き回る上に、
鳴き声まで出す
こんな魚がいるなんて…と思うかもしれませんが、
これ、実はごく身近な魚であるホウボウの生態なんです
人間はご飯を食べると、
舌を通じて甘味・辛味・苦味・酸味・塩味などを感じます。
では、魚はどこで味を感じているのでしょう?
人間も魚も同様に持っている味を感じる器官は、
「味蕾~みらい~」といって、
表皮組織の中に埋め込まれた様な小器官で、
名の通り花の蕾の様な形をしています
味の刺激は、神経を伝わって脳の神経を伝わり、
脳の味覚中枢に送られて「味」として感知します
魚も種類によって異なりますが、
色んな味を感じる事が出来るんです
(海水魚は塩味・苦味・甘味に対して淡水魚より反応が弱いそうです)
人間は、舌にその味蕾がありますが、
魚は口内の天井部・唇・エラの上に多数ある他にも、
種類によっては口髭や、鰭を含めた体のあちこちにあるんです
これは、全身が水に触れているが故であり、
中でも鰭や髭に味蕾を持つ魚に関しては感覚神経にもつながっているので、砂や泥の様な場所でも餌を探しだす事が出来ます
ホウボウも、この味蕾を便利に使いこなしている魚
海底をグライダーの様に泳ぎ回る時に広げる見事な円形の鰭だけが胸鰭と思われがちですが、
その胸鰭の前側にある3本の足の様なものも実は胸鰭
下部の軟条が離れて太くなった足の様なこの胸鰭は
「遊離軟条」といって、
先端に味蕾があり、海底を歩く以外にも、
砂に差し込んで隠れたゴカイなどの餌を探し出し、
スコップの様な形状の顔を上手い事使って捕食しているんです
ちなみに、
口に入った個体は鰓耙でこされ、
鰓の上にある味蕾で瞬時にエサと異物に識別して、
飲み込むか吐きだすかを判断します
もしかして、人間と比べて味を全身で何度も感じる魚の方がよっぽどグルメさんなのかもしれませんね
また、ホウボウを釣りあげた事がある方なら
聞いた事があるかも知れませんが、
ホウボウの浮き袋には強い筋肉が付いていて、
それを震わせる事で浮き袋が共鳴してグゥーグゥーと鳴き声の様な音を出します
これは、産卵期の求愛行動や警戒音、
敵への威嚇などに使われていると言われています
あなたも、
もしホウボウを釣る機会があったならばホウボウの最後の話を聞いてみてはいかがでしょう(笑)?
MAMI★